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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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94、カース、味噌汁を飲む

風呂から上がった私達はいつも通り寝室へ一直線。もうお互いしか見えていない。今夜から十日ほどはひたすら退廃的に過ごすのさ。ふふふ。


そうかと思ったら、いきなり寝室のドアが開いた。あら、鍵を閉めてなかったかな。


「おうカース、明日は暇か?」


「暇じゃねぇよ。アレクとだらだら過ごすんだからよ。」


「よし、暇だな。俺を工事現場まで連れてってくれ。頼んだぜ。」


ダミアンはそう言って寝室から出ていった。あの野郎……


気を取り直してアレクとイチャイチャしていたら……今度はノックの音が。誰だよ……


「開いてるよ。」


「失礼します。」


リゼットか。


「どうした? 急ぎの用か?」


「いえ、その、一言お詫びをと……」


「お詫び? どうした?」


まさか子供の件?


「あれほどカース様一筋だなんて言っておきながら……つい体の疼きに負けてしまって……そして子供まで……」


「心配するな。何とも思ってないさ。しっかりダミアンを支えてやんな。」


リゼットには悪いが私としては都合のいい展開だ。私に報われぬ想いを抱くより余程建設的ってもんだ。


「それはそれで複雑ですけどね……」


「それよりマイコレイジ商会の調子はどうだ? 何か困ってることはないか?」


例えばあのポンコツ護衛のジャンヌとか。


「ええ、幸いにしてトンネル工事もありますので好調です。ありがとうございます。」


「それはよかった。ならついでに聞いておこうか。カールスという名前は誰がつけた?」


「そ、それは……私が……」


「そうか。分かった。ここには十日ぐらい滞在するから、もしその間に何か困ったことがあったら言ってくるんだぞ?」


「はい! ありがとうございます! アレックス様、お邪魔しました!」


「ええ。頑張ってね。」


そしてリゼットは出ていった。ふう。カールスか……


さあ、今度こそアレクと二人だけの夜だ。




来ないな?


ラグナまで来るパターンかと思って鍵は開けたまま、照明もつけたままにしているのだが。来ないならいいや。鍵かけて暗くして自動防御も張って……


「アレク……」


「カース……」


ん? ノックの音が聴こえる。しまった、消音を使ってなかったか。金操で鍵とドアを開ける。


「ボス……」


ラグナかよ。タイミングが悪い!


「来るならもっと早く来いよ。どうした?」


「ボスぅ……アタシ……ダミアンの子供が欲しいんだよぉ……」


「そりゃあそうだろ。」


「どうしたらいいんだよぉ……」


知るわけないだろ!


「とりあえず教会ね。ローランド神教会で生と安産の神カーリーティ様に祈ることね。」


おお、アレク。こっち方面は詳しいんだね。


「お嬢……やっぱそうだよねぇ……アタシみたいな悪人でも、神は助けてくれるのかなぁ……」


「神の祝福は平等よ。信じる者、祈りを捧げる者に平等に祝福を与えてくださるわ。」


なるほど。神は平等か。つまりたくさん祈った者、信仰のあつい者を優先するってことだな。神らしい。


「分かったよぉ……お嬢、ボス、ありがとう……アタシ、がんばるよ……がんばってダミアンの子供を……」


ふう。出ていった。三人ともわざわざここに来なくても飯の時に言えって話だがな。まあ仕方あるまい。ダミアンも大変だな。でもこれでもう邪魔は入るまい。


「アレク……」


「カース……」


二人だけの夜が始まった。





翌日。私が目を覚ました時、隣にアレクはいなかった。風呂かトイレか。


「ピュイピュイ」


コーちゃんおはよー。起こしに来てくれたの? ありがとね。


あくびをしながら食堂に行くと、全員揃ってた。


「いよぉカース、お前にしちゃあ早ぇじゃねーか。」

「ボスぅおはよう。」

「おはようございますカース様。」

「ガウガウ」


「おはよ。みんなして早起きだな。」


「カース、おはよう。朝食ができてるわよ。」


ま、まさか、アレク?


「早起きして作ってくれたの?」


「ええ。カースに食べて欲しくて。」


うっ、この匂い……まさか!


味噌(まいそ)汁! 作ってくれたの!?」


「ええ、カースが飲みたいって言ってたから。」


うおお……アレクに味噌を渡しておいたのだが、まさかこんなにも早く作ってくれるとは……


「いただきます!」


うおおおおお! 旨い! さすがに前世と同じ味とは言えないが、旨い! 味噌に香辛料で味付けをしたらこうなるって感じの味わいだ。旨い!


「アレク、すごく美味しいよ。ありがとう。」


「どういたしまして。味噌(まいそ)って不思議な食材ね。ヒイズルもなかなかやるわね。」


「行くのが楽しみだね。たくさん買って帰るとしようかな。」


「酒を飲んだ翌日にぁ効きそうな味だぜ。うめぇじゃねぇか。」


ダミアンの言うことはもっともだな。旨いなぁ。やっぱ味噌汁はいいなぁ……


私は味噌汁に夢中になっていた。これは毎日飲んでも飽きない味……いや、香辛料が邪魔かな? まあそこはこつこつ改善ってことで。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 正直こんなにあっさり、カースに好意を表した女性たちがそれぞれの相手を見つける展開なら最初からカースへの好意はもっと下げておいた方がよかったのでは? カースにとってご都合主義的すぎて、な…
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