表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1733/3108

631、狂気の劇場 狂乱麗奴

次の店はテンポが捕まってそうな候補、その本命である『狂乱麗奴(きょうらんれいど)』だ。

この店こそが最低の見世物をやっている、エチゴヤの中でも最悪の場所らしい。

ちっ、外見からでは他の建物と全然区別できないな。ここにはどうやって入ろうかな。


あっ!


「ピュイピュイ」


コーちゃん! てことはドロガーもこの近くにいる?


「ピュイ」


なんと。テンポの奴もここにいるんだね。だけどドロガー一人じゃあ攻め込めないから様子を見てたと。私かクロミを呼びに戻ろうと考えてた時にコーちゃんが私を発見したってわけだね。それならちょうどいい。

ドロガーを呼んできてくれる?


「ピュイピュイ」


ドロガーがいると拷問のレベルが上がるから助かるんだよな。あの激痛は普通に拷問するよりよっぽど効率的だわ。




「おう。いい時に来てくれたじゃねぇか。」


「たまたまな。朝からあちこち潰して回ってるけどさ。なかなか本命にぶち当たらなくてな。どいつもこいつも口が固くてな。」


「エチゴヤのクソどもにしちゃあ上出来だぜなぁ。まっ、俺が来たからにゃあ任しとけや。極上の激痛をくれてやるからよぉ。」


「期待してるぞ。さて、お前らは例によって裏に回りな。出てきた奴は殺せ。」


「おお……」

「ああ」


私とコーちゃん、そしてドロガーは正面からだ。おっとそうそう。コーちゃんは別行動を頼むよ。地下通路を探してもらえないかな。で、そこに逃げようとする奴がいたら噛んでやってよ。


「ピュイピュイ」


よし。孤児院でやったようなミスはもうしないぞ。一人も逃すものか。


では改めて『水球(みなたま)


巨大鉄球のごとき水球を正面にぶち当てる。思い出すなぁ。フランティア領都の城門をぶち壊した時を。当然ながら城門ほどの丈夫さがあるはずもない入口だ。一発で全壊、さあ入ろう。


「いきなりかよ……」


「まあな。今朝からあちこち潰したもんだから、そろそろ情報が回ってもおかしくない頃合いだ。だからもう思いっきりやっていいってことさ。」


「へぇ? 思いっきりかよ。()っちまっていいんかぁ?」


「構わんだろ。テンポは適当に探しても見つかるだろうし。」


「まっ、それもそうだな。ここにいるこたぁ蛇ちゃんが教えてくれたしよ。」


本来ならコーちゃんの案内でテンポの所まで行ってもよかったんだが、それより優先するのはやっぱ逃げ道潰しだよな。絶対一人も逃さんからな。


「なんじゃあこらぁ!」

「どこのモンじゃらぁ!」

「殺しちゃろかいのぉ!」

「今夜の見世モンにちょうどええわいや!」

「逃すんじゃねぇぞ!」


おーおー。ぞろぞろ出てきたねぇ。


『風斬』


首チョンで終わりだ。そしてさらに『水球』


壁も柱もぶち壊す。ここも更地にしてやるよ。


「おい、俺ぁテンポぉ探しに行くからよぉ。」


ドロガーまで別行動か。まあいいや。その方が効率的だもんな。


「別にいいけど青紫烈隊(バイオレッタ)なんかに出くわしてやられんなよ?」


「俺が負けるわけねぇだろ。そんじゃ後でなぁ。」


ならば私はドロガーとは逆の方に向かおうか。私が派手に暴れればその分あいつを助けやすくなることだしね。


『水球』


おまけに雑魚どもがたくさん現れるな。趣味の悪い見世物をやる店にこんなに店員が必要か? まあ服装からして店員ってよりはゴロツキだけどさ。


おっ、こっちの部屋は広いな。ん……この匂いは……

ここか。ここが見世物部屋かよ……


人間を解体したり、薬を飲ませた者同士を死ぬまで戦わせたり。五、六歳の子供を客の目の前で犯したり、誰が一番悲鳴を上げさせられるか競ったり……鬼畜の宴の会場ってわけかよ……


「ようこそ魔王さん。本日はエチゴヤが誇る大衆劇場『狂乱麗奴(きょうらんれいど)』にようこそお越しくださいました。せっかく来てくれたんだ。楽しんでいってくださいね?」


『狙撃』


「焦らない焦らない。お楽しみはこれからですよ?」


ちっ、ゴーレムかよ。自分は離れた場所にいてゴーレムを操ってるだけだろ。ニコニコ商会にもこんな奴がいたよなぁ。そうそう、セグノだ。傀儡(くぐつ)のセグノとか呼ばれてたよな。そんなセグノも今じゃあゼマティスの伯父さんの妾だもんなぁ。人生色々だわ。


『火球』


何のゴーレムか知らんが私の炎で燃えないはずがない。ついでに部屋も全部燃えてしまえ。


「死ねぇ!」

「とったるぅ!」

「おどりゃああ!」

「 そこじゃああ!」


おやおや。ゴーレムだけでなくチンピラどもまで出てきやがった。私に隙ができるまでもう少し我慢できなかったもんかねぇ。


『風斬』

『火球』


チンピラには風斬を、ゴーレムには火球を。

おっと、上から網かよ。


『風斬』


私を捕まえようなんて無理だね。ムラサキメタリックの網なんてあったら最悪だけど、まあ無理だろ。そんなの作るのにはどんだけ技術が要ることか。


「なかなかやりますねぇ。さすがは傷裂ドロガーとともにシューホー大魔洞を踏破しただけありますねぇ。ですが、遊びはここで終わりにしましょうか。到着しましたよ? エチゴヤ最強部隊、深紫(ディパープル)がね」


ゴーレムの声担当のやつ、まだ逃げてないのかよ。まあ逃がさないけどさ。

それにしても深紫が最強なのか? 昨日の暗部って奴は違うんだろうか。あいつはそこそこ強かったが。


ステージ側からぞろぞろと現れたのは見覚えのある紫の鎧。名前の通り深い紫色をしてやがる。


「さあ深紫の皆さん! 二十億ナラーは目の前ですよ! 手の一本でも四億は貰えるんじゃないですか?」


ざっと十五人か……紫弾も金操も使えない、か。

少し困ったな。どうしてくれようか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] どうするどうする?!
[一言] 困るのは少しだけでしょうw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ