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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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619、囚われたカムイ

今だ!

突如姿を現したドロガーとコーちゃんは中庭で赤兜を相手に大立ち回り! さほど警戒していたようにも見えなかったし、マジで捕まえたらさっさと移動するつもりだったんだろうか。

その間に私は隠形を使ってアレク達に近寄り……


『風斬』


全員のロープを切っ……はぁ!?

切れない……だと!?


「何やつ!?」

「あっちに傷裂だ!」

「誰か魔法を使ったか!?」


くそ、ならば切るのは後回しだ。


『浮身』


全員を連れて上空へ逃げる!


「クロミ、このロープはどうなってんだ?」


「分かんないし!」


「アレク、サウザンドミヅチの短剣を出せる?」


「え、ええ、はい!」


よし。アレクの魔力庫は武器を直接手に握れる設定にもなっていたはずだもんな。

この短剣なら……


よし切れた!


「事情は後回しね。カムイはどこにいる?」


テンポの姿も見えないが。


「カムイは先に連れていかれたわ……頑丈そうな檻に入れられて……」


「マジで……」


まさか今回の襲撃って本命はカムイだったりするのか? 例えばあいつの超きれいな毛皮が目当てとか……

つーか赤兜ってほぼ天王ジュダの親衛隊みたいなもんだろ? てことは今回のこれは間違いなく天王の指示か。だがそれをなぜ大番頭が知っている? そこまでべったべたに癒着してやがるのか?


「ピュイピュイ」


コーちゃん分かる!? よし助けに行こう!


「アレク、僕はカムイを助けに行く。ここは大丈夫だね?」


「ええ! 色々と隙をつかれた所為もあるけど、もう大丈夫よ!」


「クロミも大丈夫だな?」


ムラサキメタリックが相手だけど。


「当たり前だしー。まともに戦ったら負けないしー!」


やはり色々と事情があったのだろう。それを聞くのは後だ。まずはカムイを助けてからだな。


「カ、カース、ご、ごめんなさい……私のせいで……」


「アーニャ、今はそんなことを気にしてる時じゃないよ。部屋に紫の鎧を着た男が転がってるから、そいつを死なせないように見張っててくれる? どうせ起きないとは思うけど、念のため手足を縛っておくといいよ。」


「わ、分かった!」


テンポのことまで気にしていられない。私はもう行くぞ。


「後で合流する場所はファベル内のジノガミで。ドロガーがたぶん知ってると思うから。」


「分かったわ! カースも気をつけてね!」


「うん。アレクもね。じゃ、後で!」


行こうコーちゃん! どっちだい?


「ピュイピュイ」


よし、あっちか! あれ? 騎士団の詰所とは違う方角だな……

あれこれと気になることはあるが、今はそんなこと気にしている場合ではない。カムイ……

香辛料にやられたって話だったが、あの中庭からそんな匂いはしなかった。一体どうやって……




「ピュイピュイ」


この下? 騎士団とは関係なさそうな建物、天都でも外れの方だな……

あ、そうだ。カムイは檻に入れられてるんだったな。カムイを拘束できるほどの檻ならば……


『水壁』

『降り注ぐ氷塊』


建物一つ、上からぶっ潰した。周囲への被害はない。

悪いが民間人がいたとしても関係ない。悪に加担する場所にいる方が悪いのだ。


さて、カムイはどこだ。


『浮身』


瓦礫をどかす。そこそこ大きい建物だったからな。撤去作業もひと苦労か。


「うっ……うう……」


おっ、生き残りか。赤い鎧……赤兜だな。


『氷弾』


情報は欲しいがそんなのは後でいい。こいつ以外にも生き残ってる奴はいるだろう。しばらくは見つけるたびにトドメを刺す。


「ピュイピュイ」


あっちの下だね。よし!


「てめぇかぁ!」

「殺しゃげたるぅ!」

「死ねしししねねね!」


おっ、元気な赤兜もいるのか。さすがのムラサキメタリックだな。建物が倒壊しても無傷かよ。


『狙撃』


いくら全身をムラサキメタリックで堅めても少しぐらい穴はあるからな。中身が達人でもない限り、殺すだけなら楽勝だ。生捕りしようとするとかなり大変だけどな……


だいたいなぜこんな所に赤兜がいるんだよ……

まあいい。作業を続けよう。


『浮身』




続けること三十分。

生きてる赤兜や死体なども発掘しつつ、ついに……


「ピュイピュイ」


よし! あの瓦礫か!


いた! カムイ! やはり檻は壊れてないな。


『浮身』


ん? 浮身が効かない……

よく見れば、あの檻ってムラサキメタリックじゃん。マジかよ。檻にまで使ってんのかよ。あーでも銃弾にも使ってたもんな。

カムイはぐったりして意識がない。どうやって開けよう……

今の私の魔力でこいつをこじ開けると空っぽになりかねない。まずいな……


よし。力技で……


不動を檻の隙間に入れて……テコを使って隙間を広げて……


きっつ……これは疲れるな……


おっ、コーちゃんはするすると檻に入り、カムイの首筋に噛みついている。気つけ的な? さすがコーちゃん。カムイの無敵の毛皮もお構いなしか。


「ガウ……」

「ピュイーー」


起きたか。どうしたことなんだ? お前がこんな目に遭うなんてさ。


「ガウガウ」


昼飯に何か変なものが入ってた? 香辛料じゃなくて?


「ガウガウ」


香辛料でないことしか分からないのな。で、それを食べたら体調が悪くなったと。その後ウトウトしてて気付いたらこの様なのね。


普段からカムイは私たちと同じものを食べる。味付けは違う場合が多いが。今回だってアレクたちと同じものを食べたはずだ。当然アレクやクロミに毒は効かない。カムイにだって効くはずがない。そもそもカムイの鋭敏な鼻と舌をスルーして、普通に食べさせることができた時点で私にはさっぱり分からない。

一体どうなってるんだ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 無味無臭のなにか? なんじゃろな?
[良い点] とりあえずパーティメンバーの安全が確認できて一安心。約束の時間を待つ前に先制攻撃ですかね。続きが気になりますな
[一言] カムイの嗅覚をすり抜ける毒って嫌ですね。
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