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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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414、闘技場闘士協同組合の組合長ヒオキ・タツゴルジ

ジジイだけでなく闘技場のスタッフらしき奴らまで総出で介抱が始まった。まるっきり災害現場だもんな。トリアージが必要かもね。私には分からないけど。

おっと、あいつまで瀕死じゃないか。バカな奴だなぁ。ポーションを一口だけ飲ませてやろう。後は知らん。他に知った顔は……ちょこちょこいるなぁ。仕方ない。ポーションを飲ませてやるよ。うまく飲めずに気管に入っても知らないけどね。


よし。後は……


「じいちゃんよ。これ置いとくぞ。好きに使いな。」


「ふん!」


あーあ、怒ってるな。でも仕方ないよね。だって何でもあり部門なんだから。司会の姉ちゃんだって何でもありって言ってたんだから間違いない。血もたっぷり流れたことだしデメテーラ的にも大満足だろ? さて、帰ろう。




「カース!」


おっ、アレクが来てくれた!


「あっさり終わって退屈させちゃったかな?」


おわっ! めっちゃ抱きついてきた!


「最高だったわ! 信じられないほどかっこよかった! それでこそカースよ! 私もうおかしくなりそうなんだから!」


「あはは、そう? いやぁ照れるなぁ。」


そういえば久々かな? アレクのクタナツ女性モード。こんな状態なのに禁欲させるのは酷だが罰は罰だ。よし、それならせめて期間を短くしてあげよう。アレクには内緒だけど。


「ねぇカース……今からどうするの? 私もう……」


アレクめ。その顔は今すぐ宿に帰ってめちゃくちゃに抱いて欲しいってか。できれば私もそうしたいところだが……


「待てや。このまま帰れると思ってやがんのかぁ?」


「誰だお前?」


出口付近にごっつい角刈りのオッさんが現れた。テンモカってごっつい奴多すぎだろ。


「闘技場闘士協同組合の組合長ヒオキ・タツゴルジだ。あんだけ舐めた真似ぇしてくれたんだ……覚悟ぁできてんだろうな、おぉ?」


組合? 闘士のギルドってところか。珍しく冒険者ギルドとは別なんだな。たいていは商工業者も全部ひっくるめて一つのギルドって感じだが。


「いくらご領主様や蔓喰の会長が許してもよぉ……俺が許せねぇんだよ!」


「闘技場のことはよく知らないが、闘士ってのは合図がないと攻撃できないのか?」


「あぁ? 何だとぉ?」


『風弾』「いぎっ!?」


バレバレだ。自分が話しかけてる間に他の者が足音を殺して後ろから近づく。そのぐらいで私の隙をつけるかよ。


「なんだ。やっぱり合図なしで攻撃できるんじゃん。今ので分かったな? 負けた方が間抜けなんだよ。」


「てめぇ……お前ら囲めぇ! ぜってぇ逃すんじゃねぇぞ!」


おーおー。こいつらって今日は参加しなかった奴らか。人数を揃えたぐらいで勝てると思ってんじゃないぞ? 魔力だって二割ちょい残ってるし。


「勘違いすんじゃねぇぞ? 相手ぇすんのは俺だぁ。一対一でやってやんよ。文句ぁねえだろうな?」


「ふぅん。まあいいだろう。俺が勝ったらお前のそれ、両手につけてるやつを貰うぜ?」


カイザーナックルか? クタナツの前組合長はベヒーモスの牙を削り出したカイザーナックルを持ってるって話だったな。こいつのは金属製か。例によって珠鋼(たまはがね)だろうか。


飛拳(ひけん)


おっとびっくり。打撃が飛んできた。飛斬みたいなものか。もちろん自動防御で防げるけどね。


「文句ぁねぇよな?」


「あるはずないだろ。じゃあ始め『狙撃』るか。」


「当たるかぁ!」


へぇ、すごいな。ナックルで弾きやがった。


「ぎゃっ!」


「どうしたヘノメン!?」


「バカが。お前が弾いた魔法が当たったんだよ。こんだけ周りを固めてりゃあ当たるに決まってんだろ?」


『狙撃』

『狙撃』

『狙撃』


「あぐぁっ!」

「いってっ!」

「はぐぁっ!」


「て、てめぇ……卑怯な真似しやがって……」


「この距離で俺の狙撃を弾けたのはさすがだが、そんな無駄口きいてていいのか?」


「あぁん?」


『狙撃』


「いでぁっ!」


『狙撃』


「ぐそっ!」

「はぼぉ!」


「お前が弾かなくても当たるぞ?」


こんだけ周りにいるんだから狙い放題だ。


「てめぇ……総力戦してえってわけかよ! やったろうじゃねぇか! おう野郎ども! 全員でこいつらぶち殺したれやぁ!」


「おおおおおおーー!」

「テンモカなめんなぁ!」

「魔王がなんじゃあ!」

「俺ぁ二級闘士ネメキヌだぁー!」

「ぶっころぉーー!」


アレクを抱き寄せてから……『榴弾』

味方を盾にして、そいつが倒れる瞬間に攻撃をしようとした奴も……『狙撃』

このまま一気に……『榴弾』『榴弾』『榴弾』


大昔、指向性対人地雷クレイモアの直撃をくらってミンチになった人間を見たことがあるが、あそこまでは酷くない。もっとも、本気でやればあれぐらいの威力を出すことは難しくないけどね。


「次はどうする? なぁ組合長?」


「こ、このガキがぁ……俺の闘士たちをよくも……よくもぉーー!」


あーあ。隙だらけだよ。


『狙撃』

『狙撃』


「ぐぐあっ!」


軽くて性能の良さそうな革鎧を身につけているが……その繋ぎ目を狙うことも私には難しくない。まあ、そのせいでさっきは防がれたんだろうけどさ。だが、そうやって冷静さを失えば……いい標的でしかない。


では仕上げといこうか。組合長の手足は撃ち抜いたが致命傷ではない。


「一応聞いておくぞ? 俺を狙った本当の理由を言え。」


「な、なんだと……?」


「半分は意地もあるんだろうさ。だがそれだけじゃないよな? 闘士になるような人間の素性を考えれば分かりそうなもんだが……」


「くそが……その通りだぁ……」


では話してもらおうかね。

契約魔法を……よし、かかった。

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