表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1579/3108

507、アレクサンドリーネの悩み

赤兜のくせに隙のなさそうな奴らだな。たった一階しか違わないくせに、二十二階の奴らとは雰囲気からして違うじゃないか。


「これはこれは赤兜騎士団の皆様! お務めご苦労様でございます! ささ、こちらに差し入れをご用意しております! アラキ酒です! ささ、どうぞどうぞ!」


まずは様子見で低姿勢。


「いらん。近寄るな」


うわー、とりつく島ないし。まさかこいつ下戸か? 赤兜のくせに。


「お好みの女を言っていただければお酌などさせますよ?」


「いらん。ここに挑戦したいなら大人しく順番を待て」


な、なんだと……赤兜のくせに……普通のことを言っている。なんて奴だ……


「これは失礼いたしました。あちらで大人しく待ってますね。」


くそ。演技しただけ損じゃないか。心なしかアレクの視線が冷たい気がする……

それでも黙々とお茶の用意をしてくれるアレク。アーニャの世話もしながら私のことも気にしてくれて……


「はいカース。」


「うん、ありがと。」


しかも私に一番にお茶を手渡してくれる。ありがたいなぁ。ふぅ……おいしい。




「行くぞ」


先着の赤兜どもがすっと立ち上がり、ボス部屋へ入っていった。なんだこいつら……まともすぎる。えらいストイックじゃないか。解呪する暇すらなかったな。ちっ、生意気な。


「カース、お腹すいてない?」


「うん。結構すいてるよ。」


「これ、つまんでみない?」


これは? 見た目は干し肉だけど……


「おいしい……アレク! おいしいよ!」


干し肉なのにジューシー。しかも歯応えも心地よい。うーん硬すぎず丁度いい。干し肉なのになぜ? さすがはアレクだね。


「カース……ちょっといい?」


「ん? どうしたの?」


アレクに手を引かれてボス部屋前から離れる私たち。


『氷壁』

『消音』


アレクが魔法を使った。



「カース……私ね……」


「う、うん、どうしたの?」


「ごめんなさい! もう我慢できないの!」










〜〜削除しました〜〜










アレクに激しく襲われてしまった……

最近の夜ってさっぱり何もなかったもんなぁ……アレクったら欲望エネルギーが溜まってたんだね。


「ごめんなさいカース……で、でも、もう我慢できなくて……」


「い、いいんだよ……僕だってアレクが欲しかったんだから。それにアーニャの世話は大変だよね。アレクはすごいよ。ありがとう。」


「……カース……ごめんなさい……」


「ん? どうしたの?」


な、なんだ? どうしたことだ? いきなり沈んだ顔して……


「私、アーニャの面倒を見るって言ったのに……豪語したのに……」


「ど、どうしたの?」


「ごめんなさい……アーニャが、憎くて、憎くてたまらないの……」


「アレク……」


アーニャが憎い? な、なぜ?


「私の知らないカースのことを知っている……私の知らないカースに触れている……私の知らないカースと……」


「アレク……」


「分かってるわ……そんなの今のカースとは何の関係もないって……」


「アレク……」


「今なら……カースに知られずに……アーニャを、あの女を亡き者にできるとも思ったわ……」


「アレク……」


「でも、できなかった……」


アレク……そんなことを……


「アレク……」


「そもそもアーニャが本当にそうとは限らないけど……もし、もしも……そうだったら……かつてカースを愛した女だし……」


「アレク……」


「そう思うと……とても殺せなかったの……」



そんなことを考えていたとは……



「アレクにしては意外だね。」


「ごめんなさい……狭量なこと言って……」


「違うよ。そうじゃない。いつも上級貴族の思考なのに、今のアレクはそこらの町娘みたいでさ。すごくかわいいよ。」


「カース……私……」


「確かに僕はあいつを殺せない。そんな気もない。そしてもし本当にアーニャがあいつなら側室として迎え入れることも考えないといけない。」


「そうよね……アーニャにその資格はあると思うわ。」


「でも、アレク以上に優先するものなんてないんだよ? もしアレクが反対するなら全ては白紙だし、アレクがあいつを殺したならそれで話は終わり。いつも通りコーちゃんとカムイの四人で過ごす日常に戻るだけだよ。」


アレクあっての私なのだ。悲しいことだが、もしアレクがそうしたなら……受け入れるしかない……


「カース……嬉しい。私だってカースが一番なの。カースがしたいようにしてくれるのが嬉しいし、カースには自由に生きて欲しいの。自由なカースをいつまでもそばで見ていたいわ……」


「うん。ありがとね。ずっと一緒にいようね。」


「ええ!」


アレクが抱きついてくる。なんだか今日のアレクは小さく感じるな。かわいいよ。


「カース、聞いてくれてありがとう。大好き……」


「僕も大好きだよ。これからも何でも言ってね。」


まったく。こんな迷宮の通路でアレクったら。悪い子だ。ちょこちょこ魔物が現れるし。でもアレクも色々と溜まってたんだろうね。前回のカゲキョー迷宮と違って人数が三人も多いからね。なかなか自由に振る舞えないよな。

アーニャか……悩ましいよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 〜〜削除しました〜〜キターーー!!!!(大歓喜) アレクちゃん……!!(ブワッ)
[一言] アレク、それが人間です。 ちゃんと言えただけ偉い。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ