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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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486、ヒイズル再上陸

快適な空の旅は続く。来た時とルートが違うためほぼ海の上だ。よって空にはあまり魔物がいない。快適だ。


「改めて思うがとんでもねぇな……」


クロミのサービスタイムが早々と終わり、少し残念そうにしていたドロガーが口を開いた。


「どうした? すっかり高いところにも慣れたみたいだけど。」


「そりゃ空ぁ飛ぶぐれぇ誰でもできるけどよ……これだけの長距離をこれだけの速さで……どんだけ魔力がありゃあこんなことできんだよ……」


「小さい頃からこつこつ鍛えてきたからな。おおそうだ。この首輪つけてみ?」


「お、おお……」


拘束隷属の首輪。罪を犯した王族用をも拘束可能な特注品だ。


「うっ……があっ……」


へー。やるじゃん。ちゃんと意識を保ってるし倒れ込むこともない。いつかは近衛騎士ですらたちまち身動きできなくなったってのに。では外そう。


「どうよ。なかなかきついだろ。こうやってこつこつ鍛えてきたってわけさ。」


「よぉーく分かった……しかもお前豊穣祭の時もずっとそれ着けてたよな? 今だって……」


「ああ。今となっちゃあもう効かないからな。首の防具代わりに着けてんだよ。それにお洒落だろ?」


サウザンドミヅチの革と小粒の宝石でおしゃれに仕上げたのだ。


「すげぇな……」


「似たような訓練方法としては海だな。海に潜りながら魔法を使うといいぞ。」


「ぜってぇやらねぇ……」


海は危険だからね。


「ウチも着けてみるー!」


あらあら、クロミまで興味を示しちゃって。


「うえぇ……何これ? 体は重いし魔法が出ないんだけど……」


へー。クロミもさすがだなぁ。重いと言いつつも立ち上がっているじゃないか。実際に体重が重くなってるわけじゃないしね。


「魔力を振り絞ってみるといい。クロミならできるさ。」


「えぇー……」


おっ、わずかながら魔力が廻ってるじゃん。やっぱダークエルフは違うね。悔しいがアレクより数段強いな……


『葉斬……』


「おおー、すごいじゃん。やるな。」


「もうだめ……返す……」


くらえば枯葉を握り潰したかのようにバラバラになる魔法だったな。だが今の威力は新聞紙を一枚切れるかどうかってとこだった。それでも充分すごいんだけどね。


「すげぇぜクロミ……」


「へへー! どうどう? 惚れた? 惚れた? でもダメー。ウチにはニンちゃんがいるしー。」


いねーよ……


「魔王……お前ってやつぁ……それよりなんでニンちゃんなんだ?」


「えー? そんなの人間だからに決まってんじゃーん?」


バカ……それを言ったら……


「人間だから? そりゃ当たり前だろ? あっ! それなら俺のこともニンちゃんて呼んでいいんだぜ?」


ほっ……ドロガーもバカで助かったね。


「えー? だめだしー! ウチがニンちゃんて呼ぶのはニンちゃんだけー。あんたはヨッちゃんね。」


「お、ヨッちゃんか。いいなそれ! で、なぜヨッちゃんなんだ?」


クロミの命名方は意味不明だな。


「んー、弱いから? もっと強くなんないとねー。がーんば。」


あらら、ドロガーが絶望的な顔して項垂れちゃったよ。酷いぜクロミ。戦いようによってはドロガーだって充分お前に勝てるぞ?


さてと。なごやかにお喋りしてたらヒイズルが見えた。少し西に大回りしてアラキ島を目指そう。海岸沿いやヒイズル上空を飛ぶ気はないからな。


「あれがヒイズルってとこー?」


「もう着いたのか……」


「カースなら当然よ。」


「ピュイピュイ」


うーん懐かしくもなんともないね。

さーてこのままアラキ島に突入だ。




よし、見えた。一応アラキタの様子を見つつアラナカに行こうかな。




ん? なーんか船が多くない? あんなにあったっけ? まあスルーでいいか。特に問題あるまい。


よし。アラナカ到着。

カムイも来てるかなー。


「ピュイピュイ」


おっ、いるんだね。さすがコーちゃん。今日も鋭い感覚してるね。


とりあえずアラナカ本部事務所に顔を出してみようかな。そのうちカムイも来るだろうし。

どれどれ、ビレイドはいるかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 逆襲のための船でしょうか。 カムイは「ガウガウ」では?
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