表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却の都市  作者: HANA
静寂の裂け目
58/152

『忘却の都市』 静寂の境界線

白。

目を開けると、天井は白く整っていた。

規則的に響く電子音。

静けさと薬品の匂いが漂うこの空間は——医務室だった。

思考が、すぐには追いつかない。

次第に、身体の節々に痛みが戻ってくる。

特に、脇腹——鋭い痛み。

それでも、意識はある。

まだ——生きている。

(ここは……)

ぼんやりとした視界の中、戦いの記憶が断片的に蘇る。


——仮面の人物。 ——限界まで追いつめられた自分。 ——通じない攻撃。 ——そして、城戸隊長が来てくれて——


意識が朦朧としていたが、隊長に吹き飛ばされた人物は仮面が割れていた。

その下から現れた顔は、懐かしくて、信じがたかった。

(……あれは、やはり…小林……副隊長……?)

かつての記憶。なぜあの人があの場にいたのか理解出来ない。

扉の前にいた隊員はどうなった? 城戸隊長は……? 霧崎は、無事?

問いが次々と浮かぶ。けれど、頭が追いつかない。


「……目が覚めたか。良かった。」


部屋の隅から、小さな声が聞こえた。

ふと視線を向けると——そこには、霧崎が静かに立っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ