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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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473、風呂場での一幕

風呂に行ってみれば意外や意外、女達は静かに入浴しているではないか。


「アレク、背中を流そうか?」


「あっ、だめ!」


ぬおっ!?


女達が一斉に私を見た!?


「あはぁ……まだやるのぉ……」

「もっとぉ……わきゃいんだからぁ……」

「はやくぅ……」

「えしぇしぇ……ひょひゃ……」

「おとこぉ……しぃてぇ……」

「もっとぉ……」


そして全員が私に向けて股を開いた。目は虚ろなまま……


いや、女だけじゃない……数少ない男娼は私に尻を向けて四つん這いになっている……

男までアレクと同じ湯船に浸かってたのは少し気に入らんが……


「どうもこの子たちって男の気配に敏感みたいなの。同じ男でも同僚には無反応みたいなのに。」


「ふ、ふーん……」


「カズマカズマカズマカズマカズマーー!」


こいつまで寄ってきた。他の女たちと違うのは私に向けて股を広げるのではなく、左腕にしがみついてきたことだ。なぜ左腕……前世の記憶とでも言うのか?

まあいい。私は風呂に入りたいんだ。左腕のこいつを引き連れたまま湯船にイン。


はぁあ……やっぱマギトレントの湯船はいつ入ってもいいもんだなぁ……こう、疲れが湯に溶けていくかのようだ。今日はもうここでゆっくりして、明日の朝フェアウェル村に行ってみるかな。


「ねぇカース……」


「ん? どうしたの?」


いや、これは聞くまでもない。顔を見れば分かる。最近抑え気味だったもんな。アレクには我慢ばかりさせてきたんだから。分かっているとも。普段とは逆側、私の右腕をぎゅっと抱きしめている。


「も、もう私……」


我慢できないって顔してるね。私もだ。しかし今は都合が悪い……


「もう少し待ってね。こいつらをリリスに引き継いでおきたいからさ。」


さすがに壊れた女たちを風呂に放置はしておけないよな。あーあ、そこはトイレじゃないぞ……『浄化』




「おっ? 魔王かー?」


今の声はドロガーか。


「ああ、そうだが。お前遊んでたんじゃないのか?」


いくら何でも早すぎるが。おっ、アレクが一瞬にして湯浴み着を装着している。換装の魔法って便利だよなぁ。

それにしても、さっきまで男娼相手には全裸だったアレクだけどドロガーが来るとこうなるのね。偉い。さすがアレク。


「キャハっ! この人早すぎるんだもーん。だからちょっと休憩がてら『魔王の館』自慢の浴室に連れてきてあげたの!」


知らない顔……いや違う。ギリギリ見覚えはある。いつだったか私がここまで連れてきたんだからな。当時はこの世に絶望してるような顔だった気がするが……元気になったのならいいことだ。だが、客の情報を公開するのは感心しないな。リリスに伝えておいてやろう。


「ちょ、ちょっと調子が悪かっただけだぜ! 知らねー土地だしよ!」


「まあいいから入れよ。ここの湯船は俺の自慢だからさ。」


「わーい! ここってほんっといいとこだよねー! クソみたいな客はリリス様が殺してくれるし! 毎日お風呂に入れるし! いい客はいいし!」


おー。さすがリリス。霞の外套とスパラッシュさんの短剣を託した甲斐があったな。


「ふぅーいい湯だぜ。いまいち感覚が分からねぇんだが、ここはローランド王国なのか?」


「一応な。ここは飛び地ではあるがローランド王国と言える。もっとも税を納めることもなければ支援してもらえることもないがな。」


「ふーん、よく分かんねーが魔王ってすげぇんだなー」


「えっ!? まおうって!? ま、魔王様!? も、もしかしてここのご領主様の!?」


なんだこいつ。今まで気付いてなかったのかよ。


「リリスは良くしてくれるのか?」


「へっ、ひゃ、ひゃい! リリス様にはいつもありがたくてすごいです! 安心して働けましゅっ!」


「それはよかった。その調子でがんばりな。」


「ひゃ、ひゃい! ありがとうございます! わ、私ここ好きでふ!」


私が一人で作り上げた楽園を、好きと言われると……めちゃくちゃ嬉しくなるな。


「お前、名前は?」


「て、テンフリーですっ!」


「分かった。これからもここを盛り立ててやってくれ。頼んだぞ?」


「ひゃ、ひゃい!」


顧客満足度も大事だが、従業員満足度はもっと大事だよな。それもこれもリリスの教育がいいんだろうなぁ。まあこいつらにも契約魔法はかかってるけどさ。


「お前……マジで領主だったんか!?」


「まあな。この城壁内だけが領地じゃないぞ。まだまだ広いんだからな?」


「それなのになんでヒイズルに来たんだよ……仕事してろよ……」


「仕事なんかするわけないだろ。俺は物見遊山でヒイズルに行ったんだから。ここの発展は代官のリリスにかかってるんだよ。」


「そ、そうかよ……」


だいたい仕事としてここを造ったわけじゃないからな。そんな最悪なことしてられるかってんだ。遊びでやるからできたんだよ。まったく。


「カース、先に出てるわね。」


「あ、待って。僕も出るから。」


いかんいかん。アレクが痺れを切らしてしまったか。

そうは言ったものの、女たちをどうしよう……


おっ! いいタイミングで!


「おかえりなさいませ旦那様。お嬢様も。」


「ただいまリリス。いいところに来てくれた。」


よし。これでほとんどリリスに丸投げできる! 後は任せたぜ!

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― 新着の感想 ―
[一言] ドロガー個人情報暴露されちゃいましたね。
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