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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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445、炎の鉄板バーニング

ELSさんより29件目のレビューをいただきました!

ありがとうございます!

翌日、目が覚めてみれば昼すぎだった。


「ガウガウ」


おおカムイ。食事中なのね。もう大丈夫か?


「ガウガウ」


だいぶ良くなった? それはよかった。お前もよくやったな。立派な戦いぶりだったぞ。


「カースおはよう。何か食べる?」


「おはよ。うん食べる。何かスープ系が欲しいな。」


気分的には味噌汁よりミネストローネって感じだな。でも注文はお任せで。どんなスープが来るのかな。


「ピュイピュイ」


コーちゃんもおはよ。あらら、昼から飲んでるの? もー、コーちゃんたら。




運ばれてきたスープは、豚汁だった。これはこれで旨いな。これだけのつもりだったけど食欲が湧いてしまった。もう少し何か食べたら寝よう。ごめんねアレク……




「じゃあカース、大人しく休んでいてね。少し出てくるから。」


「うん、おやすみ……」


ぐう……





「カムイ、カースを頼むわね。」


「ガウガウ」


「コーちゃんは一緒に行く?」


「ピュイピュイ」


コーネリアスはそう返事をするとアレクサンドリーネの首に巻きついた。カムイはベッドへと。カースの隣に潜り込んだ。

それからアレクサンドリーネは眠っているカースの頬に口付けをしてから寝室を出た。行き先は……










……ずま……






……けて……






……ず……ま……







……す…………け…………










…………ず……ま…………













「ガウガウ! ガウガウ!」


ん……お、おおカムイか……


「ガウガウ」


かなりうなされてたって? またか……

一体どんな夢を見てたんだ? ふぅ……またすごい汗をかいてるじゃないか……

私はどうなってるんだ? かなり疲れが溜まってるせいだろうか……

水でも浴びてこよう……




はぁ。すっきりした。カムイは体調どうだ?


「ガウガウ」


私よりマシだって? そうかも。

あれ? そういえばアレクがいない。カムイ知ってる?


「ガウガウ」


コーちゃんと出かけた? 覚えてないのかって? あ、そういえば私が眠る直前に何か言ってたな。夕方まではまだ時間がある。アレクのことだから日没までには帰ってくるだろうけど……


「ガウガウ」


大人しく休んでおけって? 分かってるよ。ここで出歩いたらまたアレクにお仕置きされちゃうからな。うーんでも気になるなぁ。

よし……カムイさあ、たまには気分変えて外で旨いものでも食べたくないか?

ほら、この前行ったあの肉の店。炎の鉄板バーニングって言ったっけ? ワイバーン肉とミスリルフライパンを預けてるんだよな。こんな時だからこそ体の回復のために行くべきだろう。


「ガウガウ!」


だろ? お前あそこの肉をかなり気に入ってたもんな。よし、行くぜ!

もちろん隠形を使って飛んでいくけどね。歩く気はない。


おお、ここだここだ。今の時間は営業してるのかな?


「へいらっしゃい! おおっ! 待ってやしたぜ! 豊穣祭ではお見事でした! 只者じゃねぇとは思ってやしたがね!」


おお、知られてるのか。照れるな。


「待たせたな。とりあえず二人前焼いてくれるかい?」


「ガウガウ」


「訂正。四人前焼いてくれよ。」


「へいがってんでぇ!」


ミスリルフライパンで焼くワイバーンステーキ。香ばしてくて堪らない匂いが店中に漂っていく。カムイなんか尻尾がブンブン動いてやがる。

待ち遠しいな……




「へいお待ちぃ!」


来た!

余計なことは何もしていない。味付けはお好みでワサビと醤油か。この店主が試行錯誤した結果、これが一番旨いと判断したんだろうな。楽しみだ。まずは何も付けずに、どれどれ……


「ガウガウ!」


カムイの専属料理人として連れていくって? 無茶言うな。でもかなり旨いよな。いつだったかゼマティス家で食べた数々のワイバーン料理にも勝りそうだ。これはやはり絶妙の火加減のせいなんだろうな。


「かなり旨い。最高だ。もっと肉を置いていくからまた寄らせてくれ。」


「ありがとやんす! いただいたワイバーン肉のおかげでしっかり練習できやしたからね! そう言っていただけて料理人冥利に尽きやすぜ!」


ワイバーン肉はまだまだあるもんな。ここを贔屓の店としよう。


「へいらっしゃい!」


おっと来客か。


「おー、表までいい匂いプンプンさせてんじゃねーか!」

「そいつを三人前だー!」

「腹へってんだよ! 早くしろやー!」


何だこいつら? 冒険者ともチンピラともつかぬ奇妙な服装しやがって。強いて言えば……昔王都で見た傾奇者って感じか?


「いやーすいやせん。ありゃ限定品なんでさぁ。それよりウチの自慢の迷宮産ミノタウロスはいかがで?」


「あ? うるせーよ。ミノなんぞ食べ飽きてんだよー!」

「俺らぁもうすぐ闘士だぜ? いいから出せや!」

「おっ、そこに出してあんじゃねーか! あれぇ寄越せや!」


もうすぐ闘士ってことはまだ五級ですらないのか。つまり素人。バカ丸出しじゃん。


「ガウガウ」


あらら。カムイったらわざわざ見せつけるように食べちゃって。でも旨いんだから仕方ないよな。私もラスト一切れ、ワサビをちょいと乗せてから醤油を一雫。うーん、うまぁーい!


「あんじゃあ? こんのガキぃ……?」

「あいつが食ってて俺らが食えんたぁどういうことよ?」

「あんま舐めてやがったらこの店ぐちゃぐちゃにしてやんぞ?」


「はぁー、兄さん方。この店は一級闘士光蜂(みつばち)ヤリスさんのご贔屓ですぜ? 今から闘士になろうって方がそれじゃあやっていけませんやな?」


みつばちヤリス。聞き覚えがあるな。


「なっ!? 光蜂ヤリスだぁ!?」

「けっ! どうせハッタリだあ!」

「なぁーにが一級闘士だぁ! こないだの豊穣祭じゃあよそモンにあっさりやられてたじゃねーか!」


よそモンって私かな。


「今の言葉、ヤリスさんにお伝えしておきやすよ。それが嫌なら出ていってくださいや。今なら何もなかったことにしておきやすぜ?」


「とことん客ぅ舐めやがって! てめぇら料理人は言われた通りに料理だけしてりゃいいんだよ!」

「料理のできねぇ料理人なんざ生きてる価値ねぇだろぉが! さっさとしねぇとぶち殺すぞ!?」

「腹へってイライラしてんだよ! 酒も付けろや!」


あーらら。どこのお登りさんか知らんが料理人を侮辱する発言はアウトだな。そんな奴らに料理を食う資格はない。よーしお仕置き決定。


「よぉー、いい匂いしてんな。やってるかい?」


私が立ち上がろうとしたら、また新たな客がやって来た。やっぱここは人気店なんだろうな。高いけど旨いし。

ELSさんの作品はこちら!


元自衛官が明治時代に遡行転生!なんか歴史が違うんですけど!?〜皇国陸軍戦記〜


https://book1.adouzi.eu.org/n1308fc/

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― 新着の感想 ―
[一言] 夢の声は前世の事かな?違うのかな?(ワクドキ)
[一言] あらま、お仕置きしようとしたら、別のお客さん?
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