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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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677、禁裏番衆アーゴンとウンギョウ

気を取り直して廊下を進む。


また扉かよ。そして今度は番人がいるじゃないか。


「待っていたぞ! 天道宮を荒らす大罪人め!」

「これより奥は天王陛下のおわす禁裏(きんり)である!」


「貴様らここから一歩も先には行かせん!」

「進みたくば我らを倒して行け!」


「我は禁裏番衆の一人アーゴン!」

「同じくウンギョウ!」


「さあかかってこい大罪人よ!」

「我らここを一歩も退か『落穴』ぬぅっ!?」


アレクの落し穴が炸裂。だらだら喋ってるからだよ。やっぱムラサキメタリック武者には落し穴がよく効くよなぁ。


『水球』


ついでだから水で満たしておいた。さて、次は扉を……


『風斬』


×字に斬り裂いた。精緻な彫刻を施された扉だったが、防御力はないようだ。ちょっといい木を使ってるってだけだ。


「行こうか。」


「ガウガウ」


壊れた扉を通過した時、カムイが呼びかけてきた。

へー。あいつらやるじゃん。とっさに一人を踏み台に……いや違う。片方が自分を犠牲にもう片方を押し上げたのか。踏み台にしたぐらいでは上まで手が届かない深さだもんな。そして登った方は落し穴に槍を伸ばしている。引き上げようとしてるのね。やるもんだね。いいコンビなんだね。


『氷球』


だからってこっちに背を向けてるんだから、そりゃ攻撃するさ。ほら、また落ちた。


『氷塊』


うっわ。アレクえげつない。落とし蓋ってか。それもかなり重いやつ。これは終わったな。無敵のムラサキメタリックもすっかり攻略法が確立されちゃったね。


「今度こそ行ってもよさそうね。」


「うん。さっきから思ってたけど、アレクの落穴の魔法ってかなり威力が上がってるよね。すごいよ。」


だってここの床って石造りだぞ? それをよくもまあ、あそこまでの深さを。感心しちゃうね。


「私だって努力は欠かしてないつもりだもの。カースやクロミには及ばなくても首席で卒業した意地だってあるし。」


「偉い。アレクは偉いね。」


だから頭なでなで。


「も、もう何よ……そ、そんなことしたってお仕置きはやめないんだからね!」


あ、忘れてた……アレクからお仕置きするって言われてはいたが……結局何もされてないから……

あ……だから何もされてないのか!? 目覚めのチューすらも! くっ……これは由々しき事態じゃないか……


「いつも心配かけてごめんね。アレクが頼れるから僕も無茶できるんだよ。いつもありがとね。」


さらになでなで。


「か、カースったら……//」


くふぅー。こんな時だけどやっぱ赤面アレクはかわいいよなぁ。最高。


「カース! 今そんなことしてる場合じゃないよ! しっかりしてよもぉー!」


おっと。今までずっと黙ってたアーニャがついに口を開いたではないか。確かにそうだな。しっかりしよう。


「……アレクさんばっかりずるい……」


消え入りそうな声で言うではないか。私は難聴ではないからな。ちゃんと聴こえたとも。


「よしよし。アーニャもフルプレートなんか着て気分は悪いと思うけど、よく耐えてるよな。偉いぞ。」


「鎧の上から撫でられても全然分かんないよ! もぉー!」


正確には兜の上からだな。


さて、話していたら広い所に出た。宮殿の玄関ホールって感じか。ここから各王族の部屋とかに道が分かれてるってことか。

むっ、この感じは……まあいい。


それにしても広いよなぁ……どこから行こうか……あ。


待ち構えていたかのように、ムラサキメタリックを纏った奴らがゾロゾロと現れやがった。この広い場所で迎え討とうと待っていたわけか? だったら門番は死に損だな。普通に通せばよかったものを。


「囲め!」


おっ、あいつ……騎士長かよ。


「とうとうこんな所まで入り込むとはな。それにしても……煌めく金のお(ぐし)が美しいお方。あなたまで死ぬことはないのでは? 今からでも間に合いますぞ。どうかこの手をお取りください。」


「先日も申し上げたはずですわ。私はこちらの魔王カースと将来を誓い合った身。例えローランド国王陛下の勅命であろうとも我が意を曲げることはあり得ぬと。」


そういやこの騎士長野郎……アレクに粉かけてやがったもんな。その割には目の色を変えてなんかなかったけど。


「それは残念。悲しいことになりますな。かかれぇ!」


『徹甲連弾』


先ほど分かったが、この部屋では普通は魔法が使えそうにない。ホール全体に渡って魔力を著しく減退させる何かがあるようだ。角力仕合の時と同じように。まあ私には関係ないが。

でもアレクの落し穴が使えないのは少し痛いかな。


「忘れたか? この程度で俺の魔法を封じた気になってんじゃないぞ?」


「そちらこそ、その程度の魔法では打ち飛ばすことはできてもダメージを与えることなどできぬ。せいぜい魔力が切れるまで撃ち続けるがいいさ。」


そうでもないぞ?


「クロミ、これ貸すわ。いい感じに動かしてみ?」


「へっへー。これって最強だよねー。勇者に聖剣、エルフにイグドラって感じー?」


不動を貸してみた。クロミならいい使い方をしてくれそうな気がするから。


木舞操(きぶくり)


うおぉ……優雅な名前に反して一気にぶっ飛んでいきやがった。私が全力でぶん投げるよりすごい威力だ。

当然ムラサキメタリックだろうと問題なく貫通してるし。そんなことができるんならもっと早く言ってくれよな……


トドメはクロミに任せて私は起き上がった奴に片っ端から徹甲弾をぶち当てる。ダメージはなくとも目ぐらい回すだろ。


さあ、騎士長野郎はどう出る?

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― 新着の感想 ―
[良い点] カースが傾聴系主人公であること。
[一言] まさに出オチ!!w
[一言] 騎士長、まだアレクを諦めてなかったのか。 それとも口説くのが挨拶代わりのイタリアンな奴か。
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