表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1871/3108

779、ファベルの子供達

城門を取り仕切っているのは近衞騎士だった。何人もの赤兜が従順そうに動いている。


「というわけでもうじき国王陛下から命令が届くと思う。悪いが俺はその前に出させてもらう。都合のいいことを言って悪いが朝にはまた通してもらうつもりだ。首実検が必要なら朝方にうちのウリエン兄上をここに配置しておいてくれ。」


「命令が届いていない今は身分証があれば通すのは当たり前です。だが明朝については約束できません」


「それならそれでいい。こちらも朝になったら考えるさ。じゃあよろしく頼む。」


さすがにローランドの近衞騎士は頼りになるな。袖の下も効きそうにないし。




さて、ファベルに来たものの当てはないんだよな。私の知ってる奴らは壊滅したとか聞いたし。

とりあえず知ってる場所をまわってみるか。


まずは……


「あー! あん時の兄ちゃん! この前はありがとう!」


え、だれ? この子見た気はするけどなぁ……


「靴を磨いた奴だっけ?」


「違うよ! おれは道案内した方だよ!」


あー、確かジノガミの事務所まで道案内させたんだったかな?


「まあいいや。そんならまた案内してくれよ。エチゴヤがいそうな所にな。」


「エチゴヤっ!? だ、だめだよ! おれ知らないよ!」


「知らないならいいさ。じゃあな。」


「あっ、ま、待ってよ兄ちゃん! 案内する! するから!」


あらら。前回いくら払ったか覚えてないけど相当美味しかったのかな? 子供のうちから楽して稼ぐことを覚えたらロクな大人にならないぞ?


「ただしズレナがいた場所以外でな?」


エチゴヤのファベルにおける倉庫番ズレナ……あいつ生きてんのかな?


「ズレナ? って誰?」


「知らないならいい。お前が知ってるエチゴヤ関係の場所に案内してくれ。」


このファベル内では有名人だと思ったが。まあこいつは子供だしな。


「いいけど……いくらくれるの?」


「ほらよ。」


一万ナラーもあれば過分だろ。見せるだけ。まだ渡さないぞ。


「うん! 案内するよ!」


さすがに効くね。

エチゴヤの残党なんかが(たむろ)してる場所でもあるといいんだけど。


「こっちこっち!」


えらく元気だな。よく見れば顔なんか傷だらけなのに。


「ここだよ!」


えらく近いな。闇ギルド系の住処(やさ)ってスラムの中心近くにあるのが定番なのに。ここはまだめっちゃ外側だし。


「あの建物か? えらくボロいな。」


「そうだよ! エチゴヤの隠れ家なんだって!」


「確かめてくるからそこらで待ってな。本当だったら後で払ってやるから。」


「えー!? そんなのだめだよ! 今払っておくれよぉ! ちゃんと案内したじゃないかあ!」


「大声を出すな。気付かれるだろ。これやるから食べながら待ってろ。」


魔力庫に入ってた何かの肉。昨日の宴会の残り物かな?


あ、夢中で食べてる。では行くか。少しは手がかりがあるといいんだが……


『風球』


ボロい扉はぶち壊すに限る。


「何だぁ!?」

「テインが戻ってきたんか?」

「いや! 入口がぶっ壊れてる!」


あれ? なんだここ……子供しかいないじゃん。さっきの子よりは歳上っぽいけど。


「ここはエチゴヤとは関係ないのか?」


「はぁ? エチゴヤぁ?」

「かんけーねーし!」

「兄ちゃんこそ何の用だぁ? 扉ぁぶっ壊してくれちゃってさぁ?」


「エチゴヤの残党を探してるんだけどな。知らないか? 知ってたら十万ナラーやるぞ。」


さっきの子に一万ナラー払う約束は無効だな。こいつらがエチゴヤ関係とはとても思えないもんな。


「ふぅん兄ちゃん金持ちなんだなぁ?」

「いーじゃーん?」

「てことはもっとどっさり持ってんだろぉ? 全部置いてけぇ、な?」


おっ、三人だけかと思ったらもっとゾロゾロ出てきやがった。こんなボロい所によくもまあ。


「素直に話す気はないってことでいいな?」


「兄ちゃんこそ素直に払わねぇと死ぬなぁ?」

「いーのかー?」

「俺らぁここいらを仕切ってるドラゴンデスクイーンファングブレードだぜぇ? なめてっと死ぬぜぇ?」


(ドラゴン)死神(デス)女王(クイーン)(ファング)(ブレード)

意味がよく分からないな。


『風球』


ちょっと大人気ない気もするけど今はこいつらに付き合ってる時間がないんだよ。

一人を除いて全員を吹っ飛ばした。


「なっ!? え!? 何、が!?」


「エチゴヤの情報はあるのかないのか、はっきりしろ。十万ナラーいらないのか?」


喉元にナイフを突きつけながら問いかけてみる。そこらで拾ったしょぼいナイフだけど。


「さ、最近みんな逃げたって……ひっ、ひいっ!」


「本当だな? じゃあ拠点だった建物とかないのか? ズレナが倉庫番をしてた拠点以外にな。」


「一つだけ……知って、る!」


「案内しろ。そしたらさっきの言葉は忘れてやる。」


子供相手に何やってんだか……

やみくもに歩きまわるよりましだろうけどさ。少しでも手がかりが欲しいんだよ。ファベルに何かあると決まったわけではないけどさ。いや、むしろ無駄足に可能性の方が高いけど……くそ、アーニャ……大丈夫なんだろうな?


建物から出るとさっきの子供はいなかった。逃げたか。私をこんな所に追い込んだくせに。


「こ、こっち……」


さて、残党の一人でもいるといいんだけどなぁ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 手間かかりそうですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ