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忘却の都市  作者: HANA
揺らぎの中心で
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『忘却の都市』 都市警備隊隊長

JACに到着すると、受付の職員はすでに事情を把握している様子だった。

「こちらへどうぞ。」

その言葉に従い、先日説明を受けた部屋よりも、さらに奥へと案内された。

扉の前で一瞬だけ息を整える。

ノックをして——ゆっくりと開いた。


室内には夏希が座っていた。

そして、その隣に——見知らぬ白髪の男性がいる。

「お、来たね。」

夏希が軽く手を上げる。

夏希は椅子から立ち上がり、俺と白髪の男性を見渡した。

「こちら、都市警備隊隊長——城戸キド マモル隊長。」

紹介の言葉。

その名を聞き、すぐに姿勢を正した。

「霧崎凛です。よろしくお願いします。」

できる限り礼儀正しく、落ち着いた口調で話すよう努めた。


城戸はその様子を見て——ふっと笑った。

「そんなにかしこまらなくてもいいよ。」

霧崎は一瞬、目を見開いた。

「……?」

「見ての通り、肩書きだけさ。」

城戸は飄々とした口調で言う。

その言葉に、夏希がすかさず反応した。

「何をご謙遜を。まだまだ現役ですよ。」

柔らかい笑みを浮かべながら言う。

そのやり取りを見ながら、ふと気づく。


——夏希の表情が、いつもと違う。

普段の飄々とした態度ではなく、どこか本心から素の姿を見せているように感じた。

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