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10話 家庭内の地位向上

2000PV達成いたしました!

1000のときよりよペースが上がっています。ありがとうございます。


今までのあらすじ

盗賊団と思ったら王女様と王子様でした

 村長の家において俺はずっと最底辺であった。


 村においての地位は上がったが、我が家には村のTOP2がいる。

 残るはカルサ。しかして彼女は俺の仕事を手伝うというか代わりにやってくれてくれているお方。

 頭が上がるはずもない。



 しかしそんな時代もついに終わりを迎えた。

 我が家に新しい居候、つまり俺の後輩が増えたのである。

 仇討ちの姉弟、ミサゴとハイロの二人が住むことになったのである。


 二人の目的は先王の仇である叔父を討つこと。

 要は今の王様への反逆であるわけだが、懐が深すぎるうちの村長はあっさりと二人を迎え入れた。


「親の仇討ちたぁ、最近の若いもんにしては立派なもんじゃないか

 あたしは根性あるやつは大好きだよ。好きなだけここに住むといい」


「かたじけない。妾はいまや流浪の身ゆえなんの恩返しもできず恐縮である

 しかしこのミサゴ、受けた御恩は一生忘れぬ。いつか必ずや返すと父祖に誓おう」


「本当にいい女だねえ。あんたの父親の若い頃にそっくりだ」


「ルゥルゥ殿にそう言っていただけるとは、何よりの褒め言葉だ

 今後共どうかよろしくお願いする」


 ルゥルゥとは村長の名前である。

 かわいすぎだろ!と思ったが、若い頃はアルカなみに美人だったらしいので仕方がない。

 誰でも老いはするのだ。悲しい現実だ。


 そして実は村長は若い頃、王子だった先王と一緒に冒険してたらしい。

 どこまで経験豊富なんだこのばあさん。

 王族や異世界人に美人の治癒魔法使いって、完全に勇者一行だよ。

 もしかしたら神様に会って魔王退治してたりしてたんじゃねーのか。



 そんなこんなで二人は一緒に住むことになった。


 色々環境の変化もあってたいへんだろうし、ハイロがまた甘やかすんじゃないと心配していたが


「どうしたハイロ?早く食べさせてくれ」


 二人が来て初めての食事の折、ミサゴは箸に手をつけないなと思ったらとんでもないこと言い出した。

 え?今までずっと食べさせてもらってたの?弟に?


「いえ姉上、もうあーんはいたしません」


「な、何い!?

 な、ならば妾はついに、その箸とやらに挑戦せねばならぬというとか…?

 ハイロ、いったい何があったというのだ」


「…姉上。姉上はこんな諺はご存知でしょうか?

 獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす


「いや、聞いたことがない言葉だ」


「大賢者様が残された言葉だねえ

 獅子というのは大賢者様の故郷にいた、それはそれは立派な百獣の王と呼ばれる生き物だそうだよ

 偉大な王は愛する我が子だからこそ厳しい試練を与える

 そしてその試練を耐え抜いた者が偉大な王の後を継ぐ

 そんな意味さね

 それを知ってるたあ、さすが王子様は博識だ」


「とんでもございません。私も人から教えていただいた身

 浅学さに恥じ入っていたところでございます

 姉上、わかっていただけましたか?」


「もちろんだともハイロ!

 そなたの想い、確かに受け取った!

 そなたの姉は試練などたやすく食い破ってくれようぞ!

 まずはこの箸からだ!!」


「お見事です姉上!!」


 色々つっこみたいが、とりあえずは大丈夫そうだ。

 しかし初めての食事で箸をマスターするあたり、ミサゴは優秀なのかもしれない。


「箸程度、妾にとってはまさに朝飯前だ!

 ふはははははははははは!!!」


「お見事です姉上!」


 しかしうるさいのは問題だ。

 あ、カルサに怒られてる。



 カルサに俺が適任(暇人)と、村の案内役を頼まれた。

 家庭内ヒエラルキー上俺に拒否権はないので、二つ返事で了承した。


「民草の暮らしというのは初めて見るぞ!」


 ミサゴは何もかもが珍しそうだ。

 川で洗濯する女たち、畑仕事をする男たち、獲物をかってきたアルカたち、みんなに話しかけては質問攻めにしている。


「やはり叔父上に代替わりしてから、税が上がり皆の生活が苦しくなっているのだな…」


 さっきまであんな元気だったのに、ずいぶん気落ちしている。


「まあ、だからお前が今の王様倒して後を継ぐんだろ?

 がんばれよー」


 適当に返す。なにせ他人事だ。


「?妾は王位など継がないぞ?」


 意外な返事が来た。


「え?お前が王位継ぐために今の王様倒すんじゃねえの?」


「お前は何か勘違いしているな。そもそもついこの間までは妾が王だったのだ」


 王様?今俺の隣で歩いているこいつが?


「まあ、記憶喪失のお前なら知らなくても無理はないか

 父上がなくなってすぐ、私は王位を継いだのだ。そしてすぐ、叔父上に保護の名目で幽閉された

 妾は無知だったのでな。叔父上がしてくれることは全て妾はのためだと思っていたよ

 ハイロは気づいていたようだったが、妾が止めてからは何もしなくなった」


「ハイロはあれでなかなか頭が切れるからな

 裏で色々動いてくれてたろうに、もったいない」


「うむ。返す言葉もないぞ!」


「それにしては偉そうだ」


「妾は前向きなところが取り柄だからな!父上にも褒めていただいたぞ!

 ミサゴはいつも元気だとな!

 ふははははははははははははは!」


「…それ、事実を述べてるだけで褒めてなくね?」


「細かいことは気にするな!

 まあ、そういうわけで愚かな妾は叔父上にいいように扱われ、父上の忠臣をむざむざと失い、ついには王位を簒奪されて王族からも都からも放逐されたのだ

 そんな愚かな妾に王位を継ぐ資格があるかと思うか?」


「いや、俺にはわからんが…

 それを決めるのはなんというか、民じゃないのか?」


 ミサゴは破顔した。

 やっぱこいつ美人だな。性格と頭がちょっとあれだが。


「そのとおり!王は民がいるから王なのだ!

 そして次に王位を継ぐのは民に求められる者であるべき

 妾はな、今の自らの使命は次の王にふさわしい者を見つけることだと思っているのだ

 それがまだおめおめと生き恥をさらしている理由である

 …まあ、ちょっと前までは怒りで我を忘れて目的も方法も見誤っていたがな」


「過程はどうあれ、そんな答えにたどり着いたお前を、俺は立派だと思うぞ」


 こんな中世ぐらいの世界観でずいぶんと先進的な考え方だと感心する。

 自分がだめでも血統は大事と、ハイロを王にでもするのかと。


「お前が選ぶ男はどんなやつなのかね」


「まるで妾の夫を選ぶような口調だな」


「確かに。お前が選ぶ王はどんなやつなのかね、だな」


 楽しみにしているがよい!とミサゴは笑う。



 その笑顔を見て俺も手助けしてやってもいいかな、と思った。

 これがカリスマってやつだろうか?俺には縁遠いものだ。

しばらく日常編が続きます。

それぞれのキャラを好きになっていただけますと嬉しいです。

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