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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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141、ピロートーク

宿に帰ると担当さんに少し愚痴ってみた。


「……ということがあったんだよ。これはヒイズルでは普通なのかな?」


「そうですね……ここオワダでは珍しくないことかも知れません。と言いますのが、地元民ほど謝ったりお礼を言ったりすると相手に負けたことになる、という感覚があるようです……」


「なるほど……勉強になったよ。ありがとう。あぁそうだ。そいつらの父親が文句を言いたそうだったから、もしここに来たら俺らの情報は教えていい。ただしここには通さないでくれ。もし呼ばれたなら後日出向いてもいいがね。」


「かしこまりました。そのように対応いたします。」


前世で一流ホテルなど泊まったこともないが、これがコンシェルジュってやつなのかな。役に立つもんだ。あ、でもそれってマリーやマーリン、そしてリリスもそうだよな。みんなすごいんだな。感謝だぜ。


ちなみに今夜の夕食は部屋に運んでもらった。うーん、今夜のも美味しいな。メインディッシュは鯛のあら炊きって感じかな。旨いなぁ……たまらんぜ。昼食なしだったから余計に旨い。いやー連日贅沢な食事で最高だな。


それから昨日のバーに少し飲みに行ってからお風呂。さすがに我が家のマギトレントほどではないがいい木を使っている。檜系かな? 木の香りがいい感じだ。昨日も入ったけど。

私もアレクもカムイも体をきれいに洗ってから入るのさ。我が家とは違うからな。


「こういったこじんまりしたお風呂もいいものね。カースと密着できるし。」


アレクったら。うちの風呂でも密着してくるくせに。ここの風呂は広さにして三畳ってところかな?


「そうだね。カムイとも密着だけど。」


値段のはる高級宿の最高級部屋だが風呂はうちの方が大きく高品質。ふふふ。









「ねぇカース……」


「ん? なんだい?」


「今夜も良かった……」


「僕もだよ。アレクはどんどん覚えが良くなるね。」


上から目線で言ってるような気もするが、さすがに経験値が違うもんな。でもアレクの上達はすごい。


「カースがすごいから……」


腕枕、私の耳元で囁くように呟くアレク。


「アレクはどんな時でも可愛いよね。大好きだよ。」


「うん……私も……」


眠くなってきたな。アレクの香りがする。アレクも寝そうだ……


「ガウガウ」


ん? なんだよカムイ。もう寝るんだからお前も寝ろよ。


「ガウガウ」


あ? 担当が来たって? いいよ、開けてやれ。

今夜は鍵をかけてないんだから。

カムイは器用にもドアを開けやがるからな。鍵をかけていたとしても。

それに寝室には消音を使ってるから声をかけられても分からないんだよな。こんな夜更けに来客なんて予定してないっての。


「夜分に失礼いたします! 火事です! 避難をお願いいたします!」


鍛治? 火事? 家事? え? 何事?


「かじって……何?」


「火です! 周囲の建物が燃えております! ここまで燃え広がる可能性があります! 避難をお願いします!」


「あぁ……火事ね。分かった。わざわざありがとう。もう行っていいよ。大変なんだよな?」


「はい! 避難をお願いします! 失礼します!」


いつも冷静だった担当さんもさすがに慌ててるな。火事か……ローランド王国ではあんまり縁がなかったから一瞬分からなかったよ。


「カース?」


「いや、何でもないよ。アレクは寝てていいよ。少し見てくるから。」


「うん……早く帰ってきて……ね……」


アレクは寝た。あれだけ激しく乱れたんだからそりゃあ眠いよな。少し待っててね。


「カムイ。」


「ガウガウ」


寝てるアレクを頼むぞ? 私が帰るまで誰もここに入れるなよ?


「ガウガウ」


コーちゃん! 行くよ!


「ピュイピュイ」


コーちゃんが私の首に巻きつく。火事か……前世では覚えがあるが今生ではそうそうない。やっぱ木造建築の弱点は火か……消してやるよ。




外に飛び出ると、海の天国館の目前まで火が迫っていた。とりあえず……『水壁』


海の天国館を囲ってやった。さて、それから……




「水だぁ! もっとかけろやぁ!」

「魔法使いぁいねぇのかあ!」

「あっちをやってんぜ!」

「くそがあ! 足りねぇんじゃあ! 水の魔法使いをもっと連れてこいやぁ!」

「そっちの建物ぁはよぉ崩せや! 間に合わんよぉなるでぇ!」

「この水の壁ぇ作りやがったんはどの魔法使いかぁ! そねぇな余裕があんなら火ぃ消せぇや!」


ふむふむ。どうやらオワダには魔法を使える人間が少ないのかな。やはり私の出番だな。


「呼んだか? とりあえずここら一帯に水を撒くからな。少しどいてな。」


「おっ、おめぇっだっ『水滴』……」


とりあえず見える範囲全てに豪雨を降らせてやる。


じゅうじゅうと音を立てて見る見る鎮火していく。多少のことなど業火の前には焼け石に水って場合もあるが、私の魔法は違う。初級魔法の水滴だが上級魔法もかくやというほどの豪雨が降る。これならじきに消えると見た。


目の前の野郎どもが何か言っているが豪雨で聴こえない。これで一安心かな?

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― 新着の感想 ―
[一言] またインネンかなぁ 水浸しになった弁償しろとか。 和というより半島じみてない?
[良い点] カースお手柄! ……でもまたお礼言われないどころか、インネンふっかけられそうな予感がします。
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