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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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150、腐れ騎士との酒宴

結局四人の腐れ騎士を連れて海の天国館へ戻った。宿泊客じゃなくても食事はできるからな。せいぜいたらふく飲めばいいさ。


「マジでここに泊まってんのかよ……」

「しかも特別室、白砂……」

「ローランド国王直属って儲かるんか……」

「その若さで……」


オワダの者からしてもやはりここは高級宿なんだよな。分かりやすいステータスだわ。食堂だと話しにくそうなので部屋で食事をすることにした。


「それで? ここを治めてるのはどんな貴族なんだ?」


そこまで興味はないが、情報収集は大事だもんな。


「ありゃーいー女だよなぁー」

「そーそー! あれで独身ときたもんだ!」

「あれでも三十超えてんだっけ? 肉付きが堪らんよなー」

「男の噂って聞かねーよな?」


「聞かねーっつーか陛下のお手付きって噂だろー?」

「そーそー。だーから誰も手ぇー出せねーんだろ?」

「側近もやたら女が多いーし? そいつらだって揃いも揃っていー女だよなぁ……」

「手ぇ出してーけどなぁ……陛下のお手付きとなるとなぁ……」


なんだそれ?

愛人を捨てる代わりに領地をくれてやった的な話なのか? それとも愛人を重用してるとでも言うのか? まじでヒイズルの国王は正気なのか? なんだか情報集めするのがバカらしくなってきたな……


「ここの領主についてはもういいわ。ダンジョンのことを教えてくれよ。お前らは騎士だから少しは入ったことあんのか?」


「ねーよ!」

「あんなやべーとこ誰が行くかよ!」

「そーそー! 冒険者に潜らせとけばいいものをよー」

「俺らはオワダの騎士でよかったよなあー!」


マジで使えない奴らだな……


「ダンジョンは三つあるんだったな。ここから一番近いのは何てとこだ?」


「あーっと、どこだっけ?」

「カゲキョーじゃね? ここから真南のよー?」

「シューホーの方が距離的にぁ近いんだっけ? でも入り口が東側だからカゲキョーの方が近ぇーんだっけ?」

「そーそー。天都からならシューホーが近いんだけどなー」


東側? よく意味が分からんな。まあカゲキョーとやらの方が近いんならそれでいいや。


「ヤチロの街とカゲキョーならどっちが近い?」


「そりゃカゲキョーだろ?」

「おー、そんなもんじゃね?」

「途中までは一緒なんだがな。トゥス村辺りで道が分かれるぜー」

「そーそー。なんだぁ? ダンジョン潜んのかー?」


「ここを出てから考えるさ。のんびり歩いて回るつもりだからな。」


ヤチロの街もあることだし、オワダを堪能したら南回りでヒイズルを歩くつもりなのだ。飛んだら一時間で一周しそうだからな。のんびり楽しむのさ。


「のんびりと旅かー、その若さでいい身分だよなー」

「金もめっちゃあるみたいだし? こぉーんないい女連れてんしよー?」

「それに引き換え俺らぁよー? てきとーにぶらぶらして金ぇ巻き上げてよー?」

「これじゃあ結婚もできねーわなぁ……」


「ローランド王国で一旗上げるって手もあるぞ。今あっちはあちこちで動きが活発になってるからな。やりようによってはひと財産ぐらい築けるかもな?」


こんな腐った奴らは死ぬ可能性の方が高いけどね。


「あー無理無理。ローランドは普通に魔物が多いんだろぉ?」

「だよなぁ? やってらんねーよなぁ?」

「国ぁデケぇし金もうなってんだろうけどよー」

「命が大事だもんなぁ。それよりよー、武勇伝聞かせてくれやー」


私の武勇伝だと? それは困った。何を話せばいいのやら。


「いい質問ね。あなた見所があるわ。カースの武勇伝って多すぎて何から話していいのか分からないけど、私が知る限りのことを話してあげるわ。」


「ア、アレク……」


「大丈夫よ。私嘘なんかつかないから。」


そしてアレクは話し始める……




「ドラゴン!?」

「サウザンド? ミヅチっての?」

「ヒュドラってまさか九頭龍のことかぁ!?」

「クラーケンだぁ!? イカの化け物ぉ!?」


「優勝ぉぉ!? 一歩も動かずにぃぃ!?」

「国王に契約魔法かけたって!? マジで!?」

「千杭刺しっ!? ヤバすぎんぞ!」

「精霊と神の祝福持ちかぁ!」


アレクが止まらない。こいつらの反応が気持ちいいのか私の情報を次々と与えている。まあ別に秘密にしているわけではないから構わないが。


「……ってところかしら。ローランド王国で魔王を知らない人間はモグリね。カースの顔を知らない人間はたくさんいるけれど。」


「マジかよ……」

「話半分でも理解できねぇ……」

「そりゃ国王直属の身分証持つわ……」

「あんなボンボンじゃあ相手にもならねえ……」


「あれ? お前らアレクの話を信じたのか?」


どう考えても荒唐無稽とは思うぞ?


「だってお前らの風格っての? 只者じゃない感ばりばりだろ……」

「おお……そんな平凡な顔してるくせに反則だぜ……この子は可愛いすぎるし……」

「その服とかクソ高ぇんだろ? あの首飾りとかもよ?」

「そーそー。ぜってぇ敵対したくねーよなー」


意外だな。こいつらって見る目がある方なのか。だからたかる相手、擦り寄る相手を間違えずに生き残ってるってことか?


「アレクの首飾りは石の値段だけで白金貨五枚。こっちで言えば五億ナラーだな。それにオリハルコンの鎖、そして名人のカットを入れたら値段なんか付けられないだろうな。」


「ばっ、ごっ、オリ……」

「ごおっく……」

「オリハル……コンって確か王家ゆかりの……」

「やべぇよ……こいつらやべぇよ……」


正直な反応で好感が持てるね。タダ飯にタダ酒飲ませてやっても大した情報はなかったけど、まあ楽しいからいいか。


あ、そうだ。まだ聞いてないことがあった。


「エチゴヤってどうなんだ?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] この四人…… なんか親しみ湧きますー。 こういう人みると羨ましい(笑) リアルでは超役立つ能力だと思います!
[一言] この四人はなんだかんだ、のらりくらりと人生全うしそうだなぁw
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