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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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223、共同戦線もどき

大扉を開け、中に入ろうかという時にマカが発言した。


「俺達は外で待っておく。大人数が入るとボスが強くなるからな。」


なんと! そんなことがあるのか。


「この人数だとどれぐらい強くなりそうなんだ?」


「六人を超えるごとに、体感で倍は強くなってる気がする。七人なら倍、八人なら四倍といった具合だ……魔物を一人と数えるのかどうかは……分からんが……」


数えるだろ。カムイは超強いし、コーちゃんだってその気になればえげつないし。

そうだとするとこの全員が入った場合は、十人だから……十六倍!? 強さが十六倍と言われても意味が分からんな。ならば参考までに……


「四人ほど来てくれ。それなら四倍で済むだろ。ちょっと今後の参考にしたい。」


どうせ深く潜るんだ。ここの階層より強い魔物なんていくらでも出てくるはずだ。ならば多少は予行演習をしておかないとな。


「あ、ああ……分かった……じゃあ、ミノズとヤマニはここで待機だ。いいな?」


「はっ!」

「分かりました!」


統制がとれてるじゃないか。赤兜のくせに。


「ここのボスはやっぱりオーガなのか?」


「ああ……でかいだけのオーガだ。」


扉が閉まる。魔物の姿が現れる。やはりオーガか。身の丈は……十三メイルってとこか。


『ゴオオオオオオウウウウウウゥゥゥゥーーーー!』


いきなり魔声かよ。オーガのくせに生意気な。私には効かないけど。


『狙撃』


ふーん、額に当てたけど弾かれた。ドスドスと大きな音を立ててこちらに走り寄ってくる。なら『氷壁』を足元に……


ほーらコケた。足元にお気をつけくださいねー。うぉっちユアすてーっぷ。そして無防備な頭頂部に『徹甲弾』


ふーん……これも弾くのかよ……生意気な。


『徹甲十六連弾』


起き上がりかけたオーガの頭頂部にピンポイント連打だ。これなら穴が空かなくても衝撃で……あ、倒れた。ちゃんと大穴が空いていた。やはり私の魔法もわずかながら威力を増しているよな。魔力は増えなくなったけど。

ちなみに落とした素材はやはり角だった。


「よし、下に行くぞ。外の奴らを呼んでやりな。」


「バ……バカな……」

「こんなに……あっさりと……」

「しかもあの硬い頭を……」

「なんて威力だ……」


おやおや、腰を抜かしているではないか。魔声にやられたわけでもあるまいに。


「仕方ないね。アレク、呼んできてくれる?」


「いいわよ。」


まったく、お前らが動かないからアレクが歩くハメになったじゃないか。


「ひ、一つ聞きたい……な、なぜわざわざ頭を狙った……? それほどの腕があれば……心臓でも喉でも……いくらでも狙えただろう……」


おおー、さすが分隊長。腰は抜かしてもちゃんと見てたのね。やるじゃん。


「硬いからだよ。ただ硬い所をぶち抜きたいから狙ってんだよ。」


まあ硬い所イコール急所でもあるしね。硬いだけにぶち抜けばそこは急所だもんな。それに何事も修行だしね。相手の弱い所を狙うのも戦術だけど、私はごり押しで行くって決めてるし。ごり押しサイコー。


「硬いから……は、はは……」


残った二人が入ってきたが、四人の赤兜が立ち上がらない。早く立てよな。面倒になったら身包み剥いで捨てていくぞ? いくらこいつらでも身包み剥がれてこんな所に放置されたら死ぬよなぁ。私は別に気にしないけどね。




よし、二十八階だ。体感的にはまだ昼にもなってない。ならばガンガン行くとしようか、赤兜に先導をさせて。カムイナビでもいいけど罠があるからな。死ぬのはこいつらで充分ってものだ。


意外と言うか、やはりと言うべきか。赤兜どもは的確にボス部屋へたどり着いた。途中現れた魔物も中々の連携で仕留めていた。やるねぇ。


「じゃあ今回は五人入ってもらおうか。八倍のボスに挑戦ってことで。」


「分かった……」


分隊長マカは一人を指名し、そいつを残して私達は中へ入る。ここのボスもオーガらしい。




ちなみにそこまで手間がかかることなくボスを仕留めた。やはりごり押しは強い。


よし二十九階だ。少し昼休憩をしたら一気にクリアしてしまおう。あいつらと一緒だと落ち着いてアレクとイチャイチャできないからな。まあ外に人がいると思いながらのピラミッドシェルター内でのイチャイチャも悪くないんだけどさ。




二十九階。相変わらず現れる魔物はオーガだった。これまでと変わり映えしない魔物。本当に次の階層に降りたのか心配になってくるじゃないか。


なお、この階での赤兜どもは動きが悪かった。どうやら罠が多いらしく慎重に進んでいるらしい。驚いたのは、あいつらが通り過ぎた後だった。私達が歩いている所の床が落ちた。びっくりしたじゃないか。とっさに『浮身』を使ったからよかったものの。


「こんなケースもあるのか?」


「いや、普段俺達は六人である程度固まって歩いているから……ここまで離れた場所で落とし穴が作動するとは……知らなかった……」


なるほど。罠を利用して私達を始末しようとしたわけではなさそうだな。それにしてもカムイのやつ、教えてくれてもいいのに。自分だけ落とし穴が開く寸前に飛び退いてやがった。


「ガウガウ」


それぐらい自分で対処しろって? ぐぬぬ、その通りすぎて反論できない……

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― 新着の感想 ―
[一言] さすがにこの状況で罠を利用してカースたちを始末しようとするほどバカではない?
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