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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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615、大番頭カンダツ・ユザの居所

昼飯はギルドの安い定食。三人前に酒をつけても二千ナラーいかないとは。


「じゃ行くぜ。いよいよエチゴヤも終わりだなぁ? 魔王のお手並楽しみにしてんぜ?」


「お前もやるんだよ。主に拷問をな。」


「カタがついた後ならいいけどよぉー。こんなことなら狼とクロミを連れてくりゃあよかったんじゃねぇか?」


「そうはいかないさ。俺らがあいつらを狙ってるように、あいつらだって俺らを狙ってるだろうよ。アーニャがいることだし全員で行動するわけにもいかんしな。きっちり防御は堅めておかないと。」


迷宮では一緒だったのに外の方が油断できないとはこれいかに。


「それもそうか。こっちだけが一方的に狙うたぁ限らねぇな。それにしてもおめぇ若ぇくせによく分かってんなぁ?」


「闇ギルドのえげつなさは分かってるつもりだからな。」


これで私の取り越し苦労だったら笑うけどね。でも用心なんていくらしてもいいんだよ。


「そんなもんかよ。俺ぁ極力あいつらとは関わらないように生きてきたからよぉ。」


「関わってもいいことないだろ。エチゴヤは腐れ外道だし。」


「話だきゃあ聞いてんがな。世の中にはどこまでも腐った奴らがいるもんだぜ……」


人間の解体ショーを見て喜ぶとか、五歳の双子を男女とも犯すとか、どんだけ頭がイカれたらそうなるんだよ……潰す以外にないだろ。


「えーっと、ここを右か。」


「間違えるなよ?」


「そりゃ大丈夫だ。俺の知ってる所だったからよ。まさかあんなとこにエチゴヤの番頭なんてもんがいるとはよぉ?」


「どんな所なんだ?」


「ああ、孤児院だ。うまいことやってやがるよなぁ。孤児なんてその気になりゃあいくらでも集まるぜ? そいつらを使うとはよ。許せねぇにも程があんだろ……腐れ外道め……」


マジかよ……そういうことか。商品を仕入れる手間はかからないし、自分のところで育てることもできる……素質や育ち方によって進路を変えてもいいし、使い道のなさそうな者は使い潰せばいい……どこまで外道なんだよ!


「そろそろだぜ。」


「おう……」


路地を奥の方へと進むと、開けた場所に出た。ここか……

孤児院にしてはいい建物だな。クタナツのよりかなり大きい。庭からは子供たちの声も聞こえてくる。でも姿は見えない。やたら壁が高いな。


ん? なぜ門番なんてものがいる? それも二人。しかも……


「お前たち。何か用か?」


赤兜かよ……なぜ騎士がそんなことを……


「俺のツレが昔世話になったもんでな。喜捨に来たのさ。おっと、俺の顔ぐれぇ知ってんよな? 赤兜の旦那よぉ。」


「傷裂ドロガーか。喜捨に来たのなら止める理由はない。通れ。」


「おう。それよりなぜ赤兜がここの門番なんぞやってんだ?」


「知らん。命令には従う。それが騎士だからな」


『解呪』


効いた。なんだこいつら。二人とも洗脳されてるじゃん。


「さっさと行こうぜ。」


門番の二人はボケっと座り込んだし。


「おお、また洗脳かぁ? 赤兜ぁどうなってんだろうなぁ?」


「理解できないよな。」


普通孤児院てのは領主とか寺院なんかが金を出して運営する公的なものだろ? ここは天都だから赤兜が門番をしても筋違いではない。ではないが孤児院に門番なんていらないだろ? 誰がこんな所を攻めるってんだ。物語だと孤児院の土地や子供を狙って悪の組織がちょっかいを出すってパターンは多い。だがここは孤児院そのものが悪の組織だもんな。誰も攻めてこないだろ。怪しさしかないな。


「おいちゃーん何しに来たのー?」

「遊ぼー!」

「次はおれのばん!」

「早くぅー!」


「おうガキども。遊ぶんは後でなぁ。これでも食ってろ。」


おお、ドロガーのやつ用意がいいな。飴玉か?


「うわーい! 俺これ!」

「わたしこれもーらい!」

「あっずるい!」

「おれもおれも!」


「ざっとこんなもんよ。行くぜ。」


そのぐらいでドヤ顔するなよ……


「みんなー中に入りなさーい! お昼休みは終わりだよー!」


ん? ここの職員か? 三十代後半の女、少し太めだな。子供たちが一斉に建物内に入っていく。よく躾けてあるな。お昼休みってことは、ここには授業とかあるのかな?


「こんにちは。どういったご用件ですか?」


「大番頭カンダツ・ユザに会いにきた。まさか俺の顔を知らねぇわけねぇよなぁ?」


「これはこれは。シューホー大魔洞で全滅くらって二人だけでクソを漏らしながら逃げ帰ったヘタレ冒険者の片割れじゃないですか。で、どういったご用件ですか?」


「てめぇ……耳ぃ腐ってんみてぇだなぁ。んじゃあそんな耳ぁいらねぇよな? お?」


「あなたこそ耳までおかしいみたいですね。頭と顔だけじゃなくて。どういったご用件かお聞きしてるんで『風斬』しゅふふぶ……」


首チョン。よく考えたらここの職員が真っ当な人間であるはずがないよな。エチゴヤの人間に決まってる。


「行くぞ。」


「お、おお……やっぱおめぇめちゃくちゃだぜ……」


ところでコーちゃん。別行動をお願いしていいかな?


「ピュイピュイ」


地下に逃げ道がないかチェックしてみてもらえる?


「ピュイピュイ」


ありがとね。今夜はいっぱい飲もうね。


そしてコーちゃんはしゅるしゅるとどこかへ消えていった。頼りになるなぁ。そして私は……『水壁』


孤児院を丸ごと囲った。これでもう誰も逃げられない。


「お、おい蛇ちゃんはどうしたんだぁ?」


「ちょっと別件を頼んだのさ。ここに大人が何人いるかは知らんが大番頭ともう一人ぐらい生きてればいい。それ以外全部殺せ。」


「まあ別にいいけどよぉ。ガキどもは?」


「抵抗するなら殺せばいい。そうでなければ放置でいいだろ?」


「おめぇ本当に容赦ねぇなぁ……」


私としては子供たちが抵抗するとは思ってないからな。大人しくしててくれればそれでいいんだが、どうだろうか……


さあて、ここにいるのか大番頭よぉ。隅で震えてないで出てこいよな。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさかそんなとことは・・・!!
[一言] 個人的にコーちゃん活躍の予感。
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