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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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706、カースの聞き込み

アーニャを鉄ボードに乗せて治療院を出た。


「どこに行くの?」


「この辺をぶらぶらかな。何も怪しい奴がいなければそれでいいんだけどさ。」


「分かった。私も探すね!」


アーニャは鉄ボードの上に体育座り。前方だけはどうにか見ることができる。その姿勢は疲れるだろうに。ありがたいことだ。

こうしてる瞬間にもあの大爆発が起こりかねないからな……


ちなみに人通りは全然ない。普段のこの辺りがどうかなんて知らないけど、昨夜の大爆発の影響だろうか。ギルドも空っぽだったし。いや、あれはドロガー達が引き連れていったからか。


「誰もいないね。もしさ、本当に核だったら……ここどうなっちゃうんだろう……」


「廃墟か更地だろうね。放射線が出ないだけマシなのかな。」


ジュダはドラゴンの魔石から作った最高品質の魔石爆弾を持っていると言ってたが、さっき私に使ったあれがそうなんだろうか。最高品質であれなら次も私は生き残ることができる。魔力は心許ないがあれほどの至近距離でなければどうにでもなるからな。

だが、問題はあれが普通の物で最高品質は桁違いの威力だった場合だ。ジュダですら実験してないって言ってたもんな。ぶっつけ本番でうまく爆発するものかどうかは分からんが心配事は尽きないな……


それはそうと見える範囲には誰もいないから……


『魔力探査』


さすがに建物内まで含めたら結構いるな……どうしよ。一軒一軒まわってみるなんて無理すぎる……


でも何もしないで時が過ぎるのを待つわけにはいかん。魔力の高い順に訪ねてみるか。あー、大昔にカスカジーニ山で魔物を狩った時を思い出すな。あの時もこうして魔力の高い順にやったよなぁ。懐かしい。


では一軒目。白だった。

百万ナラーをチラつかせて質問に正直に答えればくれてやると言ったらホイホイと契約魔法をかけることができた。

魔石爆弾に相当する物もなければエチゴヤとの関係もない。この程度の質問で百万ナラーはやりすぎだったか……でも時間ないしな……


二軒目……白。


三軒目も白。そりゃそうだ。いくら魔力が高くても平民の域を出てないんだからさ。でも魔力は低くたって魔力庫は誰にでも所持できるもんなぁ……


四軒目、白。


五軒目も白。




結局……十軒目も白だった。

こんなことで一千万ナラーも使ってしまった……天都を守るために関係ない私が金を使うなんて。


「ねえカース。ちょっと思ったんだけどジュダって相手を洗脳してるんだよね?」


「そうみたいだね。一部洗脳できなかったり、洗脳以外の妙な方法を使ってるみたいだけど。」


「だとすると、それってカースならどうにかできるんじゃない? なんかそんな魔法があるんだよね?」


「あ! ある! そりゃそうだよ! いちいち確かめなくったって! いきなり解呪してやればいいんだよ! そうすればジュダから何か命令が届いたとしても無視するだろうしね!」


アーニャすごいな。頭いい! 確かに例外を考えるよりは手当たり次第『解呪』をかけてやった方が効率がいい気がする。それで解呪が効いた奴は関係者だと見なして改めて契約魔法をかけて白状させればいい。




そして傍若無人に民家に押し入ること二十三軒目。


「あっごっほぉっ……」


ついに解呪が効いた。なんとここはギルドの裏側の小さな家。まさかこんな近くにいたとは。魔力順に探したから仕方ないと言えばその通りだけど。


「朝からいきなり悪いな。大人しく話してくれたら奥さんも子供も無事だ。見れば分かると思うがこいつはお(かみ)御用(ごよう)だ。俺に逆らうってことは天王陛下に逆らうことだと思え。」


なんせアーニャはムラサキメタリックの鎧を着てるんだからな。部屋の中にまでは入れないが姿ぐらいは見せられる。


「へっ、へぇ……い、一体何事で……」


「まずは約束してもらうぜ? 正直に話せよ?」


「も、もちろんでっごおっほぉぉっ?」


よし効いた。


「天王陛下、もしくは赤兜から何か預けられた物はないか?」


「へぇ、あります」


「どんな物だ?」


「これぐらいのこんころ丸い玉でぇす」


ソフトボールぐらいの球か……ちらっと見たあれもだいたいそんな大きさだったな。


「わしの魔力庫に入っておりますで出しましょうか? 見た方が早いと思いますけんども」


「待て。お前はそれを誰から受け取った?」


「誰から……? はて、誰から……ん? んん……分からな……がぶぁぼぉぉぉぉ!?」


「ちょっと! あんた! あんたしっかりしておくれよ! あんたぁ!」

「父ちゃん! 父ちゃん父ちゃん!」


な、なんだこれ……いきなり血を吐いて倒れ……いかん! それどころじゃない!


『浮身』

『水鞭』


幸い治療院はすぐ近くなんだ! 水鞭を管状にして気道を確保した。まだ死なれちゃ困るからな。


「アーニャごめん! 少し待ってて!」


「いいよ。気をつけてね!」


ここから治療院までこいつを届けるだけだ。五分とかからない。


「ちょっ、お役人様ぁ!」

「父ちゃんに何するんだ!」


「いいから来い! 治療院に連れてくぞ!」


待たないけどね。勝手についてこい。

まったく……どうなってんだよ……

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― 新着の感想 ―
[一言] 父ちゃんには気の毒だったけど、これで打開策が見えてくるでしょうか。
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