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 テレビの地方ニュースを食い入るように見つめる。

 今のところ、今回の事件は箕舟高校の部分までしか報道されていない。しかも、規制がかかっているのか、私と前園さんのことについては不慮の事故という扱いになっていた。

 伊織さんに対するいじめに関しては、さすがに隠せなかったようだが。

 ニュースの情報を見ながら、頭を整理していく。

 今回の事件、発端は箕舟交番に電話がかかってきたことで発覚した伊織さんの自殺だ。

 ついでのようで申し訳ないが、伊織さんの家族の行方もわからないままだ。

 私はいちからの電話を受け、新田さんとともに伊織さんの家へ行った。

 そこで、奇妙な足跡を見つけ、私は足跡の出所へ、新田さんは足跡の行先へ、という風に二手に分かれた。

 私は伊織さんを発見し、再びいちからの電話を受ける。

 その後、すぐに部長から連絡があり、私は七瀬と合流後、伊織さんの件の処理を七瀬に任せ、交番に戻った。

 交番に戻ったところで、新田さんの遺体を発見した。

 伊織さんの家から新田さんの遺体まで続いていた奇妙な足跡。それが更に先まで続いていることに気づいた私は、再び足跡を追い、箕舟高校に辿り着く。

 校門前に着いたところで、この日三度目のいちからの電話があった。

 七瀬がくれた捜査資料から、あのときの番号はトイレで遺体となって発見された坂垣さんのものだとわかった。

 学校内からの悲鳴に、私は校舎に入り、坂垣さんの遺体を発見、そこで初めていちと対面した。

 私の口にした"いち"の名に反応し、伊織さんの親友でいじめに加担していた前園さんが逃げ出し、いちは明らかに自力で動き、前園さんを追いかけた。

 私もいちを止めるため、追いかけ、階段から突き落とされた前園さんを庇い、転落。

 前園さんは怪我こそなかったものの、結局急性心不全──原因不明で亡くなった。

いちは現在所在がわからない。ただ、先程のテレビ越しのメッセージ──あれが次なる犯行予告のような気がしてならない。あのメッセージは大地さんが一緒に聞いていたから、交番メンバーにも伝えてくれるはずだ。

 前園さんを庇って落ちた私は一日半、意識がなく、全身打撲、要安静を厳命されている。頭部からの出血が実はあまり打ち所がよくなかったらしく、明日、検査を受けないといけない。それを先程看護師から聞いた。

 七瀬も、それを先に言ってくれればよかったのに、と思ったけれど、言われていたとしても、私はいちを探しに行こうとしただろう。

 いちは私にメッセージを送ってくるのだ。それにどうしても、何らかの意図を感じずにはいられない。

 ……と、いけないいけない、これは現状把握のために頭の整理をしているのだ。私情を挟むのは後。

 私は頭を振り、再び分析に移る。

 まず、いちの移動手段は徒歩だと思われる。ただ、断定はできない。箕舟高校の校門前で一旦足跡が途切れていたから。

 次に、いちの殺人動機。これはいち本人の言っていたとおり、伊織さんに対するいじめに起因するものだろう。伊織さんを傷つけた復讐、と彼女は表現していた。新田さんは近所付き合いからか、伊織さんとも面識があったようだ。何気ない一言で伊織さんを傷つけてしまったのかもしれない。

 ん──? そういえば、新田さんを殺した動機をいちは伊織さんの夢を笑ったから、と言っていた。ならば、伊織さんの夢とは何だろう?

 そうだ。先程のテレビ越しのメッセージでも、伊織さんの夢を叶える、と言っていた。その"夢"が何かわかれば、次の犠牲者を予測し、事件を未然に防げるかもしれない。

 でも、伊織さんの夢って何かしら?

 伊織さんの友人なら、何か知っているかもしれないけれど、親友の前園さんは亡くなってしまった。

 いじめがあったという事実からすると、今のクラスメイトに彼女と親しかった人物がいるとは限らない。

 せめて行方知れずの家族の誰かが見つかればいいのだが。

 それに、いちが何度か口にした"ツミタチノヒトカタ"という言葉も気になる。

 と、気になることを挙げ始めたらキリがない。

 何から片付けたらいいだろう? と考えかけて、駄目だ、と自分を制す。大人しくしていなくてはならない。せめて明日の検査が終わるまでは。

 冷静になろう、といつものように頭を振る。──そのとき、視界がぐらりと揺れた。

 体が意思に反して横に倒れていく。まずい、ベッドから落ち──



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