健康診断、そして・・・・・・(19)
続きです。
車に揺られること数分、特に何かトラブルが起きることもなくファミリーレストランの駐車場に到着した。
まだ昼には早いので、アリスの狙い通り止まっている車は数台だ。
広々とした駐車場に、車が危なげなく収まる。
そして静かに停止した。
なんならみこちゃんのお母さんの運転より上手かもしれない。
「お、着いたね。やっぱり小さい!」
アリスが着いたお店をちらっと見て笑う。
いったい何が嬉しいんだか。
「さ、まぁとりあえず中に入ろう。飯食いながらこれからのことを話そうじゃないか」
そう言って、スバルが最初に車から出る。
アリスもそれに追随してぴょこんと駐車場に降り立った。
私たちもそれに続いて車から降りる。
最後にゴローが出て、ドアを閉めた。
そこであることに気づく。
私たちが車から降りたのは店内から確認出来るだろう。
しかしお店にやって来るのは子供だけ。
大人は車の中で待っている・・・・・・というのは流石にファミレスじゃ考えづらい。
ファミリーなんだし。
「ねぇ、これ大丈夫?」
お店の入り口に向かうみんなに着いていきながら、車の方をチラチラ気にする。
「大丈夫って、何がよ?」
それに反応したのはさくらだった。
さくらも私の視線をなぞって車を見る。
「・・・・・・ああ、そういうことね。確かに不自然かも・・・・・・」
「だよね・・・・・・」
本当に、今日の問題はあの車に集約されている。
あれを足に使ってる限り心の平穏はあり得ないだろう。
「まぁ何とかなるさ。多少怪しくても飯くらい食わせてくれるだろ」
流石に車を用意した本人なので、スバルはこの状況の不自然さに気づいているようだった。
そういう問題に気づいた上でこんなの持ち出すのはスバルの悪い癖だと思う。
多いな、悪い癖。
私たちの心配などよそに、本当にそのままお店の中まで入ってしまう。
すいているので待たされることもない。
私たちを案内する人の視線は、やはり不審がっているように見えた。
気にしすぎなのかもしれないけど。
簡単な人数確認を経て、一番奥の方の席に案内される。
そして案内されるままに、私たちはそのスペースに収まった。
「本当に何もなかった・・・・・・」
「な?」
ひとまずホッと胸を撫で下ろす。
やっぱり悪いことをしてる自覚がある所為で気にしすぎてしまっているのかもしれない。
テーブルを挟んだ向かい側にアリスの笑顔が見える。
座っている位置は、私が手前側の奥で隣がさくら。
向かい側ではアリス、スバルの順で座っている。
その組み合わせに蓋をするように、通路側の何かと楽な席には、こっち側にらどらこちゃん、向こう側にはみこちゃんもが収まっていた。
やっぱり少し落ち着かないが、とりあえずは大丈夫そうなので今は問題から目を逸らしておく。
昼食くらい、楽な気持ちで食べたいもんだ。
続きます。




