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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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637、囚われたカース

舐めんじゃねぇ! 腹に弾が入ったぐらいで……!


『換装』

『金操』


上半身の服を収納し、弾を無理矢理抜いた……が……

やばい、もう魔力が……


「ふん、まだそんな元気があったか。だがこれまでだ」


魔石、爆弾か……


「死ね」


『風壁』


残った魔力で……最低限の……




「くく、まだ死んではいないか。だがもう動けまい。ならばいいものをくれてやろう」


なんだよ……


「エチゴヤ名物魔封じの首輪だ。お前ごときにはもったいない高級品だ。ありがたく受け取るんだな」


殺さないのかよ……甘い奴だ……


「くく、これでお前はそこらのガキにも劣る存在だ。後でたっぷりもてなしてやろう。どうか殺してくださいと懇願するまでな」


うるせぇ……


「さて、妙だな……あやつら……」


バカが……どこかに行きやがった……今のうちに……魔力ポーションを……


ふぅ……だが通常のポーションは飲まない……

まだ、しばらくは我慢だ……


『コーちゃん……もうそっちはいいよ……どこかに隠れて後から付いてきて……』


よし……きっと伝わっただろう……

血は止まらないし腹の傷は痛いが……しばらくこのままで……


「ちっ、まだ仲間がいたのか。呼んでも来ないから妙だとは思ったが。くそっ、面倒な」


ん? 私は一人しか殺してないが……

コーちゃんが何かしたのか……


『浮遊』


私をどこかに連れていくつもりだな……

いいぜ……連れてけよ……


「目障りだ。この中に入ってろ」


ぐっ、これは……木箱か……

まるで小さな棺桶じゃないか……狭すぎだろ……


「エチゴヤに逆らった報いはたっぷり受けてもらう。お前の仲間も一緒にな。せいぜい洗いざらい吐いて早く殺してもらえるよう祈っておけ」


ふん……うるせぇよ……

ぐえぇ……この木箱……中に何入れてやがった……

めちゃくちゃ臭ぇ……

だが、今のうちに魔力ポーションをもう一本飲んでおこう……あーくそ……まずいし臭いし、腹が痛い……内臓まで傷ついてんのかな……

早くクロミに診てもらわないと……出血もやばい……

だが、まだだ……もう少し、もう少しの辛抱だ……


絶対本拠地を突き止めてやるからな……




揺れが収まった。着いたか?

痛っ、いきなり魔法を解きやがったな? 木箱を落としやがった。


ん? なんだか熱いぞ……

この匂いは……マジかよ!

木箱ごと燃やされてんのかよ! 普通死ぬぞ!?

ここは私の演技の見せどころだろうが、今の私はそんな元気もない。ぎりぎりまでぐったりとして体力を温存するしかない。


あー熱い……呼吸は苦しいし……

そろそろ火傷じゃすまない熱さになってきたぞ……


「動かないな。死んだか?」

「いえ、こやつはしぶとそうでした。健気に耐えて機をうかがっていると見ました」


この声は第二番頭と……もう一人は知らないな。つーかやばい……上半身が! 熱いし痛い!


「あじゃじゃじゃじゃあああーー! 熱いぃぃぃーー! 助けてくれぇぇぇーー!」


「おお。よかったよかった。生きておったか」

「ではもうしばらく見物しておきましょう」


こいつら……熱いって言ってんだろうが!

だが、今ので分かったぞ……第二番頭が敬語を使ってるってことは……この声の主はもしや大番頭か!? 会いたかったぜぇ……


「たのっ、たのむうっ! たすっ! たすけてくれぇぇぇーー!」


半分以上演技だけどさ。熱いのは本当。たぶん背中はかなり火傷してるはず。自動防御を張ってないんだからさ。

酷い筋肉痛の上に火傷かよ……勘弁して欲しいな……だが、もう少し……


「意外に元気だな。痛めつけようが足りなかったのではないか?」

「どうやらそのようで。おい、お前ら。箱ごと叩き壊せ」


うぐぉっ!? 数人がかりで……鉄棒か何かで箱を叩きまくっている。燃えてるわけだから当然脆い……必然的に私の身は……


「や、やめっ、うぐっ、い、あがっ、やめ、やめて……ぐああっ!」


叩かれるタイミングに合わせて声を出す。痛いのはマジだしな。くっそ……傷口に響きやがる……


「たわいないな。こやつがローランドの魔王とやらか。所詮はガキか」

「そのように聞いておりますが、いささか怪しくなってきましたな。今一度調べ直した方がよいのかも知れませんな」


くそ……いつまで叩き続けてんだよ……やべぇ……腕が折れたか……さっきエルダーエボニーエントの籠手まで収納してしまったからな……


「さて、そろそろ話が聞きたいな」

「はい。お前たち。そやつを引きずり出せ」


やっとかよ……

くそが……もっと丁寧に扱いやがれ……髪の毛を掴むんじゃねぇよ……


「どうだったかな。歓迎の火祭りは。気に入ってくれただろう? 次は冷たいのもあるけど、その前に話を聞こうじゃないか」

「さてローランドの魔王よ。今から質問をするから素直に答えるといい。正直に話せば楽に殺してやるからな」


腐れ外道のエチゴヤが約束を守るわけないだろ……


「ムグラザ、お前に任せる」

「ありがとうございます。さて魔王、お前の目的を言え。なぜエチゴヤを狙う? なぜローランド人奴隷を買おうとする?」


ムグラザ……北の第二番頭ムグラザ・ウオヌか……名簿にあった通り……

やはり私の考えは正しかったのか……まあ、さっき自白してたけどさ……

そんな第二番頭に命令しているこの男は……

間違いない……大番頭……カンダツ・ユザ!


会いたかったぜ……ここでサヨナラだけどなぁ!

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― 新着の感想 ―
[一言] やっちゃえぇぇぇい!!
[良い点] い・・イケずですね。(涙 ※ 良い所で終わりましたね。 [一言] 読ませて戴き、ありがとうございます。
2022/03/25 23:24 退会済み
管理
[一言] ついに出ましたか。
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