表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1853/3108

761、改変魔法と偽勇者

えーっと、他に聞いておくべきことって何かないかな……あ、そうだ。


「ジュダの改変魔法って何なんですか? 神様にも効いたんですよね? そんなのありなんですか!?」


魔法の根源にも触れるいい質問だろ。


「効いたな。さすがにあれこれと準備を整えた上ではあったようだが。何かと聞かれれば、心を作り変える魔法ということになる。人間の技術で例えれば……洗脳魔法が『めっき』ならば改変魔法は鉄を金に変える『錬金術』であろうな」


人間の技術って言われても……めっきも錬金術も全然メジャーじゃないっての。めっき技術を持ってるのは一部の魔道具職人だけだし、錬金術なんか使えるやついるのか? 魔力ポーションを作る人間のことを錬金術師って呼びはするけどさ。


「まあ、何となく分かりました。さすがに神様相手には改変魔法も完全には効かなかったってことですよね?」


「そうなる。あの中にいる時に限りどうにか効力を発揮したようだな。なかなか小賢しい真似をしおる。そなたが殺しておらねば我が惨たらしく殺しておったであろう」


そもそもどうやってあの中に誘導したのかも気になるが……まあ、触れずにおいてやろう。どうせ口車とかだろうし。


「てゆうか改変魔法なんてどうやったら覚えられるんですか?」


うちの母上なら可能な気もするけど……


「あれは人間どもで言うところの個人魔法だ。あやつ以外には使えぬであろう」


「あぁ、やっぱそうですか。そりゃそうですよね。」


言われて納得。それでも母上なら似たようなことができそうな気もするけどね。

さて、他に聞いておくことは……


「この迷宮は地下何階まであるん、すか?」


おお、ドロガー。目を覚ましたのか。


「五十階だ」


「あざっす……」


なんだ。もう終わりかよ。引っ込んじゃったよ。


「御前を失礼いたします。私、今はなきソンブレア村のダークエルフ、クロノミーネハドルライツェンと申します。」


「ほう、ダークエルフか。何なりと申すがよい」


あらら、クロミまで。しっかり地面に片膝ついちゃって。


「こちらの人間の魔力を増やしてやっていただけないでしょうか。魔力庫や換装を一日数回、過不足なく使えるようにしてやっていただきたいのです。」


「えっ!? 私!?」


「その程度なら容易いことだ。そら」


「あっぎゅあっぷぷぶっうううっっっうぶぶぶーーーー!」


アーニャが……泡吹いてのたうち回ってる……

いやいや! やばいって!


「捨ておけ。じきに落ち着く」


「ニンちゃんさー。黒ちゃんちょっとしか魔力ないんだからさー。魔力庫も換装も使えないよー? そこんとこ考えてあげなきゃー?」


言われてみれば……

換装するにしても、ただ収納するだけにしても、結構魔力を食うんだよな。クロミってシューホーの大魔洞の時もアーニャのために願ってくれたんだよな。めっちゃいいやつじゃん。


「そなたに比べれば数億分の一にも満たぬ卑小な魔力を与えただけだ。何ほどのこともない。さて、もう用は済んだか?」


質問……えーとえーと……この際だからあれこれ聞いておきたいけど! こんな時に限って思いつかない! 何かないか! 神に質問し放題なんてこんな機会もうないぞ!?


あ!


「そこに転がってる大男なんですが、七回生まれ変わるとか言ってるんですけど、本当なんですかね?」


「そやつか。見たところただの個人魔法だな。死した場合、手近な肉体に転生するようだ。回数は……残り二回か」


「手近な肉体……って無差別なんですか?」


「知らぬ。奴はそれなりにえり好みしているようだぞ? そこに倒れている肉体はすでに命の灯が消えておるな。次はどこに現れることやらな」


「えり好み? えーっと……偽勇者は転生する度に好きな肉体を選ぶことができる……ってことですか!?」


「どうやらな。ここに並んでいる肉体は其奴の次代候補だったらしいな。今やただの肉塊だがな」


意味が分からん……

だが、もし偽勇者がフェルナンド先生の肉体に転生なんぞした日には……


あ!


大事な質問がある!


「神様! そもそも偽勇者ですけど! こいつの本性は何なんですか!? 本物の勇者ムラサキ・イチローってことはないですよね!?」


「本性も何も其奴はただ思い込みが激しいだけの凡人であろう。勇者とはローランドの建国主だったか。其奴ならすでに解脱しておるようだぞ?」


ん? げだつ? げだつって何だっけ!?

聞き覚えはあるんだけど……


「要はこの偽勇者は間違いなく偽者ってことなんですね?」


「で、あろう。見たところ幼き日に読んだ物語に影響されたようだな」


「え? こいつってローランド人なんですか!?」


「そのようだ。バンダルゴウとか言ったか。その近辺の村落で生まれたようだな」


何ぃ!? バンダルゴウだと? てことは……


「もしかして小さい頃からヤコビニと関わりがあったり?」


「ふむ……ちと面倒だが……まあよい。見てやるか……待っておれ」


さっきからしばしば『見る』って言葉が出てくるよな。遠く離れた過去の出来事でも見えるってのか。さすがに神は違うな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] カースの魔力もすごいけど神様も不思議な存在だなあ
[一言] 偽勇者がフェルナンド先生の肉体を乗っ取っても、ギュニューが悟空の肉体とチェンジした時みたいに、上手く扱えない気がします。 それと、七回転生ってとんでもない個人魔法と思うと同時に、本作の序盤…
[一言] 偽勇者の正体が分かりますか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ