表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1923/3108

12、女達の決意

アレクが寝ている間にマイコレイジ商会へ赴き女達と面談をした。一人ずつ事情を確認し、楽園の説明をする。その上で契約魔法をかける必要があるからな。




全員合意で契約魔法をかけ終わった。まあ納得してなかったらここには来てないだろうけどさ。


「ではカース様。ご無事でのお戻りをお待ちしております。」

「てましゅ」


リゼットの腕に抱かれたカールス。もうこんなに話せるようになったのか。月日の流れって早いもんだね。


「ピュイピュイ」


「コーちゃんが少しだけ祝福をあげるって。よかったね。」


本当に少しだけだとは思うが。


「まあ! コーちゃん様の! ありがとうございます! フォーチュンスネイクの祝福だなんて! よかったわねカールス。」

「こーちゃ」


ダミアンに似てどこか太々しい気もするが、リゼットに似て利発そうでもある。元気に育って欲しいね。


それよりコーちゃん様って……前は普通にコーちゃんって呼んでなかったか?




領都を女達を引き連れてゾロゾロ歩くと、やはり注目されるんだよな。いかにも売られたてですって感じだし。


「あ、あの、魔王様、なんですよね……」


「まあ、そうだな。」


さっき自己紹介したんだけどな。


「えでんって、ヘルデザ砂漠の、ま、まだ北なんですよね……」


「そうだな。」


それもさっき説明したぞ。


「本当にひとっ飛びで……」


「そうだな。あんな所まで歩いていくなんて冗談じゃないからな。で、何が知りたいんだ? 全部さっき説明したと思うが?」


「ご、ごめんなさい! その、やっと領都から逃げられるかと思うと嬉しいのに、なんだか急に不安になってしまって……」


「一応言っておくが、やめるなら今のうちだぞ? 向こうについたらそう簡単には戻れないからな?」


「分かってます……みんな、分かってます……」


領都を逃げたい女達ねぇ……夫や親から虐待されたとか食い物にされたとかって聞いたけど。リゼットもよくこんなにたくさん見つけてくるよな。たぶん氷山の一角なのかな。




「少し待っててくれ。」


我が家の正門前。アレクとカムイ、それからラグナを呼びに戻ったのだ。アレクは起きてるかなー。


「待たせたわね。準備はできてるわ。」


「おお、起きてたんだね。じゃあ行こうか。」


アレクったらうちの庭で錬魔循環しながら待っててくれたんだね。


「ガウガウ」


楽園の外を走り回りたいって? もちろんいいぞ。


あれ? ラグナがいない。置いていくぞ?


「ピュイピュイ」


おお、コーちゃんが呼びに行ってくれたよ。ありがとコーちゃん。




「悪いねぇボス……ちょいとうたた寝しちまってたよぉ……」


「コーちゃんが呼んでくれなかったら置いていったんだけどな。コーちゃんに感謝しとけよ。じゃ、行こうか。」


我が家のある貴族街から北の城門へと。ぞろぞろと歩く。城門に近付くに連れて増える人通り。

すると、必然的に現れるのが……


「クラリーヌ! 何やってんだぁ! 昨夜の稼ぎぁどうしたコラぁ!」


寄生虫のような身内。いや、ヒモかな?


「その女に指一本でも触れたら殺すぞ?」


「あぁ!? なんだぁこのガキぁ! 殺せるもんなら殺してみろやぁ! できもしねぇくせによぉ!?」


『麻痺』

『微毒』


「おごっ……おおおぼぼぼぼぉぉ……」


バカな奴。街の中で殺すわけないだろ。そのままプルプル震えながら吐き気と戦っとけ。吐きたくても吐けないって地獄だよなぁ。あーあ。


「ありがとうございます……あんなクズみたいな男のために……私は今まで……」


「殺す方法なんていくらでもあったと思うけどな。それでも自分が逃げる道を選んだってとこか。まあどっちが正解かなんて分からんもんな。」


殺せばいいってもんでもないしね。


「はい……あんなクズでも……どうしても殺せなくて……あいつ、私以外の女にも……」


うーん、殺しても許されそうな雰囲気だな。いや、まあもちろん私が手を下す気なんかないけどさ……


「まあ、なんだ。代官のリリスは頼りになる女だ。厳しい面もあるが自分の仕事をきっちりする者には優しくもある。少しぐらい甘えても許されるだろうよ。」


「代官のリリス様……ありがとうございます、魔王様……」




そして城門。アレクがいるから待ち時間なしで貴族用の門から出られる。

よし。これだけの人間を連れてるから少しは手間取るかと思えば、意外にスムーズだった。あらかじめリゼットがきっちり届け出てくれてたんだな。本当にリゼットは仕事ができるやつだわ。次期辺境伯夫人に相応しいんじゃないか?




『氷壁』


さすがにこれだけの人数を乗せる板がなかったんだよな。


『浮身』

『風操』


さあ、行くぜ楽園。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 金融の要素がほぼないですが、これからも、お体に気をつけつつ、ほぼ毎日更新を頑張って下さい。 金やムラサキメタリックを融かすと金は魔物以外のタイトル通り金貸しとかで、お願いします。
[一言] ヒモと縁切りたいという気持ちがあるだけ救われますよ。 共依存になってた日には泥沼ですから。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ