表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1202/3108

129、赤い女騎士

受付から受け取った報酬は私が二百四十万ナラーだった。約束の倍額か、まあ妥当なところかな。ほお……金色の大判二枚に、小判が四枚か。


「滞在費は僕が出すからアレクの報酬は全部お小遣いにしていいよ。お土産代とかさ。」


「ええ、ありがとう。甘えさせてもらうわね。ねぇ……それよりカース……」


「分かってるよ。宿に行こう。早く行こうね。」


アレクったらそんな濡れた瞳で見てくれちゃって。かわいいなぁもう。


「ガウガウ」


腹が減っただって? もうすぐ昼だもんな。宿に着いたら何かあるだろ。ここらで一番の宿だって言うし。


「おう魔王、報酬は受け取ったな? 鮮やかなお手並みだったな。いいもん見せてもらったぜ。」


「おおジンマ。さっきはありがとな。そのうち飲もうぜ。奢るからさ。」


特に役に立ったわけではないが、その気持ちが嬉しいからな。


「おう、楽しみにしてんぞ。んじゃ、せいぜい気ぃつけぇな。俺らに奢るまでぁ死ぬんじゃねぇぞ?」


「ああ。また近いうちにな。」


よし、宿のだいたいの場所も聞いたことだし。何か食べてそれからアレクと……ふふ。



ん? ギルドを出たら囲まれた。こいつらは騎士か? やっぱヒイズルにも騎士っているんだな。


「民間人を襲った冒険者は貴様か! 神妙にお縄を受けろ!」


数十人の騎士の中に一人だけ真っ赤なフルプレートの鎧……暑くないのか?

顔は見えないが……この声は、女か?


「誤解だぞ? あれは真っ当な決闘だからな。それとも本人がそう言ってるのか?」


四人殺しておいて言うのも変だが、そっちは問題になってないのか? 坊ちゃんを痛めつけたことだけが問題になってそうな雰囲気だよな。そう言えばあいつ生意気に権力もあるとか言ってたもんな。


「ふん? 言い訳は詰所で聞く! さっさと来い!」


「話にならねーな? とりあえずこれ見ろ。」


ローランド王国国王直属の身分証だ。王族並みとはいかずとも、それにほど近い身分であることぐらい分かるだろ?


「貴様……ローランド人か! しかも国王直属だと!?」


「そうだよ。それでもやるってんなら相手になるし、この事は国王陛下にも報告する。ヒイズルでこんな目に遭いましたってな。お前、名前は?」


「ふざけるな! 貴様のようなガキが! 偽造に違いない! 者ども! こやつらを捕縛せよぉー!」


うわぁ……頭が悪すぎるぞ……

しかも本人以外誰も動いてない……


「隊長ぉー、あれが本物だったらヤバくないっすか?」

「しかも民間人っつーてもあのボンボンでしょ? ぜってー言いがかりっしょ?」

「あー隊長って中央から来たばっかやけぇーこの辺の事情を知らんのんですよねぇ?」

「来たばっかなのにいきなり鼻薬嗅がされてんすか。隊長らしーや」


「ふざけるなぁー! 私は映えあるヨシノ家のササーラだぞ! 貴様ら如き田舎騎士が逆らうなぁー!」


あれ? いきなり内輪揉めか?


「ヨシノ家っつーてももうとっくに御三家じゃないんでしょー?」

「そーそー。あのボンボンの商会は天王家にどうにか取り入ってるみてーですけどぉー?」

「あんま中央の権勢をここらでひけらかさん方がいーですよぉー? ここにはここのやり方ってやつがあるんすからぁー」

「クウコ商会は評判よくないですよー? 隊長大丈夫っすか?」


ふむふむ。察するにこの赤い鎧の奴は首都、えーと天都イカルガだったか、そこから左遷されたってことだな? しかも名家ぶってるけどとうの昔に御三家とやらから外された程度の家柄か。ローランド王国で言うクワトロA、昔のトライAみたいなもんか。で、ここに来て威張ってるが、部下が全然従わないと。うーん、哀れだな。


「もうよい! 私一人でやる! さあ! 大人しく縛につけ!」


「断る。やるってんなら抵抗するぞ? 性根を入れてかかってこいや。」


「ふっ、虚勢を張りおって! もはや容赦せん!」


おろ、剣を抜きやがったか……ならば仕方ない。


『金操』


普段ならその剣を足の甲に突き刺してやるところだが、今回は……


「なっ!? か、兜が!?」


兜を左右に引きちぎってやった。ようやく顔が見えた。ふーん、そこそこ美人だな。三十歳には達してない、二十代中盤かな?


「次は鎧がそうなる。なんなら服もそうしてやろうか?」


そこそこ胸がありそうだが、どんな下着をつけてんのかねぇ。


「こっ、この変態が! 私の身を貴様のおぞましい欲望で汚そうと言うのか! ローランドの権威がヒイズルの地で通じると思うなよ!」


「で? まだやるのか? そんな脆そうな鎧で?」


「やれやれー! 隊長の! ちょっといいとこ見てみたい!」

「ローランドもんがんばれー!」

「ひゅー隊長かわいいー!」

「早くやれー! 間に合わなくなっても知らんぞー!」


部下にも舐められまくりかよ……


「貴様らぁ! もう許さん! まとめて教育してくれるっ!」


おっ? キレたのか? 剣をめちゃくちゃに振り回してる。危ないな。


『金操』

『麻痺』


とりあえず没収。

そして大人しくしておきな。


「ところでお前らさ。この姉ちゃんだけ鎧の色が違うのは何かあんの?」


さほど興味はないが情報収集は大事だもんな。


「おいおーい、隊長を脱がすんじゃねーのかよ?」

「いいところでやめんなよー?」

「やべぇ魔法使ってんじゃんなぁ?」

「もしかしてもう終わり?」


質問に答えてくれよな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公はローランド王国国王直属の身分証が軽視された重要性を理解できてるのかな? ローランド貴族ならこんな終わり方絶対許されないと思うけど。普通に国家間の重要案件だよ。
[一言] 部下たちのノリ好きw
[良い点] ぶか [一言] ゆるっw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ