表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1530/3108

458、困ってしまったビレイド

アレクとコーちゃん、カムイの四人で晩飯を食べていたらドロガーがやってきた。


「ローランドのモン、五人ほどいたぜ。それより今夜も酒なしかよ?」


「おお、すまんな。助かるわ。酒は明日まで我慢しな。明日で終わるからよ。ちょうどアラニシにはたくさんありそうだしな。」


すでに私の魔力庫にも大量に入ってるけどさ。そういや酒蔵らしい建物を見てないな。原材料の生産から醸造まで全部アラニシでやってんのかな。で、アラナカではそんな酒や人間を右から左に流すことで上がりを抜いてんだろうね。いい商売してるなぁ。いや、いい商売してるのはエチゴヤか。元々何もなかった島を開拓してここまで仕上げたのは蔓喰だもんな。


「まあいいぜ。明日もたっぷり暴れさせてもらうとするぜ。」


「おう。どうよ、おもしれぇ遊びだろ?」


「けっ、違ぇねぇぜ。まったく、魔王は悪い奴だぜ。」


嘘はついてないもんな。


「魔王さぁん……」


おや、カドーデラまでやってきたではないか。


「おう、調子はどうだ?」


「参りやしたぜ……もう少しエチゴヤの奴らぁ生かしておくべきでした……いや、あっしぁいいんですよ。ビレイドの奴がどうにも困ってやしてね……」


「ビレイドが? 何に困ってんだ?」


「いやそれがですね? 何やら帳簿を漁ってたんですが、何ですかね? 裏帳簿が見つからねぇんだそうで。金の流れを追っかけるにゃあどうしても必要なんだそうで。魔王さんのお知恵でどうにか解決しちゃあいただけやせんか?」


裏帳簿? ここの奴らってそんなに頭がまわる奴らか? それにゴンズの例もあるしなぁ。


「そもそも裏帳簿なんて存在すんのか? ゴンズだって契約魔法かけられてたんだし、ここの幹部連中もどうせ契約魔法かけられてたんだろ? だったら裏帳簿なんぞ作って第四番頭を出し抜くような真似はできないんじゃないか?」


「そりゃあそうですが……ここにいるのぁエチゴヤの外道どもですぜ? 絶対抜け道ぃ作って番頭に内緒で金ぇ抜いてるに決まってまさぁ。魔王さんならどうしやす?」


私は外道じゃねーよ!


「知るかよ。契約魔法かけられたんなら破るだけだろ。で、番頭に会う時があるんなら適当にしょぼい契約魔法でもかけてゴマかすんじゃねーの?」


ここの奴らが外道なら第四番頭は腐れ外道だろ。手下どもの動きなんかお見通しだろうよ。


「なるほど……その線はありやすね……」


ねーよ!


「そもそも! 裏帳簿なんてやべぇもんは魔力庫に収納しとくだろ。で、ゼリアテが死んだもんだから中身ごと消滅したんじゃないのか?」


「まあ、普通そうでやしょうねぇ……」


分かってんなら聞くなよ。私ですら分かることなんだからさぁ。


「ここの町長はいないのか? 本部事務所とは別に町長府みたいな建物もあっただろ?」


「いや、それがですね……」




カドーデラの野郎……本部事務所の一室、ゼリアテの執務室にいた偉そうな男を……態度がムカついたから斬ったと。まあそれはいい、いいんだが……ろくに情報も吐かせなかったのね。それが後になって町長と知ったと……


「だめかこりゃ。仕方ないからビレイドに頑張ってもらえ。ないと分かったからには一から作るしかないだろ。とりあえず今ある現金は好きにしていいぞ。もっとも、奴隷でない人足や船乗りに支払う金を忘れるなよ?」


そんなの私が言うことではないけどね。


「あー……ビレイドがどうにかしまさぁ……」


こいつ、頭いいフリして数字が苦手なパターンか! あれこれと物知りな空気を匂わせてやがったくせに! まあ人斬りだもんなぁ……仕方ないか。


「バカばっかじゃねぇか! ちっと行ってくらぁ!」


おお? ドロガーが? こいつは冒険者のくせに数字に強いとでもいうのか? まあどうでもいいけどね。それより私達は腹も膨れたことだし、風呂かな。


「ここの奴らで風呂に入りたい奴がいたら呼んでやりな。後でお前も入っていいぞ。」


「へいっ! ありがたくいただきやす!」


ではマギトレントの湯船をどーん。周囲はすでに暗いけど一応『闇雲』


『換装』で服を脱ぎ、湯船にどぼーん。『無痛狂心』を解除しても、ようやく痛みが薄れてきたんだよな。はぁーいい湯だね。あははん。


「カース、今日もローランドの国民を救出したのね。偉いわ。」


アレクはいつものポジション。私の左側にピタッと寄り添っている。


「へへ、そう?」


「ええ。まさにローランド貴族の鑑よ。本当に素敵。この旅の間中、惚れ直してばかり。カースは本当に凄いわ。」


ぬふぅー! アレクにこう言われると一気に嬉しくなっちゃうね。やっぱ人助けってするもんだよな。私の身分はとっくに平民だが、母上だって言ってたもんな。心まで平民に落ちてはいけないって。地味に酷い言い草じゃない? でも母上が言うことだから正しいに違いない。つまり私の心は貴族なのか? 私って偉いねぇー。

よぉーし、この調子で明日はアラニシを制圧するぜ。あそこに一番たくさんローランド人がいそうだもんな。ゼリアテがくっそムカつくことを言ってたし……

よーし、明日もエチゴヤの奴らを全滅だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 契約魔法が掛けられてたら他の契約魔法が掛けられないって設定に見えるけど、それだとアレクがビレイドから契約魔法掛けられた(ガキ連れてきたら全裸見せる)時に矛盾が発生してる(主人公より長生きする…
[一言] 頭に来たらぶった斬るってやり方で正確な金の流れを知るのも厳しいですわな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ