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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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234、アレクサンドリーネ VS レッドキャップ

そしてわらわらと現れるレッドキャップどもを退治しつつボス部屋に到着した。


「ここは私がやるわね。」


「分かった。気をつけてね。」


ここまでは前から現れたレッドキャップはカムイが、後ろから来たのは私が仕留めてたからな。アレクも退屈だったろう。


いつものようにボス部屋へと立ち入る私達。私達が入るや否や閉ざされる扉。すぐにわらわらと現れるレッドキャップども。一匹だけじゃないのかよ。


『吹雪ける氷嵐』


うお、いきなり上級魔法だ。まったく

アレクったら、私達を巻き込むことなんか何とも思ってないんだから。だが……


「ゲギャッゲギャッ!」

「グギャオグギャッ!」

「ゲギョゲギョ!」


さして効いてるように見えないな……こいつらは寒さに強いのか?


『氷壁』


迫り来るレッドキャップに対して防御を選んだアレク。私の方にも数匹来ているが、やはり氷壁で防御しておく。


「ゲッギャッギャ!」

「グッギョオォ!」

「ゲバババァ!」


こいつら……お構いなしに(かじ)りついてやがる。頭がキーンとなっても知らんぞ? 狂ったように斧を振り回してる奴もいる。そんなもんでアレクの氷壁が……危ない!


「くっ!」『氷塊弾』


おお、内側から氷壁ごとぶち抜いた! 壊されるぐらいならそうするべきだよな。さすがに今のは避けられまい。三匹ほどレッドキャップをぶっ飛ばした。だが、奴らは空いた穴から次々と群がる……『風斬』

おお! なるほど! 穴のサイズに合わせて魔法を撃てば必ず当たるわな! 今度は四匹仕留めた。仲間がやられたのを見て距離をとるレッドキャップども。魔物のくせになかなか状況判断が的確だな……ボスだけあるのか……


「ゲギャッ!」

「グギャオホッ!」

「ゲギョゲバァ!」


むっ、他のレッドキャップがとうとう自力で氷壁に穴を空けやがった。だが、少し遅かったな。


『風斬』


同じ方法で撃退され、やはり距離をとった。ちなみに私の方に来ている奴らは氷壁を突破できずにいる。いくら上級でもゴブリンごときに私の氷壁が破れるかよ。


おっ、アレクの魔力が高まってる! また大きい魔法を使う気だな?


「ゲギョッ!」

「グギャバァ!」

「ゲキャアァ!」


一斉に斧や杖を投擲してきやがった。だが、少し遅かったな。


『逆巻く激流』


きたぁ! 部屋の内部が洗濯機状態! 密室で使うと自分も溺れ死ぬ諸刃の魔法だ。でもアレクは水中気が使えるもんな。後は流されて壁などに叩きつけられないように注意すれば大丈夫。


「ガバッガババッ!」

「ゴボボォッ!」

「ゲギャッゲギャー!」


おーおー、さすがのレッドキャップもこれではどうにもなるまい。洗われてしまえ。




およそ五分後、アレクが魔法を解除するとレッドキャップは一匹も存在してなかった。でも、妙だな……


「アレク! 油断しちゃだめだよ!」


私も氷壁を解除して一声かける。


「はぁ……はぁ……ええ……分かってるわ。まだ素材が落ちてないものね……」


さすがのアレクも疲れてるな。あれだけの上級魔法の後に水中気を使いっぱなしだったんだからな。


「ゲギャギャギャギャオオオォォオーーーー!」


ほら出た! 突然姿を見せたこいつが本当のボスか。テカテカと不潔で臭そうな髪。釣り上がり血走った赤黒い眼。ギザギザと突き出た乱杭歯。両手に斧を持ってやがる。さっきまでのレッドキャップと違うな……醜悪で背の低いジジイではなく強靭な肉体を持つキモいオッさんってとこか……


「ゴギャッ!」


いきなり斧をぶん投げてきやがった。


『風操』


さらりと逸らすアレク。上手い!


投げると同時に間合いを詰めていたボス。斧を振り上げるが、アレクはもう離れている。近寄るにはスピードが足りないな。


「ガガァッ!」


離れていようとお構いなしに斧を振り降ろすボス。何やってん……何ぃ!?


『水壁』


びっくりした……飛斬(ひざん)を使いやがった……アレクもよく防いだな。


「ガガガガァァァーー!」


いつの間にか先ほど投げた斧を拾い、両手で飛斬を撃ちまくっている。こっちにまで飛んでくるじゃないか。ぷっ、飛斬のくせに切れ味が悪い。だがその代わりに破壊力はあると来たもんだ。小癪な奴め。

あそこまでめちゃくちゃに撃たれると反撃するタイミングが難しいんだよな。増してやアレクは魔力、体力ともに消耗しているし。今だって水壁の維持に魔力を注ぎ込んでいる。


「ゴバァ!」


なんだこいつ!? 口から火を吐きやがった! だがその程度でアレクの水壁を破れると思うなよ?

いや、火を吐いた目的は……目眩しか!


火に紛れて距離を詰め、力任せに水壁に斧を叩き込みやがった! ゼリーのように割れる水壁……アレクは……


『氷塊弾』


おお……水壁越しに……やるなぁ。


「ガガァッ!」


だがボスもあれだけの氷塊の直撃を受けて平然としてやがる……生意気な。ん? 腕が……


「ガガガガッ!」


はは、アレクは水壁を凍らせたのか! 腕が取れないでやんの!


『氷塊弾』


うっわエゲツな! 真上から頭めがけて落としたよ。でも生きてる!? しぶとい!


「ゴボバァ!」


あ、腕が抜けた。斧は手放してるけど。


『氷刃旋風』


「グギャギャギャアァーー……」


うわぁこれまたエゲツない……自身の周囲を回転する氷の刃でミンチになるまで切り刻まれるやつだ……


次第に奴の悲鳴が小さくなり……その場に素材がポツンと落ちた。いや、素材ではなく斧か。血がついてて汚いが、呪われてないだろうな?

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[一言] まだ、素材は落ちていない?
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