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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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704、カースの懸念

数でまさる赤兜。おまけに何人かはムラサキメタリックを装備してやがる。これはキサダーニでも危ないな。


『徹甲弾』


ムラサキメタリックの奴だけを狙い撃ちして……


『徹甲弾』


吹っ飛ばしつつ一ヶ所に集める。その先ではアレクが……


『落穴』


大穴を用意して待ち構えててくれるのさ。全員落ちてしまえ。もうすっかりムラサキメタリックとの戦い方にも慣れてきたな。本来ならジュダもこうしてやるつもりだったんだけどなぁ……


『水球』


可哀想だが溺死してもらうぞ。

ムラサキメタリックの奴らさえ仕留めれば後はキサダーニがどうにかするだろう。こいつはこいつで厄介な魔法を使いやがるし。


「あ、キサダーニさぁ。二、三人生かしておいて。話が聞きたいからさ。」


「勝手にやれよ! こっちぁ大変なんだからよお!」


余裕がないなぁ。厄介な奴は片付けてやったのに。


『水壁』


二人ほど閉じ込めた。


「なっ!? き、きさまぁ!」

「くそっ! 冒険者ふぜいが!」


私ほどおしゃれな冒険者もいないだろうよ。この黒い着流しも悪くないけど、やっぱウエストコートじゃないと落ち着かないなぁ。


『換装』


穴は空いてるけどやっぱ私はこれだよな。ドラゴンウエストコート。あぁ落ち着く。


「ジュダはどうしてる?」


「天王陛下に向かってなんたる口を!」

「きさま何者かあ!」


温度アップ。水圧アップ。


「くっううっ、これしきの、こと……」

「あ、あつくなど……」


「ジュダは天道宮に帰ってきてるのか?」


「し、しらん……」

「だれ、が、いうか……」


さらに温度アップ。


「今朝ジュダの姿を見たか?」


「しら……ん……」

「ぐっ、このていどで……」


『風斬』


一人ほど首チョン。


「お前も死ぬか? お前が喋らないってんなら殺して他の奴から聞くだけのことだ。」


「お、おのれぇぇ……うぐっあ……」


「ジュダの姿が見えない。だから朝っぱらからあちこち捜索してんじゃないのか? イカルガ中をな。」


「そ……そうだ……」


だろうね。いくら何でも私より早く帰れるはずがないもんな。丞相あたりが指示出してんのかね。後はそうだな……


「赤兜や親衛騎士団以外にジュダの直属の手下とかっているのか?」


「せ、戦力という意味では……いない……」


そりゃそうか。他には女中ってとこか。そうなると……


「赤兜や親衛騎士団は今イカルガに何人ぐらいいる?」


「しらん……千は下らんはずだったが……」


私達が結構仕留めたもんな。


「ジュダが個人的に使っている奴隷がいるはずだが、どんな奴らだ?」


「ふ……ふざけるな! 偉大なる天王陛下が! 奴隷などをお使いになるものか! そのような身分卑しき者など天道宮に出入りすることすら叶わぬわ!」


『風斬』


ここまでだな。こいつの言うことが全て本当とは限らないが、ジュダにはまだ秘密があるってことか。例えば……エチゴヤの者を手駒として使っているとかな。

ジュダの幻影魔法があれば天道宮から出ることなくエチゴヤに指示だって出せるだろう。大番頭を仕留めた今、おそらく会長が直接指揮をとってるはずだ。つまり、ジュダとエチゴヤの会長はツーカーの仲ってことも考えられる。いや、普通に会長が洗脳されてるだけって線もあるな。

うーん、気になる……

エチゴヤの者ならそこらの庶民に化けることは難しくない。そうやってジュダの魔石爆弾を懐に入れて周囲をうろうろしてたら……




「おう魔王。こっちは片付いたぜ。どうにか死人は出ずに済んだぞ。」


「ご苦労。ちょっと気になることがあるから治療院に戻ってくる。見張りは引き続き頼むな。」


「おう。仕方ねぇな。さっさと戻ってこいよ?」


「カース、どうしたの?」


「もしかしたら治療院の方が危険かも知れないんだ。アレクはここでジュダを迎え撃ってくれる?」


「ええ、それは構わないけど。気をつけて行ってきてね?」


「うん。アレクもね。ジュダの姿が見つかるとするならこっちだと思うしね。コーちゃんも頼むね。」


「ピュイピュイ」


アレクに付いててもらおう。こんな野郎だらけのところに残していくんだからさ。心配は心配だがたぶん治療院よりこっちの方が安全だと思うんだよな。


私の予感が外れてくれればいいのだが……


ジュダは私が救出したローランド人がギルドや治療院周辺に集まっていることを知っている。そしてあいつは、人が蟻を踏み潰す程度の気持ちで魔石爆弾を爆発させる奴だ。

昨夜の一発目、ジュダがいた場所から爆心地までは直線距離で十五から二十キロルぐらいだろう。つまり、そのぐらいの距離ならジュダが持っていたリモコンの魔道具は届くってことだ。

逆に言うなら、まだジュダはその距離まで帰り着いてないってことだ。だから、リモコンの魔道具の魔力が届く距離まで、そこまで帰ってくる前に……魔石爆弾を持っている奴を見つける必要がある……

私に向かって容易く魔石爆弾を放ったジュダ。あの感じは相手が私に限った話じゃない。おそらく自分の家族だろうが臣下だろうが、天都丸ごとだろうが気にせず巻き込みかねん。ムカついたとか、ダルいとか、そんな下らん理由で爆発させる危うさを感じるんだよな。


しまったな……ドロガーには天道宮より街の中の怪しい奴を狩らせるべきだったな……


急がないと……間に合うか……

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 修繕に出してるウエストコートをなぜ持ってるのか? 修繕に出してるからこそ着流しにしてたはずなんですが……?
[一言] カースは敵には厳しくても身内には優しい。 ジュダは自分にしか優しくない。
[良い点] リモコンの電極にテープ貼るイタズラしたい!「あれっ?あれっ」とか言うジュダを見て大笑いしたいです! (発想が小物すぎる)
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