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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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142、大盛の朝食

さて、見える範囲の火は消えた。遠くの方はまだ明るいようだが、そこまで広範囲でもない。もう大丈夫だろう。


「おい、俺は帰るからな。何かあったら明日の昼以降に海の天国館に言ってきてくれ。」


「お、おい、待……」


待たん。私は寝るのだ。ちなみに水壁は解除しない。まあ、私が眠れば自然と消えてしまうがね。出入口程度の穴は開けておこうかな。ふぁーあ、アレクの隣で眠るのさ。さあコーちゃん帰ろうねー。


「ピュイピュイ」




部屋に戻ってみると、アレクはちゃんと寝ていた。よしよしいい子だ。カムイもありがとな。もう寝ていいぞ。


「ガウガウ」


良いことをした後は気持ちがいいな。すっきり眠れそうだ。







「ガウガウ」

「ガウガウ」


「……ん……どうしたカムイ……」


「ガウガウ」


腹がへったって? もー、もう少し寝かせろよな。今の時刻は……朝の八時ぐらいかな? まあいい、朝食を頼もうか。


呼び鈴の魔道具で担当さんを呼ぶ。


一分と時間を置かずに来てくれた。この人は一体いつ寝てるんだ? おや、他にいい服を着たおばさんまで。


「おはようございますマーティン様。こちら当宿の女将でございます。」


「女将のヤヨイ・ウミノブでございます。この度はご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。また、マーティン様のおかげを持ちまして当宿はほぼ無傷で済みました。本当にありがとうございます。」


「ああ、どういたしまして。無事でよかったよ。それじゃあ朝食を頼むよ。ここの料理は旨いからな。期待してるよ。」


「ありがとうございます。板場の者も喜んでおります。すぐにお持ちいたしますので、しばしお待ちくださいませ。」


そう言って担当と女将は出ていった。そうそう、これだよこれ。一言お礼を言うだけでいいんだよ。これが正しい対応ってもんだ。




そして待つこと五分。


「お待たせいたしました。」


担当さんが料理を運んできた。


おや? 昨日はおにぎりと漬物、そして味噌汁だったが今朝はお櫃ごとかよ。味噌汁も鍋ごと! おまけに香ばしい匂いを放つ焼き魚か。堪らんな。


「食べ終わりましたらまたお呼びくださいませ。」


「ありがとう。ありがたくいただくよ。」


めっちゃ旨そう。お櫃にしゃもじ。私が茶碗によそう。味噌汁はアレクがよそう。


「穀物ってところは同じなのに、随分と味わいが違うものね。」


「だよね。色も結構違うしね。雑味が少ない分こっちの方が美味しい気もするね。」


ローランド王国では麦がメインだもんな。だれかあっちでも米農家をやってくれないものか。あ、私が楽園周辺でやればいいのか。旅を終えた後に始めるのはありだな。必要ならヒイズルで奴隷落ちした元農家とかを買ってもいいし。考えとこ。


「この魚はフォークだと少し食べにくいわね。カースはそれ、よく使えるものね。」


「うん。これだと食べやすいよ。箸って言うそうだね。」


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


二人とも焼き魚が美味しいって? 私もそう思うよ。あ、そうだ。カムイにおすすめの食べ方があるぞ。

平べったい皿にご飯をいれて、そこに味噌汁をぶっかける。つーか私も二杯目はこれでいこう。


「カ、カース……何やってるの……」


「いやーカムイが食べやすいようにと思ったんだけどさ、僕もやってみたくなったんだよね。」


うん。旨い。やはりこれはアリだな。前世ではどこかのラーメン屋で猫まんまラーメンなども食べた覚えもあるしな。そういやローランドでもこっちでも猫って見ないよな。存在することは知ってるし、大きめの山猫なら狩ったこともあるんだが。


「ガウガウ」


食べやすい上に旨いって? そうだろうそうだろう。


「ピュイピュイ」


コーちゃんも? オッケー、待ってね。


「コーちゃんもこのスタイルで食べたいそうだからアレクもどう? 何事も挑戦してみないとね。」


「そ、そうね……お願いするわ……」


味噌汁を半分入れたお椀にご飯を投入する。私も三杯目をいただこう。


「ピュイピュイ」


食べやすくて美味しい? だよね!


「あ、おいしい……」


ちなみにアレクはスプーンで食べている。




はぁ。おいしかった。朝からお腹いっぱいだ。よし、二度寝だ。昼まで寝るぞー!


「ガウガウ」


何? アレクに体を洗って欲しいだと? たまには気分を変えたいだと? この贅沢もんが!


「カムイがね、アレクに体を洗って欲しいんだって。お願いしていい?」


「珍しいわね。もちろんいいわよ。じゃあカムイ、いらっしゃい。」


「ガウガウ」


「乾かす時は微風(ほのかぜ)に火の魔法を混ぜて温風を出すといいよ。」


「分かったわ。やってみるわね。」


よし、では私は寝るのだ。

カムイのやつアレクに洗って欲しいなんて甘えん坊だな。それともスケベ根性なのか? そういやあいつって雄だっけ? まあどうでもいいや。ふぁーあ……

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