北より来たる悪鬼
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コーネリウス大公領――
アドラ王国南部を実質的に支配しているコーネリウス大公が治める土地で、王国の南にあるイグニス帝国との国境を有する。
なんか、そんな感じらしいとジーク君が言っていた。
俺も昔習ったような気がするんだけど、忘れちゃったので仕方ないよね。
コーネリウス大公領とイグニス帝国は細長い地形の陸地で繋がっていて、その陸地をコーネリウス回廊と呼ぶとか。で、コーネリウス回廊はその細長い陸地を横切るようにコーネリウス山脈があり、山越えをしなければ、互いに行き来は不可能なんだとさ。コーネリウスって名前が付くのが多すぎだろ、馬鹿じゃねぇの?
まぁ、それは置いといて、その山脈のおかげで、イグニス帝国はアドラ王国を侵略するためには多大な労力が必要だとかで、積極的には侵略できなかったんだって。
危うく、回廊なんか無視して、海を渡ってくればいいじゃんと言いそうになったけど、南部沿岸の陸地は切り立った崖のようになっているせいで、船をつけられないって、ジーク君が言葉を続けてくれたので恥をかかずに済んで良かった。ついでに、南部の近海には強い魔物が住んでいるせいで海を渡るのは自殺行為だとか。
まぁ、コーネリウス大公領に関しての情報はこんな感じみたい。
うーん、西はガルデナ山脈で南はコーネリウス山脈と海で隔てられているのか、都合よく国境が決まっていて気持ち悪い。つーか、こんな地理だと外から人が来れなさそうだし、アドラ王国だけ切り取られた世界みたいで変な感じがして嫌なんだけど。
まぁ、住んでる土地をおかしいといっても仕方ないし、我慢しよう。
俺がどうでも良いことを考えている内に、俺を先頭にした冒険者は五日でコーネリウス大公領に到着した。
前に王都から南部のヴィンラント子爵領に向かった時は二週間くらいかかったような気がするけど、今回は強行軍だったせいで、かなりの時間短縮が出来たようだ。
まぁ、急ぎすぎたせいで、アークス伯爵家の兵士は置いてきぼりにしてしまったんだけど、冒険者がいるし、なんとかなるだろ。ウチの冒険者は西部で散々馬に乗ったから乗馬は上手だし、馬も西部の良質な軍馬だから、移動能力に関しては伯爵家の兵士とかとは比べ物にならないんだよね。
「これから、どうするんだい?」
グレアムさんが馬を寄せてきながら俺に聞いてくる。俺に聞かれてもなぁ、グレアムさんの方が良く分かるだろうし、任せたいんだけど。
うーん、なんか地図を見せてきたんだけど、俺にどうしろっての?
「ここに来るまでの噂だと、南部の貴族はコーネリウス大公の指揮の下で連合軍を結成して、山脈付近で戦闘をしているようだから、そこに向かって合流するかい?」
ん? 俺に聞いてんの? えーと、どうして合流する必要があるか分からないんだけど。思ったことを言っていいなら――
「合流する必要はないな」
疲れちったから、少し休みたいんですよね。つーか、勝った負けたがハッキリしてから合流しようぜ。
なんか、南部の人も頑張ってるみたいだし、俺らがなんかする必要ないよ。それに行っても嫌な顔されるんじゃない? 南部の人って田舎者だから、感じ悪そうだしさ。
みんな微妙な顔してるけど、俺の気持ちも分かって欲しいもんだ。
「おい、誰か来るぞ」
オリアスさんが何かを発見したようです。面倒くさいし、疲れたから早く休みたいんだけど仕方ない。
えーと、やって来たのは、どっかの貴族さんと家臣の騎士かな? 戦に敗れて、敗走の最中って見た目だけど、どこで何をしていたんでしょうか?
「何者だ!」
「そっちが先に名乗れや!」
うわぁ、ガラ悪いんだけどオリアスさん。もっと平和的に行こうぜ。つーか、魔法の発動準備を整えてるじゃん。仕方ない、ここは俺が自己紹介して場を和ませよう。
俺は貴族っぽい人に近づきつつ――
「アロルド・アークスと、その手勢百名だ。国王陛下からの命により、南部貴族へ加勢するために来た」
「加勢だと? 随分と早い到着だな」
おや、褒められてしまいましたよ。
「今更、加勢などしたところで無駄だ。見た所、身なりからして相当な身分のようだが、さっさと帰るべきだな。この戦い、王国に勝ち目はない」
早い到着なのに無駄とか意味が分からんよ。早く来たなら、まだ大丈夫なんじゃないの? ちょっと聞いてみるか。
「どういうことだ?」
「どうもこうもない。帝国の奴らの使う奇妙な武器に徹底的にやられたのだ。奴らの火を噴く筒によってな」
いや、俺が聞きたいのは、そういうことじゃないんだけど。
「帝国の兵が筒をこちらに向けると轟音が鳴り響き、筒が火を噴き、我が方の兵が倒れる。何が起きたのか、私には全く分からん。耐える者もいたが、そのような者達は、帝国の騎士に討たれていき、味方は総崩れ、私と家臣も敗走の最中だ」
いや、だから、そういうことは聞いてないって。
「あの火を噴く筒さえなければ――」
ん? どうしたんでしょう、貴族っぽい人が目を見開いて固まってしまいましたね。視線の先にあるのは、冒険者の持つ銃だけど。どうかしたんだろうか?
「形は多少違うが、間違いなくあの兵器……こやつら帝国の者か!? 我らをたばっかたということか!」
なんか、貴族の人と家臣の騎士が、剣を抜いたんですけど、頭おかしいのか? 冷静になって状況を考えてみようよ。
「ここで死ぬわけにはいかん!」
貴族っぽい人が馬を駆り、俺に近づいてくる。
殺る気マンマンみたいだし、仕方ないね。もともと、脱走兵みたいなものだから、どのみち殺すつもりだったんで、それがちょっと早くなっただけだと思えば。
俺は騎乗しているドラウギースの腹に軽く蹴りを入れる。ドラウギースは、煩わしそうに息を吐き、前へと走り出す。
一瞬で相手との距離が縮まる。そして、すれ違う直前ドラウギースは大きく口を開けて、貴族っぽい人が乗る馬の首筋に噛み付いた。
ドラウギースは噛み付いたまま首を振る。当然、首を噛まれている馬も振り回されるわけで、馬に乗っていた貴族の人はとっくに振り落とされている。ドラウギースは首を振り、落馬した貴族に向かって、噛み付いた馬を叩きつけた。
何かが潰れるような音がしたので見てみると、貴族っぽい人が馬の下敷きになって死んでいた。ついでに馬も死んでいる。
家臣の騎士が何かを叫び、向かってくるが、ドラウギースが蹴り飛ばすと騎士の頭部が弾け飛んだ。
俺が何もしなくても敵を片づけてくれるから、楽で良いね。俺がドラウギースの首筋を撫でると、ドラウギースも多少機嫌が良くなったのかいななきを上げながら、殺した相手の所へと向かって、死体を食い始める。
馬の癖に肉食だし、好物が人肉とかいう凄まじい偏食だが頼りになる良い馬だ。
「絶対に馬じゃない……そいつ、絶対に馬じゃない……」
ジーク君が何か言っていたけど気のせいだろう。
最近は夜中にじゃれあう程度には仲良くなったようだし、そんなジーク君が変なことを言うはずないよな。
「殺して良かったのか?」
「一度逃げた奴らだ。味方にしても、また逃げ出すだろうから必要ないな」
オリアスさんが質問してきたので親切な俺は答えてやった。
あと、今思いついたんだけど、逃げ出す奴を見逃すと残った奴も逃げ出すことを考えそうだから、ちょっと厳しくしておいた方が良いっていう考え方はどうだろうか? なんか、それっぽいような気がすると思うんだけど。
「厳しいねぇ」
「単に逃げるなってだけだ。それぐらいはやってもらえるようにならないとな」
まぁ、俺は危なくなったら逃げると思うけどさ。流石に死ぬまで頑張るのはちょっと嫌だし。とは言っても、それなりには踏みとどまろうとも思うけど。
「で、これからどうする? 負けてるらしいから合流するか?」
えー、なんで負けてる奴らと合流せにゃならんのよ。なんか悪い運気を呼び寄せそうだから、ちょっと距離を置きたいね。
つーか、思ったけど、こっちから会いに行かなくても、南部の人達は負ければ、どんどん後ろに下がるんだし、ここいらで待ってりゃ良くない?
「この辺りに拠点を用意し待つ」
イグニス帝国は北へ上ってくるから、そのうち俺達がいる場所まで来るだろうし、南部の人らは負けてれば、どんどん北へ逃げてくるから、俺達に合流することになる。うん、わざわざ南に行く必要ないな。敵は来るし、味方も来るんだから、問題なしじゃん。
我ながら、結構アリかもしれん。しかし、なんで俺が決めてんだろうね、俺としてはグレアムさんに任せるつもりだったのにな。
「とりあえず、どっか村とか探そうか。少し休まないといけないしねぇ」
うーん、細かく人をまとめてくれるのは有り難いんだけど、もっと大きな仕事をやって欲しいんだけどな。俺、良く分からんのに決めてるしさ。まぁ、困ったことがあったら、よろしくすればいいや。
あ、そうだ、気づいたんだけどさ――
「村や町を見つけたら略奪をしておいた方がいいな――」
数時間後、とある村にて――
うーん、困ったぞ。適当な村があったから、略奪しようと思ったのに、先客がいました。
「俺達は南部大公家の兵士で――」
「知るかボケ! 今のテメェらは盗賊だ、死ね!」
いやぁ、オリアスさんのガラが悪いです。意外に好戦的なんだよね、この人。
今、俺達は、村を占拠してる南部連合軍の脱走兵とにらみ合いの最中です。なんで、こんなことになっているかというと。別にたいした理由は無く、略奪しようと思った村に、敗走の最中に盗賊に身をやつした兵士の集団がいたってだけです。
「面倒だ。斬り込むぞ」
俺は竜槍ゾルフィニルを手に、ドラウギースの背にまたがると、その腹を軽く蹴って走り出させる。
「おい、こっちには人質――」
人質がどうなろうが、お前が死ぬことには関係ないだけど、何を言ってんのかね。良く分からんし、面倒くさいので、俺は馬上から竜槍で脱走兵を薙ぎ払う。
最前列にいた脱走兵数人が弾け飛び、一瞬で肉塊になった。先端に数十キロの重りがついた棒の直撃を食らったら、そうなるよね。仕方ない。
味方が肉塊になったのに驚いたのか、脱走兵の動きが止まったので、俺は槍で手近な位置にいた兵士を突き刺す。
ちょっと加減を間違えて、三人ぐらいまとめて貫いてしまった。穂先が長剣並みの長さがあるせいで、うっかりすると、こうなるんだよね。
流石に三人分の死体が刺さったままの槍はそのままでは振り回せないので〈ブースト〉の魔法を発動させ、身体能力を強化することで振り回せるようにする。
俺は脱走兵が刺さった槍を軽く振り回す。すると、穂先に刺さった脱走兵たちが抜けて、飛んで行った。
「ひっ」
結果的に俺が放り投げた形になった脱走兵の死体は、脱走兵の頭目らしき男へと飛んでいき、驚いた頭目は、人質の傍から離れてしまった。
「よし、撃て」
すかさず、グレアムさんが冒険者に発砲を命じ、人質から離れてしまった脱走兵の頭目と、その他の脱走兵は全員が銃弾を受け、蜂の巣となった。
「もう少し、色々と試してみたいところなんだけどねぇ」
グレアムさんは自分も銃を使ってみたようだけど、銃を撃つより剣を使った方が強いと思うよ。だって、俺達、飛んでくる銃弾とか目で見えるじゃん。
グレアムさんは薬莢を排出するために、銃を中ほどから折り薬室を露出させ、そこから薬莢を取り出す。
えーと、なんだっけ、誰かが言っていたけど、中折れ式シングルショットライフル?
良く分からんけど、定義するとそういう名前なんだとか、確かグレアムさんとかオリアスさんと仲の良い異国人が言っていたような気がするけど、まぁ、どうでもいいか。
最初から実包なのはおかしいとか言ってたけど、俺達からすると、なんで火生石の粉末を直接銃身に入れるなんていう頭のおかしい発想が出てくるのか意味が分からないんだけど。
後、弾丸の形状が既に完成されてるのはおかしいとか言ってたけど、魔法使いからすれば、球体を飛ばすより、細長く少し尖った形にした方が体感的に命中しやすいってのは常識なんで、球形にしようなんていう考えは最初から無かったみたいだしさ。
まぁ、良く分からんけど、結構完成された物みたい。夢の中で出てきた物だけども、現実に再現できるものだったようで、少し驚きだ。
おっと、余計なことに思いを馳せていたら、村長さんが近くに来ていたようだ。俺に何の用だろう?
「この度は村を救っていただき感謝の言葉もありません」
ああ、お礼の話ね。別に良いのに。
「お礼を差し上げたいのですが、生憎、田舎の村でして、差し上げられるような、物などは――」
「ああ、それに関しては気にする必要はない」
俺がそう言うと、村長さんはキョトンとした顔で俺を見る。良く分かって無さそうなので、俺は分かりやすく言ってやることにした。
「大丈夫だ。根こそぎ貰っていくのだから、そちらは気にする必要はない。俺達に任せておけ」
俺の言葉を聞いた村長さんの顔が青ざめたけど、風邪でも引いたのかな? お大事に。じゃあ、俺達は略奪させてもらうんで、また後で――
それから、いくつかの村や町を巡って色々と頂いた。ガッポリガッポリですね。ちょうど秋で収穫期と重なっていたのか、村や町には食糧がたんまり、ついでに取引のための金貨や銀貨もザックザク。
「うう……」
「儂の村が……」
「私の町が……」
俺達が略奪した村や町の代表が俺に対して恨めしそうな表情を向けながら、後ろを歩いてくる。
「どうせ、あのままだったら、イグニス帝国に奪われていたのだ。どうせ無くなるものならば、俺達が回収して何か問題があるか?」
イグニス帝国が攻め上がってきたら、奴らに略奪されるので、それを避けるために、俺達が先に略奪しといたんだけど、色々と不満が多そうで困った。イグニス帝国の奴らに食糧とか奪われるのは嫌だし、金銀財宝で奴らの懐が潤うのは面白くない。むしろ、俺が貰った方が良いと思うんだ。
ああ、あと、国を守るための戦争なのだから、皆で協力するのは当然なので、蓄えを差し出すのは国民の義務であるとか思いついたんだけど、どうでしょうか?
あ、その理論だったら、こいつらを馬車馬のように働かせても、国のためって理屈になるかも。これはあれだね、国のためって言えば何でも通るんじゃないかな? もしかして一考の余地がある事柄なんじゃないかな?
うーん、『総力戦』という言葉が頭をよぎったけど、まぁたいしたことじゃないね。
まぁ、それは置いといて、村人とか町人に関しては、彼らの食糧を全部貰ってきてしまったので、そのままじゃ生活できないだろうから、俺達と一緒に行動させているのだけれど、俺に対しては色々と思う所があるようだ。悪いことはしてないと思うんだけどなぁ。だって、放っておいたら、間違いなく滅ぼされちゃうと思うんだけど、違うんだろうか?
食糧に関しては、ちゃんと買い取ったし、彼らの資産も押収して軍資金にするけど、あとで、王家が補填するっていう誓約書も書いたんで、我慢して欲しいんだけど。
王家からの勅書も見せて、俺の権限に関しても理解してもらったから大丈夫だと思ったんだけどなぁ。こうなったら、とりあえず王家が悪いってことにしよう。王家がキミらの財産を使えって言ってたことにすれば、俺は恨まれなくなるんじゃないかな。今から、そういうことにしておこうっと。
「師匠、見えました。砦です」
ジーク君の呼びかけで、俺は現実に引き戻された。ジーク君の言葉の通り、目の前には砦が見える。
うん、あそこを当座の拠点にしよう。これでも、一度砦で暮らしていたから、砦には五月蠅いんだぞ。
「何者だ!」
砦に近づいたら、大声で呼び止められた。しょうがない、名乗るか。
「アロルド・アークスである! 王命により助勢に参った!」
「知らん、そんな話は聞いていない!」
そりゃそうだ、俺も話すの初めてだもん。でも、融通を効かせてくれるってのも必要だと思うんだけど。うーん、ここは少し強気に攻めてみるか。
「門を開けよ! 開けねば押し通るぞ!」
「なんという無体! そのようなことを申す輩を招き入れるわけにはいかぬ!」
うわ、面倒だな。入れないと今日の宿が無いんだよね。ここまで、俺達が連れ歩いている村人とか町人は野宿だったし、ちゃんとしたところで休ませたいし――
「面倒だな。オリアス、大砲で城壁に穴を開けてやれ」
「いいのか? 味方だぞ?」
「協力してくれないのなら、味方ではないだろう。問題ない」
色々と考えるのが面倒なので、オリアスに命令して、大砲を撃たせる。
砦を囲む壁は数発の砲弾で簡単に崩れた。壁が崩れるなり、砦を守っていると思しき指揮官がすっ飛んできて、泣きそうな顔で俺に頼み込む。
「お互い誤解があるようなので、ここはどうか、今一度話し合いの機会を……」
俺は面倒なので、国王陛下の勅書を見せて、俺がどういう立場の人間なのかを教えてやった。
なんだか、指揮官さんの顔色が凄く悪くなっているけど、大丈夫なのかしらね。
「ど、どのような申し開きをすればよいのか……」
「悪いと思っているなら誠意を示せ」
何が悪いのか、俺には分からないけど、向こうが悪いと思っているなら、悪いことやったんだろう。だったら、色々と搾り取らないとな。
「誠意ですか……?」
「ああ、金・人・土地の全てを差し出せば、許してやろう」
何を許せばいいのか分からないけど、良い機会なので貰えるものは全部貰っておこう。
「そ、それでは我々は生きていけません」
「大丈夫だ。貰った物は、俺が公平に分配し、全員が平等に利益を享受できるようにしよう。それならば、貧しさを感じることはないはずだ」
それぐらいやらないと戦争には勝てないぜ。参加する以上は、勝ちを狙いに行くんで、そこんとこよろしく。俺の邪魔をする奴がいたら、ぶっ殺すくらいの意気込みですよ、実際。
「俺が言うことは他にない。そちらが俺の要求を受け入れようが受け入れまいが、どちらにしろ、俺はそちらが有する砦は頂く」
指揮官さんはうなだれていますが、まぁ我慢してください。戦争が終わったら返しますんで。
さて、とりあえず拠点は確保したから、次はどうしようか。
あんまり、好き勝手やれてる実感がないし、もうちょっと大胆に色々とやってみようかね




