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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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126、アレクサンドリーネあるある

「どうですレィディ? 私の名はナルタ・クウコ。ここオワダ随一の大店(おおだな)、クウコ商会の跡取りです。あなたほどお美しい方にお目にかかるのは生まれて初めて。この運命の出会いに乾杯すべく今すぐ店を貸し切りますよ。しばしお待ちを。」


こいつ何言ってんだ? 相手にするには面倒そうなタイプだが、ここは私が。


「悪いな。こいつは俺の最愛の女性だ。他を当たってくんな。」


「ぷっ、君だれ? つりあいってものを考えたらどうだい? その程度の顔でよくもまあ彼女の横に立てるねぇ? 身長だってそんなに高くないし? 着てる服はまあ……センスいいかな。ちょっとここらじゃ見ないファッションだよね? でも冒険者にしちゃあ弱そうだねぇ?」


こいつよく喋るなぁ。


「他当たれって言ってんだ。聴こえなかったのか? その耳は飾りか? ジャラジャラとダセェ飾りつけやがってよ。」


あれはイヤリングなのかピアスなのか、よく分からないが装飾過多だな。男のくせに、とは思わないが悪趣味であることに違いはない。


「やれやれ、このセンスが分からないとは一体どこの田舎者だい? やはり君ごときじゃあ麗しのレィディに相応しくないようだね。今なら見逃してあげるよ? 無傷でここから帰れるし、なんと足代として一万ナラーあげようじゃないか。さあ、明るいうちにお帰り?」


「バカか? 一億でも足りねーよ。その辺にしとけ。それとも何か? 力尽くとでも言う気か?」


「ははっ、君みたいな弱そうな子を相手に力尽くだなんて。この僕がそんな野蛮なことするわけないじゃないか。ただねぇ? ここってウチの関係者が多いからねぇ? 誰かが気を利かせて走るってことぐらいあるかも知れないなぁ? 僕はそんな気全然ないんだよ? さあ、レィディ? 一緒に行きましょう。素晴らしい体験が貴女をお待ちしておりますよ?」


ふん……『走る』ときたか。それで脅してるつもりか?

アレクはちらりと私を見て軽く微笑んだ。そして……


「うふふ、私はね。強い男が好きなの。あなたはどんな強さを持っているのかしら? ぜひ知りたいわ。」


「おお麗しのレィディ。やはり貴女は見る目がおありだ。あのような相応しくない者などより私を選ぶとは。私の力ですか? ふふ、どれから話せばいいか迷ってしまいますね。金、権力は当然ですが、戦ったとしても私は強いですよ? ですがそんな力をひけらかすような野蛮な真似はしませんとも。さあ君、これを持ってお帰り? 彼女はこの僕が幸せにしてあげるから心配いらないさ。」


全然話が通じてない……しかもこいつ上品ぶりやがって直接暴力をふるってこない……困ったな……

木札で一万ナラーか。生意気に床に投げやがった。誰が拾うかよ。


「まあ! そんなにお強いの!? うわぁ見たいわぁ。ねぇよかったら見せてくださらない? 私、強い男が好きなの!」


なるほどね。


「ア、アレク! 僕を捨ててそんな奴に乗り換えると言うのか!? だ、だめだだめだ! 僕は認めないぞ! や、やいお前! し、勝負しろ! アレクが欲しけりゃ僕に勝ってみろ!」


「やれやれ、せっかく無傷でおうちに帰してあげようと思ったのに。この僕の温情も無限ではないんだよ? まあ仕方ないね。ひと勝負すれば君も諦めがつくだろう。所詮彼女につりあう存在ではなかったとね。」


「う、うるさいうるさい! じゃあ一億だ! 僕が勝ったら一億ナラー払え! お前が勝ったらアレクを譲ってやるさ!」


口に出すのも嫌な言葉だな。


「ああっ、そんな! 私に一億ナラーだなんて! だめよ、やめて! いくらあなたでもそんなに払えるわけないわ! 私のために争わないで!」


アレクが絶好調すぎる。


「心配いらないさレィディアレク。一億だろうが十億だろうが私にとっては大した金額じゃない。いや、君のためなら百億ナラーだって惜しくないさ。それに君のためなら僕は強くなれる。見てておくれ。華麗に勝ってみせるからね?」


「じゃ、じゃあ約束だからな! アレクと一億ナラーを賭けて一対一で戦うぞ! ル、ルールを言え!」


「ルール? ふふっ。武器あり魔法ありでいいだろっおおっが……い、今のは……」


「よし分かった。武器あり魔法ありで一対一の勝負だな。ああ、降参は認めよう。金が払えない時は借金でいいよ。じゃあ訓練場へ行こうか。」


「頑張って! 応援してるわ!」


「あ、ああ……任せておくれ。君のために僕は勝ってみせる。ランチはそれからだね。待ってておくれ?」


ふふ、アレクのナイスアシストのおかげでスムーズに話が進んだな。アレクったら私以上に演技派なんだから。ありゃあコロっと騙されても仕方ないかな。思いっきり矛盾した発言してんのに。

さて、一億ナラーか……小判なら千枚、ローランド王国で言えば白金貨一枚だな。もっと吹っかけてもよかったかな。まあいい、一応殺さないようにはしようと思うが、どうなることか。油断せずにいこう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こしばい [一言] (殺さない様に) 注意して臨まねばっ
[一言] 一億ナラーゲットだぜ!!ww
[一言] 美味しそうな獲物が掛かりましたなw
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