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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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330、テンモカの散策

客室係に案内されて小男こと、ヒョージは入ってきた。


「ひゃはっ、おはようごせぇやす。昨夜はお楽しみでやしたか?」


「ああ、そんなことはどうでもいいんだよ。それじゃあこいつからしっかり話を聞いて動けよ? もっとも昨日の段階である程度のアタリはついてんだろ?」


「へへっへぇ。もちろんでさあ。おうボウズ。詳しく聞かせてもらおうかぁ」


「そっちはそっちで好きにやれ。じゃあアレク行こうか。」


面倒な話など聞く気はないからな。私達は観光に行くのだ。


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


コーちゃんとカムイも来るかい。よーし四人でお出かけだ。


「じゃあシム、しっかりやりなさい。」


「はい!」




さてと。まずは何の目的もなく街を散策といこうではないか。ヤチロより広く、オワダより遊ぶところがたくさんありそうだもんな。とりあえずメインストリート的な大通りを歩いてみようかな。うーん、活気があるねぇ。

服屋に飯屋に酒場にアクセサリー屋か。甘味屋なんてのもあるんだな。そんな並びに武器屋と防具屋って……変な街だわー。

おっ、ギルドも発見。行かないけどさ。宿屋に靴屋に仕立て屋か。色々あるねぇ。


あっ! 閃いた! 浴衣を作ろう! きっとアレクによく似合うに違いない!


「アレク、あそこに行ってみようよ。」


「あれは……仕立て屋かしら? いいわよ。カースも道楽者ねぇ。」


ふふふ……




ほほう。『仕立て屋ブルタ』か。


「らっしゃーい。」


クタナツのファトナトゥールといい仕立て屋はやる気がないのがあるあるなのか?


「仕立てを頼むよ。ユカタってやつを二着。」


「はいよー。そんじゃ寸法ちょうだいしますぜー。」


やる気のなさそうなおっさんだが、手際はいいな。


「こちらのお嬢さんも計っちまっていいんかー?」


「仕方ないな。手早くな?」


見知らぬおっさんがアレクの肉体に触る……当然胸周りや腰周り、そして尻周りだって……直接手で触れるわけではないが、メジャーらしきものがアレクの胸に沿って……


「おーおー、素晴らしいスタイルしてんねー。おし、そんじゃあ素材は何か希望はあるかーい?」


ふふふ。アレクはボボンキュッボーンだからな。


「値段は気にしないから一番肌触りがいいやつで頼む。温度調節やサイズ自動調整は付けられるか?」


「あー、そりゃあできるけどー。百万ナラー超えるぜー? あと、肌触りがいいっつーたら 天鵞絨(てんがじゅう)だなー。一着で三百万超えるぜー? いいのかー?」


てんがじゅう? 初耳だな。でも面白そうだから構わんだろう。


「それで頼むわ。金は前払いか?」


「お、おお。いや、仮縫いの時でいい……十日ほど時間をもらうがいいかー?」


あー、そうだよな。仕立てってのは時間がかかるもんだよな。むしろ十日なら早いもんだな。


「構わんよ。なら十日後に来る。俺はカース・マーティン。沈まぬ夕日亭に泊まってるから何かあったらそこまで頼む。」


「かぁーお大尽様かぁー。俺はユウ・ブルタなー。若いのにやるねぇー。とびっきりのいい女まで連れてよぉー。よっし! そんならばっちり作ってやるからなー。楽しみにしといてくれよなー。」


どんな浴衣ができるのか楽しみだな。さすがに羽織袴なんて注文する気はないが、浴衣ぐらいいいだろう。あぁでもアレクの着物姿も見てみたいなぁ……まあいいか。他の大きい街に行った時でも構わんだろう。

それに柄やデザインについては特に注文しなかったし、どんなのが出来上がるか余計に楽しみなんだよな。防御力はスカスカだろうけど、たまにはそんな道楽をしたっていいよな。あ、下駄もありか……


「お待たせ。どんなのができるか楽しみだね。」


「ユカタってヒイズル独自の服よね。宿にも置いてあったわね。」


「そうなんだよ。それでいいやつが欲しくなってさ。きっとアレクに似合うからさ。」


「ふふ、楽しみね。」


よし、さあ次はどこに行こうかな。アクセサリー屋、宝石屋は特に用はないな。アレクにはすでに最高の首飾りがあるし、まだ加工をしていない宝石だってたくさんある。仕立て屋で結構時間を使ったことだし、ここは休憩かな。茶店か甘味屋か……


よし、ここはアレクに合わせて甘味屋だな。


「あそこで少し休んでいこうよ。」


「いいわよ。」


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


コーちゃんは美味しそうと言い、カムイは食うものがなさそうだと言っている。そりゃあ甘味屋に肉は置いてないだろうさ……


さあて、どんな甘味があるのかなー。ローランドだと甘い物って高いけど、ここではどうなんだろ。

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― 新着の感想 ―
[一言] コーちゃん、酒好きなのに甘味もいけるの?
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