表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1189/3108

116、護衛開始

それなりにハードだったが楽しかった一週間は終わり、私達が初の護衛依頼を始める時が来た。少し興奮するな。


バンダル港のサンタマーヤ号の前。護衛依頼を受けた冒険者達が集まっている。パープルヘイズのジンマ達もいる。


「よう、今回はよろしく頼むぜ。聞いたぜ? アンタぁ魔王って呼ばれてんだって? こっちの嬢ちゃんは氷の女神とか。期待してんぜ?」


「まあ報酬分ぐらいは働くさ。よろしく頼むわ。」

「よろしくお願いするわね。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


それから船に乗り込んだ。護衛だけで十四人か。


「おう、冒険者ども。よく来てくれたな。ヒイズルまでだいたい十五日ほどだが、よろしく頼むぜ。お前らの情報はあらかたギルドから聞いたし顔馴染みもいることだ、警護場所や時間についての割り当てはこっち決めさせてもらった。まずはパープルヘイズ!」


「おうよ!」


「お前達は全体のまとめをやってもらう! いつも通り具合よく見てやってくれ!」


「おう、任せてもらおう!」


こうしてパーティーごとに割り当てが決められた。私達は左舷、時間は日没から日の出まで。初の護衛依頼でいきなりハードな割り当てだな。


「船長、一応聞いておくが夜の見張りはどの程度やればいいんだ? 例えば『光源』を使うのはまずいよな?」


「ああ、それはまずいな。空からだけでなく海中から光につられて集まる魔物も多いからな。暗視でも何でも使って船を守ってくれりゃあそれでいい。」


普通の六等星は暗視を一晩中も使えねーよ。まあ私のことはギルドから聞いたって言うし、そのぐらい私には容易いことも分かってんだろうな。そう考えると割に合わない仕事だが、今回の目的はヒイズルに行くことだしな。はりきってやるとしようか。


それから、軽く打ち合わせをして船室へ案内された。カプセルホテルの一部屋を縦横に二倍に伸ばした程度の部屋……ここにアレクと二人……実際にはカムイもいるからみんなで肩寄せ合って寝るしかないな。コーちゃんは場所をとらないしね。

もちろんまだ眠くはないのだが、夜に備えて寝ておかないとな。


「じゃあおやすみアレク。」『快眠』


「ありがとうカース。そうでもしないと……すう……」


私も自分に『快眠』




ぼろいドアを強くノックされる。魔法を使って寝るから激し目に起こしてくれるよう頼んでたんだよな。


「おはよう……交代だな?」


「おう、飯ぃ食べたら位置につきな」


ふぁーあ、よく寝た。こんな狭っ苦しい部屋でも寝れるもんだな。今のところそこまで激しく揺れてないしな。ローランド王国の東側、オウエスト海はそこまで波も高くないし海も荒れることは少ないそうだ。あくまでローランド王国に近い側は。




甲板に出て、食事を取る。提供される食事は朝夕の二回。冒険者用の食事は甲板に用意され、各自が当番前後に食べることになっている。コーちゃんとカムイの分は私の魔力庫から出して、軽く焼いてやる。シーオークの丸焼きだ。


「ペ、ペットの方がいいもん食ってんのか……」

「オークかよ……いいな……」


冒険者用の食事も質は悪くない。ただどうしても海の幸ばかりに偏るんだよな。オークなどの陸の肉も時には食べたくなるのだろう。つーかまだ一日目なんだけどな。


「そうそう、さっき言い忘れたけどさ。もしもシーサーペントやクラーケン、ヒュドラなんかが現れたら昼間でも起こしてくれていいからな。まあそうそう現れるもんでもないけどさ。」


もし現れたらコーちゃんやカムイが教えてくれそうではあるよな。


「ヒュドラなんか見たこともねぇよ……」

「見たことがある奴ぁ死んだ奴だけだろ……」


ヒュドラはかなり美味かったもんなぁ。戦いたくはないけど食べたいなぁ……


「ここから北東に千キロル、ヒイズルからだと北西に八百キロルぐらいかな。そこの海域でヒュドラに遭ったぞ。王都の南ではクラーケンも現れたしな。まあ、お互い用心しておこうぜ。」


「お、おお……」

「まじか……」


私達はこの手の依頼は初心者だからな。用心に越したことはない。




こうして私達は哨戒任務についた。さすがに一晩中『暗視』を使うのは怠いので『範囲警戒』を広範囲に張っている。ついでに『魔力探査』も常時行っている。問題はこの魔力探査。この魔法は水平方向の魔力を探ることはできるが、垂直方向には二十メイルぐらいしか探知できないんだよな。だからそっち方向は範囲警戒を広めに張っている。


これで後はカムイの毛皮に埋もれながらアレクとお喋りだ。星を見ながらロマンティックにね。さすがにイチャイチャはできないけど。


「今のところ酔わなくて済みそうね。」


「そうだね。しばらく波は荒れないそうだし。荒れてきたらその時考えようかな。」


具体的には軽く『浮身』を使うだけなのだが。


のんびりとした時間は続く。夜の海って吸い込まれそうで怖いけど、私の魔力なら水深何メイルまで潜れるんだろうな。二、三百なら行けることは分かってるんだが、五百とか千は未知の世界なんだよな。ヤバい魔物もいそうだしな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ついに出航だぁ~! ヒイズルでは何が待つのか? 楽しみです♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ