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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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102、バンダルゴウで寄り道

前世で言うところの中、もしくは大ハンマーってところかな。ホームセンターで売ってそうな五キロぐらいのやつ。それを振りかぶって私に振り下ろしてきた。普通に殺す気かよ。


『金操』


自分の足でも潰してろ。


「ぎぃやぁぁぁー!」


隙を見せたら誰か襲ってくるかと思ったら本当に襲ってきたな。バンダルゴウらしいとでも言えばいいのか。とりあえずハンマーは没収。いつか使い道があるかも知れないから貰っておこう。あ、これ素振りするのにいいかも。剣の代わりに。


さて、かがみ込んで足を押さえてる奴の頭を蹴る。よし、気を失ったな。


『金操』


普通こんな奴らの金を拾うのはこの魔法だよな。地面に屈んでまで拾いたくないもん。うーん、こいつも金貨三枚しか持ってない。ギルドの口座にたくさん持ってるパターンかな?


「おい、見物してるお前らは挑戦してこないのか? 俺は今なら金貨八枚持ってるぞ?」


誰も動かないな。ざわざわしてるだけだ。


「カース、お待たせ。」


「全然待ってないよ。聞けた?」


「ええ。どこかでゆっくり話したいわね。宿をとるにはまだ早いかしら。」


「じゃあ移動しようか。ちょっと寄りたい所もあるしね。」


待たせておいた馬車に乗り込み、行き先を指示する。


「だ、旦那……そこはちょっと……途中まででしたら……」


「あー、それまででいい。」


「カース? どこへ行くの?」


「ちょっと知り合いの所にね。それより聞かせてよ。どうだった?」


「ええ。内容はね……」


ふむふむ。

一つ目:出発は八日後の早朝か。報酬は往復で一人金貨三十枚。拘束期間はおよそ一ヶ月ね。

二つ目:出発は二週間後の昼前。報酬は片道で一人金貨十二枚、または百二十万ナラー。拘束期間はおよそ二週間か。ヒイズルに帰る船ってことだな。

あいつが受けようとして保留にされていたのが三つ目か。

最新の巨大貿易船で出発は五日後。報酬は往復で金貨五十枚。しかも拘束期間が二十日程度とは。


なるほど。そりゃあ美味しい依頼だわな。巨大船であるほど魔物も襲ってこないだろうし。拘束期間が短い割に報酬もいい。

まあ私達が受けるなら二しかないんだけどな。なんせヒイズルで降りるんだから。あのバカはライバルを減らしたかったのかも知れないが、完全に藪蛇だったわけか。バカ丸出しだな。


「ありがとね。よく分かったよ。」


「どれにするの?」


「もちろん二番目だよ。」


「そうよね。どんな船なのか後で見ておかないといけないわね。」


「それもそうだね。まあそれは明日でもいいよね。今から食事でもして宿をとって。ゆっくり休もうよ。」


「それもそうね。あ、着いたのかしら?」


馬車が止まった。


「旦那……ここまででさあ……」


「おう。ありがとよ。じゃあ気をつけて帰れよ。」


金貨一枚を渡す。


「こ、こんなに! あざーっす!」


さーて。どっちだったかな。適当に歩いてみよう。


「カース……ここって……」


「うん。スラムだね。」


「ガウガウゥ」


カムイが臭いと文句を言う。臭い理由は……スラムあるある。すぐに怪しい奴らが襲ってくるんだもんな。よし、ちょっと練習。魔力庫からイグドラシルの棍『不動』を出してと……

突く、叩く、下から跳ね上げる。棍っていいな。間合いは広いし扱いやすい。 もしかして剣より私に向いてるのかな?




「いょぉーどこのお貴族様だか知んねーけどよー? あんまチョーシん乗ってっと大怪我すんぜー?」


おっ、比較的まともな格好の奴が現れた。こいつなら話が通じそうだな。


「よお。ランディの兄貴はいるか? 案内してくれよ。」


「あ? てめー何モンよ? なんでランディの兄貴を知ってんだぁこら?」


「この服装を見て分かんねえか? 俺の名を言ってみろよ。」


バンダルゴウには前にも来て暴れたんだから知ってるよな? 知らないとか言いやがったらぶっ飛ばそう。


「まさか……魔王……」


「まあ正解。名前を言えって言ったんだけどな。とりあえず案内してくれよ。一度行ったことはあるんだけどさ、とても覚えてないからな。」


「ランディの兄貴に何の用だ……」


「用ってほどのことはないな。ちょっと世間話ってとこか。ほら、駄賃やるから案内しろよ。」


そう言って私は金貨一枚を弾く。


「ランディの兄貴に手出しはしねぇんだな……?」


「しねーよ。俺がその気になったらスラム丸ごと更地にしてんぞ?」


ちゃっかり金貨は受け取ったくせに。


「こっちだ……」


よーし出発。ちなみに棍で倒した奴らの懐は探ってない。どう見ても貧乏なんだもんな。




「ここだ……」


「あー、見覚えあるわ。」


「ランディの兄貴! 客人です!」


「おう、マユゥミどうしたぃ?」


「よう、ランディの兄貴。久しぶりだな。」


「ランディって呼んでくれよ……魔王……」


「ピュイピュイ」


コーちゃんはさっそく飲みたいんだね。


「とりあえず再会を祝して乾杯しようじゃないか。いい酒出してくれよ?」


こいつに聞きたいことがあるから来たのだが、まずは飲んでからだな。

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