健康診断、そして・・・・・・(23)
続きです。
「それで・・・・・・じゃあ次は私からの具体的な話ね」
「アリスの・・・・・・?」
「そう!」
もうすっかりいつものようにスバルの話が続くのはかと思っていたけど、どうやらそういうわけじゃないみたいだ。
スバルが話した今後は、作戦当日の話。
ということは、今日のこの後の予定の決定権はアリスが握っているということになる。
目の前にある皿を見る。
いかすみで黒く汚れてはいるが、残りはわずかだ。
「別にそんな心配要らないよ。長くならないから」
料理の残りを気にする様子をアリスに笑われてしまう。
それがなんだという話ではあるけれど、ちょっと恥ずかしかった。
「それで・・・・・・何なんだよ、話って」
そう言うどらこちゃんの皿はもう空だ。
この人二品注文してたよな・・・・・・。
どらこちゃんの言葉に、アリスが口の周りを一舐めして答える。
「私のはそんな特別なことじゃないよ。ご飯食べてバイバイじゃないんだから、むしろこの後からが本番だよ!」
「本番・・・・・・かニャ?」
「そう、本番! みんなをより魅力的に鍛え上げるんだ!」
アリスの瞳はやる気に満ちている。
それもそうだ。
私たちよりアリスの目的はずっとハッキリしてて、そして強い。
スバルの目的がちゃんとしてないってわけじゃないけど、この作戦はアリス個人にとって大きな意味があるんだ。
だからそこにある思いも、私たちよりずっと大きい。
「この食事の後・・・・・・車の行き先、それは・・・・・・!!」
アリスが変な溜めを作る。
ショッピングに食事、なら次は散髪だろうか。
我ながら結構いい線いっ・・・・・・。
「秘密基地だ!!」
せっかくアリスの思考回路及び嗜好をなぞったのに、真実は非情に訪れる。
いや、当てが外れただけだけれども。
「も、戻るんかい・・・・・・」
全然いい線いってなかった。
かすりもしない。
「何するんですか?」
私みたいに変な推測はしてないみこちゃんが、重要な質問をする。
さくらも最後の一口を頬張って、アリスに視線を注いだ。
アリスは唇に指を当てて、少し考える。
「んー、なんて言うのかなぁ・・・・・・」
そうやって適切な言葉を探して、アリスの視線が上を向く。
それが二往復したとき、再びアリスは正面に視線を戻した。
そしてニッと笑う。
「そうだね・・・・・・そう、アイドル特訓だ!」
続きます。




