大陸人物記
【ヴェルマー王国】
「アロルド・アークス」
ヴェルマー王。アドラ王国の貴族家の一つアークス家の出身であった。
冒険者ギルドの設立。黒竜ゾルフィニル討伐。アドラ王国に侵攻した帝国軍を二度に渡り撃退。滅亡した旧ヴェルマー王国領の探索と調査、そして復興を経てのヴェルマー王国の建国など多大な功績を遺した。
また、エルフとドワーフの同盟からの宣戦布告から始まった亜人戦争において、その強さからエルフやドワーフたちに魔王と恐れられた。逆に協力関係にあったダークエルフや獣人たちからは親しみを持たれており、今日に至るまでの「人間」「ダークエルフ」「獣人」というヒト族の友好関係の礎を築いた人物であるといえる。しかしながら、エルフやドワーフといった亜人族との関係を悪化させ、差別意識を植え付けさせた面もあるとされる。
戦での活躍に対して内政面では華々しい活躍はなかったとされるが、建国したばかりの国家を運営しながらも大きな問題を何一つ起こさなかったことから、近年では内政面でも優秀であったと議論されている。
私生活では口数は少なかったものの、情に篤い性格であったと伝えられており、困難な状況にある者に手を差し伸べることを忘れない人格者であったと今日にも伝えられている。
「エリアナ・アークス」
アロルド王の第一妃。アドラ王国のイスターシャ公爵家の出身であったと伝えられている。
アロルド王の妻であり、絶世の美女であったとされる。また、高い知性を持った女性であり、政治にも関わったとされるが、女性の政治参加は現代においても課題とされるような事柄であり、当時の文化水準では女性が政治に参加することは不可能であったため、政治に参加したという情報は創作の可能性が高い。
しかしながら、社会福祉の充実において重要な役割を果たしたことは事実であり、それを讃える石碑も残っていることから慈悲深い女性であったことがうかがえる。
「カタリナ・アークス」
アロルド王の第二妃。聖神教会に仕える修道女であったと伝えられている。
人物についての詳しい資料は残されていないものの、当時アドラ王国で衰退に陥った聖神教をヴェルマー王国にて再興させた人物とされる。
「キリエ・アークス」
アロルド王の第三妃。アロルド王に仕える魔法使いであったと伝えられている。
今日にも残る魔法技術の開発者であり、アロルド王の四人の王妃の中では最も有名であると言える。
どのような人物であったかを明らかにするような資料は無く、どのような人物であったか詳細は不明であり、解明が待たれている人物である。
「ヒルダ・ソフィエル」
アロルド王の第四妃。アドラ王国のソフィエル家の出身であったとされる。
当時は珍しい女性の騎士であり、今日では演劇のテーマにも取り上げられる人物。
特に目立った功績は無いものの、アロルド王と一緒にいる場面が記された資料が多いことから、最も寵愛を受けていた女性であるという説がある。
「オリアス」
ヴェルマー王国の宮廷魔法使い。
魔法使いとして極めて優秀な人物であり、アロルド王の側近として多くの戦いで戦果をあげた。
研究者としても優秀で、現代にも通じる魔法技術の基礎を築いたことも知られ、年齢を重ねてからは教師として、多くの優秀な魔法使いを世に送り出した。
生涯独身を貫いたことから子孫はおらず、研究以外に彼の足跡を残した物はない。来歴についても謎な部分が多く、アドラ王国の貴族の生まれであるという説も残っている。
「グレアム・ヴィンラント」
ヴェルマー王国の将軍。アドラ王国南部のヴィンラント家の出身。
ヴェルマー王国が関わる戦いでは、どんな戦場にも現れ、王国に勝利をもたらしたとされる。
当時、最高の剣士と謳われ、彼の活躍は今日においても様々な演目となって語られている。
晩年は弟子を取り、自身の剣術や兵法を伝えており、彼から武芸を教わった者たちが新たな流派を興すなどしてグレアムの技や言葉、逸話を後世に伝えたため、その人物像については比較的、詳しい資料が残っているが、その最後は不明であり、ある日、突然に姿をくらまし、それ以降の消息は不明である。
「ジークフリート」
ヴェルマー王国の軍人及び役人。
少年期にアロルド王に見込まれ側近として教育を受けるも、後に決別しヴェルマー王国を離れた。
しかしながら、これは周囲の目を欺くための策略であり、後年にはヴェルマー王国に戻り、様々な役職を歴任する。
アロルド王と決別後の数年間は諸国を放浪し、武者修行の旅を続けるとともにヴェルマー王国の密偵として活動していた。アロルド王との仲たがいは密偵であることを悟られないための策であったと考えられている。
様々な役職を経験し、軍人としても成果を上げたことから文武両道を体現する人物として後世に名を残すが、本人の最終的な仕事はアロルド王の執事長であった。
イグニス帝国にも滞在していたことが有り、その際にライレーリア・イグニスと交流があったという。詳しい資料は残っていないが、結果的にライレーリアの命を救った事件があったようで、そのためにライレーリアから好意を受けていたのだと考えられ、ライレーリアとの間に子を残したという説もある。
「ヨゥドリ・ケイネンハイム」
ヴェルマー王国の宰相。出身はアドラ王国の東にある群島諸国。
アドラ王国のケイネンハイム大公に才能を見込まれて英才教育を受ける。将来はケイネンハイム大公の後を継ぐと目されていたが、ケイネンハイム大公の命で助力に向かって以降はアロルド王に仕えて、生涯を終える。
ケイネンハイム大公ではなくアロルド王に仕えた理由は定かではないが、ヨゥドリが宰相時代に提案した政策の傾向から考えるに、打算的な要素が強かったのだと考えられるが、同時に友人関係がうかがえる資料も多く、その人間性については判断しがたい部分が多い。しかしながら、ケイネンハイム大公家の跡継ぎに目されていながら、それを蹴ってアロルド王の臣下であることを望んていたことから、その本心がどこにあったのか想像できる人物でもある。
「ドラウギース」
アロルド王の愛馬。見上げるほど大きな黒馬であったと伝えられている。
オレイバルガス大公領で偶然出会ったところでアロルド王と決闘になり敗北した結果、乗騎になった。
アロルド王の乗騎として、数多の戦場を駆け抜けたが、アロルド王が戦場に立たなくなって以降は野に放たれる。王の伝説にあやかって自分の乗騎にしようとする者もいたが、それを成した者はいなかった。
野に放たれて以降はヴェルマー王国に生息する野生馬を見境なしに孕ませる乱行を成し、その結果としてヴェルマー王国に生息する野生馬はドラウギースの血を引いた名馬ばかりになった。
「ニーズベル・コーネリウス」
アドラ王国のコーネリウス大公家の出身。
大公家の当主であったが、弟に家督を奪われた結果、アロルド王を頼りヴェルマー王国に亡命する。
ヴェルマー王国に亡命して以降は、ニブル市を中心としたニブル侯爵領を任され、安定した統治を行い、自領を華々しさは無いものの堅実に発展させ、ヴェルマーの国力の安定に寄与する。
故郷のアドラ王国コーネリウス大公領への執着は見せず、ニブル侯爵領への強い愛着を示してヴェルマー王国の貴族として一生を終えた。
「ヌーベル・コーネリウス」
ニーズベル・コーネリウスの長子。
父の跡を継いでニブル侯爵領を治め、安定した統治体制を築いた。
父と同じく、アドラ王国のコーネリウス大公領には執着を見せず、ヴェルマー王国の貴族として一生を終えた。
【アドラ王国】
「ウーゼル・アドラ」
アドラ王。
王として際立った功績は無いものの、当時の王国情勢の中で王権を維持できた時点で優秀な人物だと言える。
帝国侵攻後のアドラ王国は極めて混沌とした状況であり、民主主義者の台頭などもあり、政治を取り仕切ることは不可能と思えたが、世界初の立憲君主制と議会政治の導入で苦境を乗り切ったことから、名君とも言われる。
国内情勢さえ万全であったならアロルド王と正面から戦えた人物だと現代では目されているが、歴史にもしもはないため、それは空想に過ぎない。
実際の所、アロルド王の手助けが無ければ王権を維持できない局面も多く、それはノーゼンハイム大公の反乱において戦力のほぼ全てをヴェルマー王国に頼っていたことからも明らかである。
「イーリス・エルレンシア」
ウーゼル王の王妃でウーゼル王の子を産むことが出来た唯一の人物。
ウーゼル王は拒否した物の用意された側室が子を宿せなかった中でイーリス妃のみ子を宿し、産み落とした。しかしながら、その子は全て女児であり、以降アドラ王家は女子しか生まれなくなる。
何が原因なのかは定かではないが、結果としてアドラ王家は女系の王家となり、アドラ王国は女王が治める国となる。イーリス妃はその転機となる人物であり、歴史における重要性はウーゼル王以上である。
「ワーデン・ケイネンハイム」
ケイネンハイム大公。
ウーゼル王の相談役として帝国を撃退後のアドラ王国復興に尽力する。
また、自領の発展も疎かにせず、自身の都であるケイングラートを王都アドラスティアを越える王国最大の都市へと成長させた。
養子にしたヨゥドリがヴェルマー王国に仕えることを選んだため、新たに養子を取り、大公の座を受け継がせた。
【イグニス帝国】
「ノール・イグニス」
イグニス帝国皇帝。
アドラ王国への第一次侵攻計画の指揮を取るものの敗戦。その後、一時消息不明となっていたが、第二次侵攻の折に再び表舞台に立つ。アロルド王と協力して皇女ライレーリア率いる帝国軍を打ち破り、アロルド王と盟約を交わし、帝国の玉座を手に入れるための強力な後ろ盾を手に入れた。
アロルド王とは盟友の関係であり、その関係は生涯続いたという。
帝位を奪取してからは帝国の体制を改革。
当時の帝国内での貴族と皇帝の力関係を逆転させ、皇帝の力を強めた。その結果、ノール帝以降の帝国は強権を有する皇帝によって治められるようになった。
「ライレーリア・イグニス」
イグニス帝国皇女
アドラ王国への第二次侵攻作戦の指揮を執ったとされるが、実際は貴族の傀儡であったというのが定説である。
アドラ王国の戦いの折ノール帝によって救われて帝国へ無事に帰還。ノール帝が帝位を奪取する際には協力し、ノール帝が皇帝となった際に褒美として領地を与えられた。女伯爵として領主を務め、安定した領地経営を行ったという。
「リギエル」
イグニス帝国元帥およびヴェルマー王国元帥。
傭兵としてイグニス帝国内で活躍していたが、アドラ王国第二次侵攻作戦の折に後のアロルド王とノール帝と出会い、その軍才を認められ、臣下に加わることを乞われる。
当初はノール帝の臣下としてイグニス帝国へと帰還し、ノール帝が皇帝の座を目指して行動していた時には、その軍を率いて対抗勢力を打破する役目を担っていた。
ノール帝が皇帝の座についてからは、アロルド王に乞われてヴェルマー王国へと渡り、アロルド王の下で亜人との戦いに身を投じ、その際の活躍からエルフやドワーフにリギエルの存在は今なお亜人達の恐怖の対象となっている。
多くの奇癖を持つ人物であったとされ、それは晩年になっても治らず、その死因は癖で拾い食いした食物に中ったためだと伝えられている。
「ルベリオ」
リギエルがイグニス帝国軍元帥の職を辞した後、その跡を継ぎ元帥に就任した。
リギエルの直弟子とも言える人物で、リギエルの去った帝国軍を支え、帝国の軍事力を維持した。




