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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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685、カースの回り道

これはもう仕切り直すしかないな。まずは連行された女達のところに行こう。コーちゃんが向かった方向からすると正門方面だと思ったが……さすがに分からん。


仕方ない、赤兜を叩き起こすか。そこら辺にたくさん倒れてるからな。死んでるのか気を失っているだけなのかは分からんが……


兜の外し方はだいたい覚えた。少し手間だが一人ずつ外してみるか……

くっ、全然外れん……あ、パーツが曲がってるからか。てことは大ダメージくらったってことだよな。死んでるのかもね。次いこ。


くそ、こいつもだめ。


おっ! 外れた。三度目の正直ってか。うーむ、見た感じ生きてるな。


『水球』


ほれほれ。さっさと起きろよ。


「うっ……うぐっ……」


「よし、起きたな。お前、天王の居場所知ってるか?」


「きっ、貴様!? よ、よくもっがはぁっ!」


ワンナウト。とりあえず鼻面を踏みつけた。


「関係ないことを話すな。チャンスは残り二回な。で、天王はどこにいる?」


「し、知らむ! 例え知ってても言うもほかっごっぼほぉ!」


ツーアウト。サッカーボールのように蹴り飛ばした。


「最後だ。正直に言うと約束してくれたら命は助けるぞ?」


「くっ……うおおおっ『風斬』こふっ……」


あーあ。そんな体で殴ろうとでもしたのか? 意味ないのに。スリーアウトだから首を斬った。


次。


生きてる奴を探すだけでも大変なんだけどなぁ……




結局どいつもこいつも吐くことはなかった。まあ、敵の数を減らせたと思えば悪くない成果だろう。時間を浪費したとも言うが。

しかし、悪いことばかりでもなかった。うだうだやってる私のところに様子見の女中さんが現れたのだ。優しく問いかけたところ、ジュダの私室は知らないが女達が囚われていそうな場所には心当たりがあると教えてくれた。下っ端かよ。


そこまで案内してもらいながら話してみて分かったことがある。

なんと、この天道宮においてはメイドより女中の方が位が上らしい。というか『女中』という呼び方は天道宮で働く女性の中でも一部にしかしないらしい。その区切りは王族の私的エリアに立ち入れるかどうかだとか。当然他の貴族領でも女中という言い方はしないそうだ。うーん、色々あるんだね。なのにジュダの私室を知らないの?


「おそらくここかと」


おっと。話しているうちに着いた。ふーん、どことなくローランドの王都で私が潰した騎士団本部を思い出すな。


「ちょっと待っててくれるかな。もしここじゃなかったら他に案内してもらうから。」


「承知しました」


それにしてもこの女中さんはえらく丁寧だな。私のことを誰かと勘違いしてるのか?


ん? 開かない……鍵でもかかってるのか?


『風ざ「ピュイピュイ」


コーちゃん! 危ね! てことはここに女達はいるんだね!


「ピュイピュイ」


うんうん。待たせたね。伝言ありがとね。


「女中さん。ここで正解だよ。ありがとよ。君は親切だから教えておくけど、ここはもうすぐ更地になるから早めに逃げた方がいいよ。これはほんの気持ちね。」


十万ナラーをプレゼント。


「頂戴します」


堅苦しいなぁ。これが普通なのか?

金を受け取ったら用は済んだとばかりに去っていった。


やれやれ。さて、せっかくここまで来たことだし、ひとまず女達を連れてギルドにでも行くか。他に連れて行けるとこなんてないもんなぁ……


ん? なんだこのむせかえるような匂いは……血か……


「魔王! やっと来やがったかぁ! 遅ぇんだよ! つーかもう天王の奴をぶちのめしたんかぁ? やたらでけぇ音させやがってよぉ! かなり揺れたぞ!?」


「まだだよ。逃げられてばかりでな。それよりあれはどういうことだ? お前らがいて、なぜあのままにしてる?」


最低だ……女達は万歳の姿勢で横並び、手の平と手の平を重ねて壁に打ち付けられている……酷すぎるだろ!?


「それについては俺から説明する……」


「おお、キサダーニじゃん。来てたのか。」


「ああ。でだ、今この室内は魔力が乱れた空間になっている。つまり魔法が使えないってことだ。だが、女達を流れる魔力を探ってみろ。お前なら分かるだろ……」


言われてみれば……確かに水中ほどではないが、魔力が練りにくいな。私に影響があるってほどではないが。

そして、女達の手から手へと妙な魔力が流れてやがる……この行き先は……


「分かっただろ? 迂闊に解き放つと何が起こるか分かったもんじゃねえ。だからお前を待ってたんだ。もっとも、ドロガーの奴は愛しのダークエルフに来て欲しかったようだがな。」


クロミのことは……後回しでいい。今知らせる必要なんかないからな。


「ああ。よく分かった。これを何とかしないと女達を助けられないってことだな……」


くっ、これはアレクかクロミが必要な案件だ……私にはさっぱり分からない……分からないから……


「この魔力の行き先を確かめてくる。お前らはここで女達を守っておいてくれ。」


「おお、任せとけやぁ。魔王もしっかりやれやぁ!」


ドロガーに言われるまでもない。

行くよコーちゃん。つーかコーちゃんが頼りだからね。魔力の行き先をリサーチだ!


「ピュイピュイ」


それにしても……くっそ……

ジュダの野郎をぶち殺して終わりのはずだったのに。次から次へと予定外のことばかり起きやがる……

予定外と言えば、そもそもヒイズルには観光目的で来たはずだったんだけどなぁ……私は何をやっているんだ……

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― 新着の感想 ―
[一言] 活動報告から来ました。 まだ自分が読んでいるのは、カースの子ども時代ですので、こんなことになってて、びっくり! 間が空きすぎなので「胸くそ」かどうか判断できませんが。 カースって、こんなこと…
[一言] そういや観光でしたねw
[一言] 本当に予定外のことばかり起こってますね。
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