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22話 王位継承者

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皆様ありがとうございます!!


後編です。

続きのため夜中に一気に書き終えたので朝方更新させていただきました。

よろしくお願いいたします。


今までのあらすじ

砦攻略のためのアイディアができました

 偽王軍最大の軍事拠点ギーマン砦。

 ここの攻略が今後の反乱に大きな影響を与える。


 迅速に落とせればよし。

 残すは都だけだ。


 では時間がかかれば?

 所詮は寄せ集めの反乱軍、空中分解するかもしれない。

 日和見連中が寝首をかこうとしてくる恐れがある。

 最悪、他国が混乱に乗じて攻めてくるかもしれない。


 もちろん偽王側が根負けして降伏する可能性もあるにはある。

 だが時間が味方かどうかは誰にもわからない。

 だから、俺達は確実な方法を目指す。


 そのために、力を貸してもらおうじゃないか。

 我らが()()に!




「秘密通路については我々も検討を行いました」


 ミサゴとハイロの登場後、ジェンガとボードにも声をかけて話し合いを始めた。

 カルサの自室に長居すると怖いので、場所は俺の部屋だ。

 一応反乱軍総司令なので部屋も広いし来客用の椅子や机もあってちょうどいい。

 ミサゴなんて早速ハイロが淹れたお茶飲んでくつろいでいる。


「問題点は2つあります

 1つ目は秘密通路は公然の秘密であり、偽王も知っていると考えられることです

 よって、おそらくすでに封鎖されています

 よしんば残されていても、我々をおびき寄せるための罠でしょう」


 カルサもお茶を飲んでいる。

 しかもお茶菓子を要求していやがるぞ。

 お、あのお菓子美味しそう。


「2つ目の問題、これは秘密通路からの侵入が成功しても、門を開く困難だということです。

 ギーマン砦の門は非常に大きく重い

 少人数では開けることすら困難で、なおかつ秘密裏の対応は不可能です

 門を開けている間に潜入部隊は殲滅されるでしょう」


 俺もお茶を飲んでみる。

 ハイロのお茶もなかなかうまい。

 そしてお茶菓子もうまい。


「カルサ様の魔法のお力があっても、可能性は低いままと言わざるをえません

 秘密通路は敵が存在を知っていて罠がある場合、霧は意味をなさないでしょう

 そして開門、こちらも霧だけでは実現することは困難です

 霧で姿を隠せても門を開ける音は隠せません

 すぐに邪魔が入り、開けきるまでに侵入部隊の全滅は必至

 突入した部隊はそのまま砦内に取り残され、こちらもそのまま殲滅されるでしょう」


 飲み干したカップにお茶のおかわりが注がれる。

 このカップ、高いものなんだろうか?

 こんなこと元の世界じゃ気にもしなかったよ


「しかしカルサ様が濃霧の魔法をも使いこなすほどの使い手とは感服いたしました

 天候魔法は時に戦の勝敗を決するほどの力を持つもの

 今回は残念でしたが、必ずや我々の大いなる助けとなっていただけるでしょう」


 カルサは「そんなことないわ」と謙遜してるが嬉しそうだ。

 二杯目のお茶を飲み始める俺に、ボードが迫る。


「で、お館様、いかなる策を思いつかれたのでしょうか?」




 俺の「秘密通路使って砦に侵入して門を開け、カルサの魔法で濃霧を起こしてそのまま一気に制圧する大作戦」は完全に否定されてしまった。

 カルサに説明してもらったため一見俺はノーダメージ。

 しかし実際は自分の案が否定されて致命傷。

 しゃべらなくていいようずっとカップを口をつけてる。


 どうしよう。

 偉そうにみんなに集まってもらったのに、たった今採用不可になった案を思いついてましたなんて言えない。


 焦る俺を尻目に、ミサゴが優雅に立ち上がる。

 そのまま俺の後ろに立ち、肩に手を置く。

 なんだろう?肩たたき?



「リクよ、ここから先は私に任せてもらおう」


 ミサゴが力強く、決意のこもった口調で話し始めた。


「これより話すことは、我が国の秘中の秘

 王位継承者のみに語り継がれること

 ハイロはもちろん、叔父上も知らぬ」


 皆の視線が俺の後ろに立つミサゴへ集まる。

 俺が注目されてるようで居心地が悪い。


「秘密の通路は目くらましよ

 本命を秘すための餌であり、叔父上も当然知っておる

 ハイロも知ってるであろ?」


「はい姉上

 存じ上げております」


 ハイロが説明するには、秘密の通路の入り口は砦の都側と逆側、つまり我々の陣地側の両方にある。

 そこから砦の中に入れるようになっているわけだ。

 まあ、偽王が知ってるということはそこはもう罠だらけだろうな。


「うむ。しかし実際は、その通路の存在こそが罠なのだ」


「罠、ですか?」


「そうだジェンガ

 おぬしも知っておったのであろ?

 秘密の通路の存在を」


「はい。詳しい場所までは存じておりませんでしたが、存在してることは間違いないと

 公然の秘密となっていました」


「私も大臣だったころ聞いたことがあります

 王族どころか将軍・大臣も知っているようでは、程度の低い秘密と言わざるを得ませんね


 将軍や大臣で程度が低いって…。

 王国の王族ってやつは、やっぱ格が違うな。


「姉上。つまり王族ですらも知り得なかった、さらなる秘密があるということでしょうか?」


「その通りだ

 妾は父上が身罷られる直前に教えていただいた

 …すでに死期を悟られていたのであろうな

 幼い妾は父上との旅行だと考えておったよ

 ギーマン砦を守る兵士の慰問との名目で向かい、そして教わったのだ」


 ミサゴの語りが止まる。

 皆息を呑みながら次の言葉を待っている。


「砦を崩壊させる方法を」




 国防の要にしてまさに最後の砦であるギーマン砦。

 そこを崩壊させる方法?

 どうゆうこと?

 俺の心の中の疑問に対し、ミサゴが回答してくれる。


「我が国の初代国王は国を守るためにと砦の建設を開始された

 ここが健在な限り我が国に敗北はない

 そのような決意を持って作られた砦こそ、ギーマン砦である」


 ミサゴが俺の後ろからみんなの中心に移動する。


「鉄壁と謳われ、事実外敵の侵入から常に我が国を守ってきた誇りある砦

 まさに建国王の偉大さを体現されたものであろう

 しかしだからこそ、現在のように逆賊に都を奪われたらどうなるか?

 ギーマン砦が逆賊を守る要となったらどうなるか?

 そのことを懸念されたのである」


「姉上、それが先の言葉につながると?」


「いかにもである

 逆賊が都を占領し、ギーマン砦を支配した時

 鉄壁の盾が王国の正統に牙を向いた時

 その時のための奥の手が準備されたのだ」


 ミサゴがその豊かな胸元を大きく開き、そこから一つの鍵を取り出した。

 …やっぱりでかいな。


「これこそ、その奥の手

 我が国の正統なる王位継承者にのみ受け継がれし鍵である」


 皆が息を呑んでそれを鍵を見つめる。

 俺は鍵を出てきたところをちらちら見てしまう。


 ん?ミサゴが近づいて来たぞ。

 勢いよく俺の両肩に手を乗せて…痛い痛い痛い!

 すごい力で締め上げてきた。

 変なとこ見てごめんなさい。



「リクよ、礼を言うぞ

 妾にこの鍵を使う機会を与えてくれたことを」


 え?どゆこと?


「ミサゴ様、それはまさか…」


「ボード、お前の考え通りである」


 ボードが「な、なんと!」って驚いてる。

 おいおい、俺にも教えてくださいよ。


「ボード、どうゆうことなんだ?」


 ジェンガ偉い!

 よく質問してくれた!


「ジェンガ…。いや、わからないのが普通か

 つまり、()()()()()()()()()()()()()()


「それはまさか、秘密通路の欺瞞、砦の真の秘密、そしてそれが王位継承者にだけ受け継がれていること…

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!?」


 ジェンガが驚いてる。

 俺も驚いてる。

 カルサは呆れてる。


 ボードが頷き、それに合わせるようにミサゴが続ける。


「その通りである

 その上で、妾が父上より受け継ぎしこの鍵を使う、絶好の機会を与えてくれようというのだ」


「そなたの頭脳ならば鍵なしでもギーマン砦を落とせように…」とか言ってる。

 無理です。


「姉上、ではこの本陣を動かすという指示もそれにつながっていると?」


「間違いなかろう

 リクよ、そなたは妾たちの帰還に時間がかかることを見越し、合流までの時間稼ぎとしてギーマン砦への進軍を命じたのであろ?

 妾はむしろそなたが自分の策でギーマン砦を落とす前に合流せねばと急ぎ帰ってきたため、少し予定が狂ってしまった

 ある意味そなたの予想を上回ったというわけだ

 妾のこの鍵への執着、見誤っていたようであるな?」


 ミサゴが嬉しそうに笑っている

 父親から受け継いだ鍵を大事そうに握りしめながら


 そしてごめんなさい。

 時間稼ぎの部分しか合っていません。




「さあ皆の者、行くぞ!!」


 ミサゴの号令に続いてみんなが部屋から出て行く。

 残ったのは俺とカルサの二人だけ。


 そのカルサもお茶菓子を食べ終えお茶を飲み干し、後片付けを手伝ってくれてから部屋を出て行こうとする。

 去り際に一言。


「兄様、一言もしゃべらなかったわね」


 その通りです。

リクはひたすらお茶を飲んでお菓子を食べていただけでした。

リクが語り手のため会話に参加しなくても気づきづらいですが、カルサにはバレていましたね。


次回は幕間にしようかと考えております。

おそらくボード視点になります。

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