ゴロー観察日記(2)
続きです。
1日目、朝......は寝過ごしたので、昼から始まる。
ゴローはというと......。
「何やってんだろ......?」
何やら台所でおばあちゃんと話しているようだけど、今いる場所からじゃよく分からない。
「......きらら、何してるニャ?柱に隠れて......」
「はうっ......」
ゴローが振り返る。
どうも気づかれていたらしい。別に気づかれたからどうと言うわけでもないが、出来るだけ自然な様子を記録したいので極力見つからないようにしなければ。
そそそ、と柱の後ろに消えていく。
今見ていなくとも、後でそれとなく聞けば何をしていたかは分かるだろう。
「きららー......?」
まだゴローの呼ぶ声がするが、抜き足差し足で自室に戻った。
枕をクッションにして座り、ノートを広げる。
「今わかってるのは......」
その一、ぬいぐるみの姿をしている。本体は宝石。
そのニ、標準で飛行機能を搭載。なかなか高性能。
その三、絵は私より上手い。手先は案外器用。パワードゴローになったら指も生えるしもっと器用になるかもしれない。
「......」
ノートを閉じる。
新しく分かったことが絵が描けることくらいだ。
なんだか正直このまま観察してても面白いことが起こらない予感がしてる。
そもそも、ゴローは確かに物珍しいけど、調べたところで果たして何か受賞ものの発見があるのだろうか。だってただのゴローだし。
それならまだ「夏休み中アンキラサウルス飼ってみた」とかの方がいいんじゃなかろうか。
後は、「アンキラサウルス作ってみた」とか出来なくもないのではないだろうか。さくらだってそれに近いことをやってたし......。
「てか、手頃な感じのアンキラサウルスをペット用で売れば儲かるのでは......?」
脱線した思考は留まることを知らず、更に広がる。
その枝葉が広がる度に、荒唐無稽に、非現実的なものになっていく。
最終的に雪を星に変えて新星だって言えば有名人になれるのではというところで、脱線してることに気づいた。
目的変わってるし、夏に雪は降らないし......じゃなくて!今必要なのはゴローの観察なのだ。
ノートを閉じて、枕の下に仕舞う。
おそらくこのままでは面白いことにはならないだろう。
ならば、仕掛ければいい。
ゴローの日常行動の観察ではなく、こちらが仕掛けた実験の結果を観察すればいいのだ。
つまり......。
「仕掛けるか......ドッキリ」
それも結構しょうもないことではあるのだけど、私自身ゴローについてもっと知らなきゃならないと思う。
その大義名分を背に、ただやりたいだけのドッキリ計画に着手する。
「まずは......どうしよっか」
今年の夏休みは楽しくなりそうだ。
続きます。




