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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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596、残された女たち

案内されたのは三階の端っこの部屋。


「ここさぁ……」


部屋に入ってみると確かに金庫があった。


「全部出せよ。」


「出すよぉ……出すからさぁ……ねぇあんたぁ……いいだろぉ? ね? ねぇ?」


口ではこう言いながらも金庫が開いた。

ふーん、現金で五千万ナラーってとこか。悪くないじゃん。他には借用書とか貴金属か。借用書はいらんな。燃やしておこう。


「ね、ねぇあんたぁ……ここまでやったんだからさぁ……ねっ? い、いいだろぅんん?」


「かわいがるのは時々だって言ったろ? それにまだ仕事は終わってないぞ?」


「わ、わかったよぅんん……何すればいいんだぁい……」


「ファベル内に他に拠点はないのか?」


「あるよぉんん……」


「よし。じゃあそこに行こうか。いや、その前にここの奴らを全員集めな。一階にな。行け。」


「はぁい!」


ふぅ。やれやれだ。

最後にどうにか使える奴が残ってたな。本来の目的とは違うが、収穫ゼロじゃないだけマシか。そりゃあまあ一日でエチゴヤにエチゼンヤまでぶっ潰せるとは思ってないけどさ。


一応三階を軽く見回ってから私も降りよう。あいつには金目の物とは言ったが、そうでない有用な物があるかも知れないからね。




うーむ、全部屋を見て回ったが特に何もなかった。あいつの私室っぽい所とか炊事場とかだった。シェイクしたせいでかなりめちゃくちゃになってたけど。そして四階はなしか。

よし、降りよう。


おっ、結構いるじゃん。


「あんたぁ……これでいいんん……?」


「ああ。エチゴヤは左、そうでない者は右に寄れ。」


さっき地下で待つと言った女たちもいるからね。


「おらぁ! 早くするんだよぉ!」


なるほど。エチゴヤの奴ら私の言うことでは動かないな。まあ十人もいないけど。女たちは二十人ぐらいか。こいつらをどうしよう……


「えーっと、まずエチゴヤの奴らだけど、お前ら全員ジノガミの傘下な。マダラに従え。分かったな?」


「なんだぁてめぇさっきからよぉ! ズレナさんたらし込んで調子に乗っ『風斬』てんっ……どぉ……」


「他に文句のある奴は?」


「あるに決まっ『風斬』とぉぼ……」


「他には?」


よし。いないな。


「ではお前ら約束だ。しばらくの間ジノガミの下についてろ。マダラには逆らったら殺すよう言っておく。分かったな?」


「あがっとぉ……」

「ちっぐふぅ……」

「あぎっぃい……」


『風斬』


「あがっひゅ」


一人だけ納得してないのか、返事をしなかった奴がいる。そんな奴にわざわざ拷問や説得などする気はない。


「さて、今お前らにかけたのが契約魔法だ。破れるなら破ってもいいが、その場合は死ぬより辛い目に遭うことになる。具体的には……お前らの汚いあれが役に立たなくなる。それでもいい奴は頑張って破ってみろ。」


もちろん嘘だけど。そもそもこいつら程度じゃ破るのは不可能なぐらいは魔力を込めてある。


「じゃあズレナ。こいつらの面倒は任せたぞ。お前もマダラと合流してあいつの指示に従え。もちろんマダラを食い散らかしても構わんぞ。でも傷つけたり殺したりするなよ?」


「えぇ……そんなぁ……あんたぁかわいがってくれるんじゃあ……んん……」


「用が全部終わったらな。おっとそうだ。」


こいつらにも餌をやっておかないとな。


「お前ら。これは報酬の先渡しだ。しっかり働けよ?」


一人五百万ナラー。大盤振る舞いだ。私の金じゃないから全然構わないし。


「うっひょおおー!」

「ひゃっはぁあー!」

「あんたが大将だぁ!」


こいつら闇ギルドのくせに五百程度の金に目の色変えるんだな。まあ、儲けてるのはどうせ上の奴らだけだろうしね。チンピラあるあると見た。


「じゃあ行け。ここには当分戻らない方がいいぞ。」


せっかく契約魔法までかけて金をくれてやったんだからな。まだ死なれると困る。




よし。いなくなった。

さて、どうしよう……


「えーっと、お前ら行き先がないって言ってたよな? 故郷はもう滅びたとかそんな感じなのか?」


「い、いえ……私たち、その……全員真っ当な手段で売られたもので……帰りたくとも帰れないんです……」


あー……


親から捨てられたも同然だもんなぁ……そりゃあ帰りたくもないだろうけどさぁ……


「一応確認しておくけど、ここの全員が全員とも帰りたくないんだな?」


あらら……見事に全員頷いちゃったよ。てことは……私はこいつらの就職先を潰してしまったことになる。


どうしよ……


「そもそもお前らってどこで働かされるとか聞いてるか?」


「いえ……でも、私たちが働けるような場所なんて中級以下の娼館ぐらいです……」


娼館か……


あっ! それならいいアイデアがある!


「提案がある。どうせ夜の店で働くならエチゴヤの手が及ばない場所はどうだ?」


「私たちは……生きていけるならどこでも……ね、みんな?」


みんな同じように首を縦に振っている。


「三択だ。一つ目、何もせずこのままここで自由になる。その場合は一千万ナラーほどくれてやる。」


「え……いっせん……」


「まあ最後まで聞け。二つ目、テンモカに連れていってやる。あそこは女が実力次第でのし上がれる街みたいだからな。もちろんあっちの闇ギルド、蔓喰(つるばみ)に話は通してやる。」


「テンモカ……」


さすがにテンモカのことは知ってるよな。


「三つ目。ローランド王国の娼館で働く。ただし、そこは金を稼ぐにはいいが環境が過酷だ。運が悪ければ魔物の襲撃やガラの悪い冒険者によって殺される危険がある。だからおすすめは一つ目か二つ目だ。」


よし。全員で相談を始めたな。いちいち面倒なんか見てられるかってんだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 私ならローランド一択ですww いい風呂がありますのでw
[一言] まあ、ここまで面倒を見れば、立派でしょう。
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