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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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161、第三番頭

外に出てみれば、おお……ゾロゾロとまあ。平民風の奴、ゴロツキ風の奴……そしてムラサキメタリックの奴らか……


その中に一人、いい服着た奴がいるじゃないか。ようやく幹部のお出ましか。せっかく素材は良さそうなのに全身緑かよ。だっせ。靴や帽子まで緑か。よく見れば髪の毛まで緑じゃん。


「よくもまあ暴れてくれましたね? ローランドの魔王さん。あんまりよその国に来てイキがらない方がいいですよ?」


「その言葉、そっくり返すぞ? まあ、お前らごときじゃあローランド王国は獲れないけどな。」


「ふっ、あのようなまとまりのない国を切り崩すことなど容易いことです。それよりいいのですか? 背後に火が迫ってますよ? せっかく助けた女どもが焼け死んでしまいますねぇ?」


『水滴』


「誰が焼け死ぬって? まあ正直どうでもいいんだけどな。それよりお前、エチゴヤの上のモンを呼べ。お前みたいな下っ端じゃあ話にならん。」


「ふっ、無知とは罪ですねぇ? このエチゴヤ第三番頭アガノに向かって。ならば分からせてあげましょうか。あなたの愚かさをね?」


『水壁』


いきなり矢かよ。そんなの効くかっての。


おーおー、矢だけでなく魔法に投石、そしてナイフか。色々飛んでくるが私の水壁は破れまい。自動防御で防いでもいいけどちょっと範囲が広いし魔力に余裕がないからな。具体的には残り二割ちょいってとこか。ごり押しで戦ったら後ろに控えている紫の鎧どもに勝てなくなってしまうんだよな。どうしよ……


まあとりあえず……


『燎原の火』


ここら一帯燃やしてしまおう。人も建物も。後のことなんか知らん。


「ほら、お前らはさっさと逃げな。巻き込まれても知らんぞ?」


こいつらを守りながらなんて戦えるわけがない。ほら行った行った。そっちは燃えてないだろう?


よし、行ったな。ふーん、その間に少しだけ消火しやがったか。大したもんだ。


「待てぇーい! この勝負わしが預かる! このオワダ冒険同業者協会会長ロッコウ・オロデがな! これ以上オワダの街を燃やされては堪らんからな!」


びっくりした。いきなり大きな声出しやがって。ギルドの長か。こっちでは会長って言うんだな。このような諍いを止めるのは騎士団の仕事だろうに。


「おや会長? まさかエチゴヤの邪魔をするつもりですか? 会長の座が恋しくないのですかな?」


「いくらエチゴヤでもこれはやりすぎだ! さすがに見過ごす範囲を越えておるわ! そっちのお主もお主だ! 他国に来て暴れすぎだ! 少しは街の者のことも考えぬか!」


私に言われても知らんぞ。降りかかる火の粉を払ってるだけだからな。だよな?


「それにただ矛を収めろと言っているわけではない! きっちり雌雄を決する場は用意してやる! 明朝、ギルドの訓練場まで来るがいい! 方法はその時発表してやる!」


「話になりませんね? それのどこに私達の利があるのですか? 今やれば余裕で勝てると言うものを。」


ふーん、今やれば勝てるって? 私もそのつもりだ。無辜の民を巻き込むのは本意ではないが、せっかく現れたこいつらを逃す気もない。


「会長さん。せっかくの提案だが聞けないな。この手の話は勝った方に利がないとね? 例えば……」


魔力庫からどーん。数万トン単位の鉄塊が燻る家屋を押し潰す。ヒイズルではいい値がするんだよな?


「俺らに勝ったらこれをくれてやってもいいが、これに見合うものを提示してくれないとな? 番頭はどう思う?」


「ふふ……これは驚きました。まさかこれほどの量、そして良質な鉄をお持ちとは……あなたがそれを賭けると言うならば受けて立ちましょう。」


「へえ? じゃあ値段つけてみな。いくら賭けるんだ?」


「見たところ一万トンは超えてますね。ならばキリのいいところで十億ナラーでいかがですか?」


ふーん、そんなもんか。


「会長さん、どう思う? 妥当か?」


「ふうむ、計ってみなければ分からぬがそんなところであろうか。」


「二十五億ナラーね。この鉄塊は二万五千八百トンあるわ。どう? どうせあんた達は勝つ気なんでしょ?」


おおー。さすがアレク。計量の魔法だったかな。だいたい一辺が十五メイルぐらいの立方体に近い鉄塊だしね。そのぐらいあるのかな。もちろんこれで全部じゃないけど。


「ふふふ、いいでしょう。そこまで大口を叩いたからにはあなたも参加するのでしょうね? 魔王の後ろに隠れているだけではせっかくの美貌が曇ってしまいますよ?」


こいつ何言ってんだ? アレクはどこにいても美しいに決まってんだろ。


「ならば勝負は三対三の星取り戦でどうかな? 別に五対五でも構わんがな。」


「三対三でいい。こっちは五人もいないんだからな。」


「おやおや、頼りないことで。ならば間をとって四対四では? もし二勝二敗になった場合は代表による決定戦ということで。」


四対四か……それは困るな。どうしよう。


「ピュイピュイ」


え!? コーちゃんも出るって!? うーん、コーちゃんが戦うのなんて見たことないからなー……興味深くはあるけど……

まあいいか。大丈夫だよね?


「ピュイピュイ」


「いいだろう。四対四でやろうか。じゃあ約束な。お前が勝ったらこの鉄塊をくれてやる。こっちが勝てば二十五億ナラーよこせ。いいな?」


「いいでしょうっと。ほお、これが魔王の契約魔法ですか? いい経験をさせてもらいました。ではまた明日、お会いしましょう。」


「現金で持ってくるのを忘れるなよ? 勝負の前に見せてもらうからよ?」


さーて、明日か。こいつは面白いことになってきた。とりあえず船まで戻ってみようかね。あー腹へった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 団体戦燃えますね! 一晩経てば魔力が回復するし、横槍も入らないからカース個人なら有利な気はしますが、あとはアガノの用意するメンバーがどの程度かですよね。 コーちゃんはカースの魔力食いまく…
[一言] まとも?な勝負に持って行く展開になるとは、この海のリハクの目をもってしても(ry
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