カラーカテゴライズ(9)
続きです。
「負けた......この私がまた負けた......!?」
フードの少女が項垂れる。
涙こそ流さないが、その肩は悔しさに揺れていた。
そんな少女にみこちゃんが歩み寄る。その肩にそっと手を添えた。
「なんだよ......!お前......」
少女はその手を振り払うが、それでもみこちゃんは優しく笑いかける。
「体......汚れちゃってますし、私の家でよければ休憩していきませんか?ね?」
みこちゃんが首を傾ける。
それにやれやれといった感じで、少女は肩を落とす。
「分かったよ......」
みこちゃんはその言葉を聞いて、嬉しそうに微笑んだ。
その元へ私たちも駆け寄る。
みこちゃんは今度はどらこちゃんの服を叩いて、土汚れを落とし始めた。
そこで少女の視線は私とさくらに向く。
ゆっくりと人差し指が私の胸に伸びた。
「水色......お前に気を許したわけじゃないからな」
「はいはい......」
私に言っていたのに、何故かさくらが微妙に慣れた手つきでそれを受け流す。
さくらの前髪はすっかり崩れて昨晩に逆戻りだった。
「キミ......結局名前はなんなのニャ?」
最後まで分からなかったそれをゴローが聞く。
少女はやはり自分の名前があまり好きではないのか、目線を斜め下にボソボソと喋った。
「ココ。鉈手ココ......」
「苗字からしてキラキラネームじゃん」
ココの表情が険しくなる。
どうも私に対して一方的な憎しみが蓄積されているようで、その分も上乗せして睨まれた。
「ごめん、ごめん。......でも、ナタデココなんて、なんかかわいいじゃん」
美味しいし、と思ったところでナタデココってどんな味だったっけとなる。
「戻りますよぉ!三人とも汚れてるから順番でお風呂入っちゃってください」
みこちゃんが呼ぶ。
「ほら、行くわよ」
「へいへーい......」
さくらに背中を押されて駆け出す。
後ろを見ると、多少悩む素振りを見せながらも少し距離を空けてココは着いて来ていた。
電線が血管の様に走り回るビル群。
その中のビルの一つの屋上に二人の少女が立っていた。
「ありゃりゃ......あの子の魅了、解けちゃったみたい」
ツインテールが高所の風に揺れる。
「それに負けたみたい......。まぁどのみち問題はない。しっかりと役目は果たしてくれた」
長髪の少女の言葉に、ツインテールの少女は少し難しそうな表情をした。
その表情をあくびと一緒に噛み砕いて、笑った。
「そうだね」
一際強い風が、都会の街を吹き抜けた。
続きます。




