表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1718/3108

616、孤児院の攻防

やけに静かだな。子供たちはどこに行ったのかな? そんなことより大番頭はどこだ?

院長室みたいなところはないのか?

本当なら一気に燃やしてしまいたいのだが、子供たちが建物内にいると思うとそうもいかないよな。くっ、まさかそんなところまで計算してやがるのか?


「たぶんこっちだぜ。」


「知ってるのか?」


「かなり昔に来たことがあるからよぉ……」


「ふーん。」


おっ、あれか? いかにもって感じの扉だ。


『風球』


「そんなに派手にやって逃げられたらどうすんだよ……」


「それもそうか。でもさっき入口で一人殺したし今さらじゃないか?」


さて、ノックせずに入室。カンダツ・ユザってのはいるか?


「何事だ……?」


いた。五十代前半って感じのナイスミドル。


「お前がカンダツ・ユザだな。死ね。」


『風斬』


「うおぉぉい! こいつは生かしとくんじゃなかったんかよ!」


「見てみろ。効いてない。」


生意気な。ムラサキメタリックの盾かよ。後で没収だな。


「いきなり魔法を撃ってくるとは。最近の若いもんは礼儀知らずと見える。名ぐらい名乗らんか。」


「人に名を聞くときはまず自分からだろ? 挨拶は誰に会っても自分からって言葉を知らねーのか? それより大人しくあれこれ話すのと惨たらしい拷問の末に情報を吐くことなく死ぬのと、どっちがいい?」


懐に手を入れた。武器か? いいぜ。見せてみろよ。


「くくく、拷問か。ろくな知識もないガキがする拷問などたかが知れておるわ。どうだ? この際勉強してみるか? エチゴヤの、本当の恐怖を。本当の拷問をな!」


「あがっ……なっ、何をしやがった……」


この野郎……何てモン持ってやがる……

ドロガーの腹に命中したそれは……


「お前たちごとき田舎者は知らないだろうなぁ。これは短筒(たんずつ)と言ってな。鉄の弾を飛ばす魔道具よ。目にも止まらぬ弾をなぁ!」


「それをどこで手に入れた?」


ヒイズルの技術で作れるとは思えないが……


「後で聞かせてやるとも。お前たちの悲鳴の合間に、なぁ!」


ちっ、おそらく銃弾はムラサキメタリックか……

ならば自動防御は効かない。私のウエストコートやトラウザーズを貫通するとは思えないが、首や頭に当たったら即死だ。間断なく撃ってきやがる……転げまわってでも避けるしかない。


『狙撃』


「おおっとぉ。お前も似たようなことをするじゃないか。だが無駄だ。この盾を貫通することなどできはせん! ほぉらそこだぁ!」


くそ……何連発できる? 見た目からするとそこまで連発は無理だろ……


「ドロガー! どうにか部屋から出ろ!」


こいつがいると大きい魔法が使えない!


「ちっ、簡単に言うんじゃねぇよ……くそ……痛ぇ……」


「傷裂ドロガーともあろう者が無様だなぁ?」


「う、うるせぇ……」


「院長先生! 何事ですか!」

「院長先生ぇ!」


ちっ、新手が来やがった……


「生かしておくのは一人でいい。そいつは殺せ。」


「はっ!」

「はいっ!」


させるかよ……『散弾』


「ぎいっっ!」

「あぎゃっ!」


ちっ、カンダツの野郎……今の隙に姿を消しやがった……一体どこへ……

いや、まずはドロガーだ。


「ドロガー、傷を見せろ。」


「痛ってぇ……ここだぁ……」


ちっ、腹のど真ん中かよ。


『麻痺』


「少し待ってろよ……」


すごく嫌だけど……傷口に指を入れる……

くっ、生暖かいしヌルヌルする……


あった!

指先に魔力を集中して……


『金操』


よし! 抜けた!

やっぱムラサキメタリックの銃弾かよ……

エゲツないことを考えたな。無敵の弾丸じゃないか。初速は私の狙撃ほどじゃないにしても魔力を消費せずに撃てるのは利点だな。エチゴヤの幹部クラスは全員あれを持っていると考えるべきか……

いや、オワダの番頭は持ってなかったな。つまり数はかなり少ない。もしくは最近入手したってところか。


「院長せんせぇー?」

「いないのー?」

「せんせー!」

「何なーに?」


いかん、子供たちが集まってきた。


「ドロガー、ポーション持ってんな? 俺はあいつを追う。ここは任せたぞ。」


「ちっ、しゃあねぇな。さっさと行きやがれ。」


「あっ、兄ちゃん待って!」

「これあげる!」

「これもこれも!」

「はーい!」


なっ!? バカやめろ!


『水壁』


やばっ、一個入り込んだ!

ドロガー!


轟音を立てて、魔石爆弾が私たちを襲った……




まったく、野郎に覆いかぶさるなんて最悪だ……大量の魔石爆弾が投げつけられて……水壁で防いだものの、一個は間に合わなかった。


直撃しても私は自動防御があるから平気だがドロガーは死んでしまう。だから覆いかぶさって防いでやったのだが、どうやら間に合ったようだ。ドロガーは見た目は無傷だけど鼓膜は破れてるだろうな。腹の傷だって塞がってないし。


それにしてもエチゴヤめ……とことん外道だな……今ので子供たちが全員死んだぞ……

何てことしやがる……

正確には魔石爆弾を投げた子供たちが、か。


『浮身』


気を失ったドロガーをここに放置しておくわけにもいかないからな。


カンダツ……どこに逃げやがった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おのれエチゴヤぁあああっ!!
[一言] タチの悪いテロリストですね。
[一言] 爆弾とは知らずなのか知っててなのか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ