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転生内親王は上医を目指す  作者: 佐藤庵
第26章 1900(明治33)年穀雨~1900(明治33)年大雪
192/803

変身

 1900(明治33)年12月7日金曜日、午後5時半。

 青山御殿の私の居間には、大山さんと伊藤さん、そして勝先生がいた。

「いかがでしたか、梨花さま」

 人払いをしてから、まず私に問いかけたのは、やはり大山さんだった。

「東京女医学校に通おうと思う」

 先ほど、吉岡先生にしたのと同じように、私は我が臣下の眼をしっかりと見つめながら答えた。

「よろしいのですか?昨日も申し上げましたように、資本も設備も、教員もままならぬ様子です」

「うん、それは私も見に行ったから分かった」

 普段とは違い、我が臣下の瞳には、微かに不安の色が浮かんでいる。

「でも、私の場合、座学は教科書を買って勉強すればいいから、最悪、至誠医院の方で実習ができれば大丈夫。だから、学校がつぶれても、吉岡先生に頼み込んで至誠医院で実習させてもらう」

 こう言ってみたけれど、

「それは、梨花さまなら、それでも後期試験には合格するでしょうが……」

大山さんの瞳の中の不安が、消えることはなかった。

(どうしたらいいかな……)

 有効な手段を考えようとした時、

「いいんじゃねぇか?大山さん」

勝先生が横から言った。

「勝先生……」

「済生学舎みてぇな、始めから設備も人員も整った所で勉強するより、開校したばかりの学校で勉強する方が、増宮さまの修業になるだろうよ。……お(めぇ)、いつも増宮さまを容赦なく修業させてるくせに、肝心な時に心配性になるんだな」

「そ、それは……」

 勝先生の言葉に、非常に有能で経験豊富な我が臣下が、珍しく狼狽えている。

「わしも、勝先生に賛成ですな」

 輔導主任の伊藤さんが、何度も大きく頷いて、「しかし、そうですか、吉岡女史が……」と微笑した。

「伊藤さん、吉岡先生のことを知ってるんですか?」

 質問すると、

「“史実”でも、ちょうど同じ時期に、女医学校を立ち上げたはずです」

伊藤さんはこう答えた。「そして……まぁ、これ以上は止めておきましょう。“史実”と同じようにこの時の流れが進むかどうかは、誰にも分かりません。“史実”はあくまで、一つの実戦例でしかありませんからな」

「そうですね」

 伊藤さんの言う通りだ。この時の流れがどう進んでいくか、それは誰にも分からない。だから、私はここで、今できることをやるしかないのだ。

「大山さん」

 私は、心配そうに私を見つめる大山さんに向き直った。

「あなたが私のことを心配してくれるのは、すごくよく分かる。開校したばかりの、何の実績もない学校に通うなんてこと、あなたの目から見たら、危険に思えるのかもしれない。でも、大山さん、……ここは、ある程度の危険を承知しながら進むべきところだと私は思ったの」

「梨花さま……」

「女を軽んじる風潮の真っただ中に、飛び込んでいくことになる。でも頑張る。害になるしきたりはぶっ壊す。それは、宮中でも一般社会でも同じだよ。例え壁が分厚くって固くったって、飛び越えるか、ダイナマイトで粉々に爆破して通ってみせる。あなたたちが生まれてから今までに積み重ねた努力に比べたら、私がこれからする努力なんて、芥子粒ほどにしかならないんだから」

 わざと笑顔になってみせると、

「余り、自分と他人とを、比べてはいけませんよ」

大山さんが、少し寂しそうに微笑した。「しかし、御決心は固いようです。……承知しました。梨花さまのご決断に従います」

「ありがとう、大山さん」

 我が臣下に軽く一礼してから、「……となると、残る問題は一つだけね」と私は呟いた。

「問題?」

 首を傾げた伊藤さんに、

「決まってるじゃないですか。髪型ですよ、髪型!」

私は少し得意げに言い放った。「ちなみに、このポニーテール、吉岡先生にはダメだと言われました。清潔なところに付いて、そこを不潔にしちゃうからって。当然ですよね。下に長く垂らす髪って、その危険がありますもん。……さぁて、ハサミを探さなきゃ。この機会に、髪の毛をバッサリ切り落としてショートカットにしてですね……」

 ハサミがしまってある戸棚へと動き出そうとした身体に、突然強い力が掛かり、私は身動きが取れなくなった。大山さんが、後ろから私の身体をきつく抱き締めたのだ。

「ちょっと、大山さん、何をするの?」

 腕の中から逃れ出ようとしてみたけれど、大山さんの腕の力は全く緩まない。

「予測の範囲内ですよ、梨花さま」

 頭上から降る彼の声は、先ほどの狼狽ぶりがウソではないかと思えるほど、力強く、自信に満ちたものだった。

「では伊藤さん、お願いします」

「心得た、大山さん」

 大山さんの声で、いったん居間を出て行った伊藤さんは、すぐに戻ってきた。伊藤さんの後ろに立っているのは、大山さんの奥さまの捨松さん、節子さま、千夏さん、そして母だった。

「え、ええと、皆さま、一体どうしたんですか?」

 女性陣に問いかけると、

「うふふ……ついに完成しました。皇后陛下と一緒に考えさせていただいた、増宮さまの新しい髪型!」

捨松さんが本当に嬉しそうに答えた。

「わたくしも、下絵を拝見させていただきましたけれど、これは絶対に章子さんに似合います!」

 母も捨松さんの隣で、興奮気味に頷いている。

「ふふ、ではお願いします」

 大山さんが腕の力を緩め、私の背中をポンと押す。思わずよろけてしまった私の両手を、

「お姉さま、行きましょう」

「千夏も、お手伝いします!」

節子さまと千夏さんが片方ずつ取った。

「お、お手伝いって、何?まさか、今から髪型を変えるの?」

「そのまさかですよ、章子さん」

 いつの間にか、母も捨松さんも私の側に来ていて、節子さまと千夏さんと4人で、私が逃げないように取り囲んでいた。

「さぁ、ご寝室の鏡台の前に、お連れ申し上げましょう!」

 捨松さんの号令一下、私を取り囲んだ女性4人は、私を引きずるようにして、庭に面した廊下に出て行く。

「え、ちょ、ま、待って、……いやーっっ!!!」

 夕闇の中に、私の悲鳴が吸い込まれて行った。


 20分後。

(ウソだろ……?)

 鏡台の前に座った私は、呆然としていた。

「さぁ、これでどうでしょうか、増宮さま」

 うきうきした声で、櫛を持った捨松さんは私に問いかけた。

「あのー、捨松さま、……髪を切った様子はなかったと思うんですけれど、私の髪は、どこに行ったんでしょうか?」

 鏡の中の自分を、まじまじと見つめてみる。私が転生したと分かった時、鏡の中で、嫌というほど存在を主張していた、私の長くて黒い髪。頭の高い位置で、ポニーテールにまとめたことで、多少は大人しくなったけれど、それでも毛先は肩を超えて胸の下まで伸び、姿勢を変えれば、すぐに鏡の前に現れる。その黒い色が視界に入る度に、嫌な気分になったのだけれど……その存在が、ほとんど消え去っていた。

 すると、

「ふふ、ここですよ、お姉さま」

節子さまが手鏡を鏡台に向ける。合わせ鏡の中に映った私の後頭部、その下の方に、三つ編みになった髪の毛が、とぐろを巻いて収まっていた。

「ええと……皆が、色々髪の毛をいじってたのは分かったんだけど、これ、一体どうなってるのかな?」

 恐る恐る、後頭部を触りながら質問すると、

「頭の横から、長い髪の毛を編み込んだのですよ」

母が教えてくれた。「途中から三つ編みにして、左右にお下げを作りました。それをまとめながら、ヘアピンで固定しましたの」

「宮さま、お気に召しませんか?」

「いや……」

 千夏さんの問いに、私は首を横に振った。

「いい。すごくいい。今までの中で一番いい」

 この髪型は、正面からの見た目が、前世でしていたショートカットに近い。すごくスッキリしている。だけど、ただ一か所……。

「これで、前髪が無かったら……」

 そう呟くと、

「あら、それなら、こうしたらようございます」

捨松さんが再び私の頭を触った。

「前髪を左目の上辺りで分けて、ピンで止めれば……」

 その言葉通りの操作が前髪に施され、私の額が鏡に映る。

(あ……!)

「前髪から、編み込んでしまえばよかったですね。前髪がもう少し伸びたら、編み込みもしやすくなりますが」

 捨松さんの声に、

「ええ、是非そうしましょう」

私は力強く頷いた。

 鏡の中の、前世とほぼ同じ髪型をした私を、私はじっと見つめた。ここまで自分の顔を真剣に見つめたのは、転生してから初めてのことである。

(ウソ……?これが、私?!)

 美人の基準は、一体どのようなものなのだろうか?前世のものと今生のものが、頭の中には存在しているけれど、ごっちゃにはなっていない。だけど、これは、この鏡の中の人間は……。

(前世の顔よりは、確実に可愛いし、もしかして、今の基準でも……か?)

「あ、あの、もしかして、私って、顔に自信を持って、いいのかな?」

 周囲を見渡しながら尋ねると、

「「「「もちろんです!」」」」

と女性陣全員が一斉に答えた。

「このわたくしが産んだお子でございます。これでもわたくし、容姿の美しいのを買われ、陛下から“是非に”と請われて、お側近くにお仕え致しました」

 母がこう言って胸を張る。

「そうです!宮さまほど、お美しくて愛らしい方はいらっしゃいません!だから、世界から求婚が相次ぐのです!」

 千夏さんが目を怒らせながら、叫ぶように言う。

「主人も心配しておりました。増宮さまは、ご自身のご容貌を醜いものと思い込んでおられる。それが続けば、かえって周囲との軋轢を生んでしまうのではないか、と……」

 捨松さんが華やかな顔を曇らせると、

「お姉さまに、嫉妬してしまうこともあるんです。お姉さまは、とてもお美しいから。だけどお姉さまは、自分は容姿が醜い人間であるかのように振る舞われるから、私、どうやってお姉さまに接したらいいのか、時々分からなくなって……」

節子さまも、凛々しい顔をうつむかせた。

――おいとぼいのに……聞く人が聞けば、嫌みに聞こえてしまいますよ。

 9つの誕生日の時、お母様(おたたさま)に言われた言葉が、耳の奥に蘇る。

――増宮さんがそう思うのは、増宮さんが育った時代と、今とで、美しさの基準とが違うからです。

 長くて黒い髪に、パッツンと切り揃えた前髪。この髪型が、大嫌いだった。髪を切ること、ただそれだけを望んでいたけれど、爺には泣いて止められ、大山さんや伊藤さんにも必死に止められた。呪いの市松人形にしか思えない髪型の下にある自分の顔のことなんて、正直、どうでもよかった。

 だけど、その憎らしい髪が、収まる場所を変え、時代ごとの美醜の基準が、私の中で冷静に捉えられるようになり……。

――増宮さんは本当に愛らしくて美しい、少なくとも、私はそう思います。

「あの……私って、……いとぼい?」

 “かわいい”と言えなかったのは、恥ずかしかったからだ。前世のマンガや小説でありがちな場面でのお決まりのセリフを、そのまま自分で言うなんて、どんな罰ゲームなのだろうか。いや、その前に、「お前は何を言っているんだ」と全員から突っ込まれて、満身創痍になるだろうけれど。

「はい、おいとぼいですよ」

 女性陣がきょとんとする中で、一番早く反応したのは母だった。「章子さんは、とても可愛い、とてもおいとぼいです」

 すると、

「ああ、そういう意味でしたよね!はい、お姉さまは、おいとぼいです!」

節子さまが頷き、

「はいです!」

「beautiful……very beautifulです」

千夏さんも捨松さんも、嬉しそうに言った。

「ありがとう、みんな。……それから、ごめんなさい」

 私は後ろを向いて、深く頭を下げてから、「ちょっと、自慢しに行くね」と言って、居間に戻った。

 居間の障子を開け、「じゃーん」と自分の口で効果音まで付け、にっこり笑って見せると、伊藤さんと勝先生が目を見開いた。

「なっ……!」

「おいおい……また一段と、綺麗になったじゃねぇか……」

 私をまじまじと見つめている伊藤さんと勝先生に、

「だから言ったでしょ。私は、髪が長いのはダメだって」

と返すと、私は臣下の前に歩み寄った。

「どう、大山さん?……私、いとぼいでしょ?」

 大山さんの前で、クルリと一回転してみせると、私はこう尋ねた。

「いとぼい……?」

 伊藤さんは首を傾げたけれど、

「はい、とてもおいとぼいです。愛らしくて、本当に美しい……」

大山さんはすぐに微笑んでくれた。

「私、この髪型、好きだ。正面からの見た目が、前世の髪型に近いから。ずっとこの髪型にしたいけれど、舞踏会や晩餐会の時には合わないかな?」

「いいえ、非常によろしいです」

 大山さんは言った。「このシニヨン……髪飾りを付ければ、舞踏会や晩餐会にも映えましょう。ティアラも、よくお似合いになると思います」

「そうか、この髪型、シニヨンって言うんだ。前世でもこの髪型の人がいたような気がするけれど、ヘアスタイルに無頓着だったから、名前を知らなかった。……私、淑女(レディ)らしくないね、大山さん」

 私が苦笑すると、

「しかし、今までの中で、一番淑女(レディ)らしい髪型のように思います」

大山さんは微笑した。

「この髪型は、梨花さまに、正しい判断力を与えてくれています。そして、梨花さまの心の中から、美しさを更に引き出しています」

「褒めてくれるのは嬉しいけど……、少し恥ずかしいよ、大山さん」

 私は一度言葉を切ると、

「今まで、私の美的感覚のことで、心配させてごめんね」

と我が臣下に頭を下げた。

「美を誇ることはしないけれど、容貌を不必要にけなすこともしないように努力する。長年の癖だから、なかなか出来ないかもしれないけど、頑張る。それで、一刻も早く医師免許を取って、お父様(おもうさま)と兄上を、助けられるようになる」

「かしこまりました、梨花さま」

 我が臣下は頷くと、私の身体を正面から抱き締めた。


 1900(明治33)年12月8日土曜日、午後3時。

「入学の身元保証人になる、私の兄を連れて参りました」

 叔父の千種有梁さんを連れ、改めて麹町区飯田町の東京女医学校を訪れた私は、吉岡弥生先生に面会していた。

「入学手続きを進めていただきたいのですが、どのようにすればよろしいでしょうか?」

「あなた……」

 紫の着物を着た吉岡先生は、私を呆然と見つめていた。「その髪型は……」

「あ、髪は後ろでお団子みたいにまとめました。本当は、バッサリ断髪しようと思っていたのですが、家の者たちに泣いて止められてしまって。仕方ないのでこれで妥協しましたが……いけなかったでしょうか?」

「いや、全く、そんなことはないのだけれど……」

 吉岡先生は軽く頭を左右に振ると、「妙な男に襲われないか心配ね。大丈夫かしら?」と呟いた。

「あー、これ、こう見えて、結構腕が立ちます」

 叔父がそう言って苦笑した。「この妹、一度やるって言い出したら聞かないんで、先生方にご迷惑をかけるんじゃないかって心配なんですよ。俺が議員をやってなかったら、女医学校の授業を手伝って、身体で迷惑料を払うんですが」

「あ、いや、そこまで千種先生に考えていただいたとは!」

 “荒太さん”……吉岡先生の夫の吉岡荒太さんが、慌てて両手を振った。元々は、彼も医師を目指していたのだけれど、一家の生活を支えるため、医術開業試験の前期試験を合格したところで、医師への道を断念したのだそうだ。

「なんで、そっちの言い値で授業料と入学費は払います。もし、何か備品で困ることがあったら俺に言ってください。出来る限り何とかします」

 叔父は吉岡先生に頭を下げる。もちろん、そのお金は、叔父経由で私が出すつもりである。流石に、私の時代の私立の医学部のように、初年度で1千万円以上払え、と吹っ掛けてはこないと思う。……まぁ、私の時代の1千万円は、今の時代の貨幣価値に換算すると、500円前後だろうから、余裕で払えるは払えるのだけれど。

 と、

「千種先生。学問の前に人は平等です。妹さんの授業料と入学費は、他の生徒さんと同じだけいただきます」

吉岡先生は、叔父に一礼し、「ただ、一つ心配なことがあるのです」と付け加えた。

「心配なこと、ですか?」

 私が吉岡先生に尋ねると、

「あなたが華族だということです」

と私の方を見て先生は答えた。「今、医師免許を取ろうとする者の殆ど全てが、平民か士族です。あなたが華族というのは、生徒たちの中で、目立ちすぎてしまうのではないかしら。まして、こんなに美人なのですから」

「確かに、俺が医者になったのは、まだ千種の家に戻ってなかった時だから、華族じゃない時だったなぁ」

 叔父が両腕を組みながら呟いた。「どうする、薫?目立っちまうから、やっぱり医者になるのは諦めるか?」

「諦める訳がないでしょう、お兄さま」

 私は叔父を軽く睨み付けると、吉岡先生に向き直った。

「先生、学校内で、偽名を使わせていただいてもよろしいでしょうか。身分も士族と偽装します。そうすれば、目立たないで済むと思うのですけれど」

 すると、

「「偽名?!」」

吉岡先生ご夫妻が、同時に驚きの声を上げた。

「あー、だから言ったでしょう、“ご迷惑を掛ける”って」

 叔父が吉岡先生ご夫妻を見ながら苦笑する。

「こいつ、一度言い出したら聞かないんで」

「それで、構わないけれど……大胆なことを考え付くわね」

 呆気に取られた表情の吉岡先生に、私は無言で微笑む。既に偽名を名乗っているのだ。もう一回偽名を名乗っても、どうということはない。

「で、どんな名前にするんだ?」

 叔父が左肘で、私の身体を軽く小突く。

「ええとですね……」

 ……そして、1900(明治33)年12月11日火曜日、午前9時。

「という訳で、女学校にも退学届けを出しましたので、今日からよろしくお願いいたします」

 東京女医学校の玄関先で、私は吉岡先生にお辞儀していた。

「こちらこそよろしく、千種さん、ではありませんでしたね。ええと……」

半井(なからい)です。東京府士族の、半井梨花です!東京女医学校、第1号の生徒として、どうぞよろしくお願いします!」

 元気よく挨拶した私を見て、吉岡先生は満足そうに頷いた。

 こうして、私は、前世と同じ名前を名乗り、前世と同じ東京の町で、前世と同じ女子医学生としての道を歩み始めた。

 とは言え、前世とは違い、私の本当の身分は皇族。そして私が目指すものは、国を(いや)す上医。それがため、修業中の身にも関わらず、私の周囲では、様々な事件が起こることになるのだけれど……それはまた、別の話である。

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― 新着の感想 ―
[一言] …そうきたかぁ。 もしかすると一番違和感を感じない偽名かもしれない(笑)。
[一言] まさか…半井となのったことが前世の曾祖父につながる…だったりして。 もしそうだと卵が先か鶏が先か話ですね。
[気になる点] 東京……半井……半井驢庵が脳内を支配する
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