表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1724/3108

622、偽番頭と偽赤兜

先ほどと同じくドロガーの激痛魔法でさくさくと進んだ。こいつにも契約魔法はかかっておらず、あっさり私の契約魔法をかけることができた。


そして分かったことだが、宿を襲った赤兜はなんと全員がエチゴヤの人間だった。こいつはカムイを捕まえて拠点まで連れて帰った一員らしい。つーか闇ギルドが一国の正式装備を用意できるって……これもう癒着どころじゃないだろ? 天王ジュダの奴はどこまで国を私物化してやがる。表では赤兜、裏ではエチゴヤを操って玉座にまで昇り詰めたってことか?


カムイを狙った理由は上からの指示。こいつが知ってるのはそれだけだった。ただし、なるべく無傷で捕らえろと。そのために利用したのが宿。犬が食べると具合が悪くなる食材を知っている者がいたため、試しに調理場の人間を脅して料理に使用させた。その食材をどこから入手したか知ってるのはそいつだけ。そいつはもう倒壊した建物の下敷きになったか、瀕死のところを私に見つかってトドメを刺されたかってところか。

カムイ以外については好きにしていいと聞いていたので宿でひと通り楽しんでから拠点へ連行する予定だったと。予想外に美女揃いのため、連行した後では売り飛ばされてしまうため自分達が楽しめないからだと……くそがぁ……


そして、それを実行するタイミングを今日の昼過ぎと決めた理由がテンポだった……

と言っても裏切りではない。

食後の散歩にでも出かけたであろうテンポを見つけたエチゴヤは素早く確保。普段はドロガーと一緒だったこともあり手が出せなかったと。

そして素早く拷問。あいつが知る限りの情報を吐かせたらしい。その結果カムイの無力化に成功したことも分かり、アレク達の警戒も疎かになっていることもバレた。これ幸いと宿をエチゴヤの名前で制圧し、魔法を使える者が総出で眠りの魔法をかけたと。


なお、テンポをどうやって吐かせたかは知らないようだ。色々と役割分担してやがるみたいだな……くそ、小賢しい。


「だいたいの話は分かった。で、ジノガミ(ここ)にいた奴らはどうなった? 全員殺したのか?」


「知らねぇ」


天都内とスラム担当じゃあそりゃ知らんわな。


「代理、お前は俺のことを知ってるみたいだったな。エチゴヤ内で『魔王』はどう聞かされてる?」


「かなり警戒されている……賞金も知られているが、オワダの件もあるから上からの指示なしに手を出すことは禁じられている……」


「アラキ島のことも知ってるのか?」


「いや…‥知らない。何かしたのか?」


「エチゴヤ勢力を全滅させただけだ。」


「そ、そうか……」


そして、ずっと気になっていることがある。


「俺に掛かってる賞金って誰が払うんだ? ローランド王国の闇ギルド連合が掛けてたらしいが、それも今はもうないはずだぞ?」


「聞いた話だと、ローランド王国の魔蠍(まかつ)って組織が残した金らしいが……」


百歩譲って、魔蠍が金を残していたのはいいとしよう。だが、そんなもん誰が管理する? 誰かが管理してなければ賞金なんて払いようもないだろ。確かに魔蠍のボス、アンタレスは『俺達の仕事に失敗はない』と言っていたが……


「お前ら二人は面識あるのか?」


「いや……ない……俺が天都に来たのは最近だし……」


代理野郎は三日前から孤児院にいたって話だったか。それまでは第一番頭と同じクマーノか。


「俺もない。俺らは同じ組織でも所属が違えばまず顔を見ることはないからな」


縦割りか。

とりあえず今聞くべきはこんなところだろうか。まだまだ出てきそうだが、またにしよう。さすがに疲れた……魔力だってもう三分もないぐらいか。


『永眠』


こいつらには当分寝ててもらおう。


「飯にしようか。そして食ったら休もう。」


「まだ夕方にゃあ早ぇが俺も疲れたぜ。ったくよぉ……やること聞くことが一気に増えちまったぜなぁ? 俺が気になんのはムラサキメタリックの塊をぶっ飛ばす魔道具だったか? ありゃあ反則だぜ……」


「俺もそう思うよ。」


私が紫弾を一発撃つのにどんだけ魔力を消費することか。それをあいつらと来たら、簡単に撃ちやがってさぁ……


「じゃあ用意するわね。カースは何か食べたいものはある?」


「暖かいものかな。アレクが作ってくれるものなら何でもおいしいけどね。」


「分かったわ。少し待っててね。」


こんな時だからこそ、旨い料理を食べて元気を出さないとな。


「おっと、そうだ。テンポの野郎は助けに行かなくていいんか?」


あー……裏切ったわけじゃないからなぁ……

見捨てるのは悪いなぁ。だが……


「行かない。今そんな余裕はないからな。ただ、ドロガーが行きたいなら止めはしない。俺としてはどうせエチゴヤは潰すんだからその時ついでに助けることを勧めるぞ?」


東の孤児院とやらだけでなく、偽赤兜も拠点の一つや二つぐらい知ってるだろうからな。


「あんな奴でも同じパーティーを組む仲間だからな。食ったら行ってみるぜ。心当たりなんぞねぇからギルドで情報集めぇするぐれぇだけどよ。」


「それが終わったらすぐ帰ってきた方がいいな。こいつらからまだ搾り取れる情報だってあるだろうからな。それにハンダビラだってどこまで信用できるか分かったもんじゃない。気をつけろよ?」


私はまだハンダビラがエチゴヤと繋がってないか疑っている。ギルドのおっさんと受付嬢はエチゴヤを敵視しているが、それがハンダビラ全体の方針とは限らないからな。受付嬢の母親であるボスがエチゴヤと繋がってる場合だってあり得るんだから。


それにしても……体を使って、魔力を使って。そして頭まで使って……


マジで疲れるんだけど……


だが、ローランドの同胞を救うためと思えば仕方ないか。私の柄じゃない気がするんだけどなぁ……今さらか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あ~テンポ拷問されちゃってたぁ 可哀そうに・・・
[一言] 柄じゃないって、結構そういう人間でしょ。
[良い点] テンポが裏切ってなかっただけでもホッとしました。 でもドロガ―ひとりで出かけて大丈夫かなぁ。 罠を疑ってしまいますわ~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ