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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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56、涙の誓い、卒業式

三十秒と経たずに魔法は解けた。そして私の魔力は三割減った。


おおー、スライムもイービルジラソーレも砂漠ごと結構減ってるなぁ。まあそれでもスライムは全体からすれば微々たるものか。まあいい。様子見はこれまでだ。我ながら恐ろしい魔法を編み出したもんだな。吸い込まれたものはどこに行ったんだ? マジで。

とりあえず今日はこの辺で勘弁してやるぜ。アデュー!


さーて、アレク達の薬草集めはどうかな。





「お待たせ。調子はどうだい?」


「おかえり。いい感じに集まったわよ。カースの方は?」


「感触は掴めたかな。本当にあれだけの湖が全部スライムになってたけど。意味が分からないにも程があるよね。」


まあ私が無茶な魔法を使いまくったせいで妙な魔力が溜まったって線もあるんだけどね。知ったことじゃないね。


「すごいわね。理解を超えてるわ。でもカースと一緒にいるとそんなことだらけだから慣れたわ。」


「金ちゃーん。もういいよね? これだけあったらさー?」


おお、クロミも集めてんのね。


「十分よ。さあカース。帰りましょうか。」


「よし、帰ろうか。」


今からなら閉門まで余裕で間に合うな。




薬草の報酬は銀貨八枚。普通に考えればかなり多いのだが、もう私の感覚では端金としか感じない。うーん、贅沢。ちなみにクロミとアレクで半分ずつ分けてもらった。

それから組合長、ゴレライアスさんにも伝言を頼んでおいた。時間がかかりそうだということを。





そしてついにキアラの卒業式。さすがに今回は挨拶を頼まれたりはしていない。気楽に保護者席に座るのみだ。


クタナツの卒業式は校庭なんだよな。晴れててよかった。まあ雨でも魔法でどうにでもなるけど。


まずは校長の挨拶からか。


「卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは私が校長に就任して初めての生徒です。そんな三十五名の卒業生を送り出すことができて嬉しく思います。さて、知っての通りこの学校には凄腕の先生が揃っております。もし人生に悩むことがありましたら何なりと相談に来てください。命が助かるかも知れません。どうか私達がここにいることを忘れないでください。」


エロー校長の後任として校長になったのはナタリー・ナウム先生だ。教科は魔法を担当していた先生だったな。もうすぐ五十歳ぐらいか。見た目は変わってない、温和なおばさんって感じだよな。




「卒業生挨拶、キアラ・マーティンさん」


「はい!」


進行は私達の担任だったミシュリーヌ・ウネフォレト先生、いや私が五年生だった時に結婚してミシュリーヌ・レインフォレイトになったんだったかな。


「先生方! 今までありがとうございました! 思い出がいっぱいのこの学校を卒業するのは少し寂しいです! 春の入学! 夏の鍛錬遠足! 秋の大会! そして冬の大工事! 色んなことがありましたけど全部楽しい思い出です! 私はそんなクタナツが大好きです! あっ、あと! 私、王都に行きます! 王都に行って王様になります! 私が王様になったら魔王のカース兄が宰相になります! そしたら最強の王国になります! これがクタナツの民の生き様だと思いますから! 王都に行っても頑張ります!」


会場がしんと静まり返っている……何てことを言うんだよ……完全に王家に対する挑戦、反逆じゃないか……

言われてみれば確かに昔から言ってたな……

キアラが王様になったら私に宰相をやれって。一体キアラはどこまでマジなんだ?


「げ、元気のいい挨拶でしたね……そ、それでは続きまして、来賓挨拶、クタナツ代官レオポルドン・ド・アジャーニ伯爵閣下。お願いいたします」


あ、スルーした。そりゃそうだよな。スルーだスルー。私も知ーらない。


「諸君、本日は卒業おめでとう。元気のいい挨拶を聞かせてもらった。王家も校長も代替わりをして一年が経った。もうすでに激動の時代となっているのだ。私は先王グレンウッド陛下に忠誠を誓っている。だが、まだ現国王クレナウッド陛下には誓っていない。知っての通り我々クタナツの民が力無き者に忠誠を誓うことなどないのだからな。さて、代官として諸君に期待すること、それは能力だ。ローランド王国に忠誠を誓えなどと言う気はない。クタナツのため、クタナツに住む家族、そして何より自分のために……牙を研げ! そうやって、激動の時代を生き抜いて欲しい。諸君の輝かしい未来にパイローナ神の祝福があらんことを。」


ううーん、さすが代官。本音を混ぜつつキアラの挨拶にフォローしてくれてる。クタナツ生まれじゃないくせに、すっかりメンタルがクタナツになってやがる。こんな代官好きだわ。いつの間にか伯爵になってるし。




「卒業証書授与、代表シビル・ド・ミシャロンさん」


セルジュ君の妹、パリピのシビルちゃんが代表かよ。これで卒業式も終わりだ。自分の時は気楽だったのに、キアラの卒業となると、なぜか感慨深い。うう、あんなに小さかったキアラがこんなに大きくなって。泣きそうだよ……


ちなみにこの後はうちでパーティーをすることになっている。道場まで含めるとかなり広いもんな。

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