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きらきら・ウォーゲーム  作者: 空空 空
きらきら・ウォーゲーム
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ゆーま(24)

続きです。

「どうして・・・・・・」

 目の前の光景にただ立ち尽くす。

一体何があったのか、誰が何のためにこんなことをしたのか。

 転がるウサギの体はピクリとも動かない。

もう生きていない。

ただそれだけが、濁った瞳から感じ取れた。

 包帯を巻いたウサギが、怪我した足で仲間の亡骸に近づく。

ただその顔を覗き込んで、まるで再び動き出すのを待っているかのようだった。

「・・・・・・っ」

 みこちゃんはそうとうショックだったのか、唇を噛んで俯く。

仲間の匂いを嗅いでいるウサギのそばにしゃがんでその背中を撫でていた。

「助けて・・・・・・もらいたかったんですね・・・・・・。それで私たちをここに・・・・・・」

 震える声で呟く。

時折腕で目元を拭っていた。

 みこちゃんの鼻を啜る音が聞こえる。

 私はそっと、一番近くのウサギの亡骸のそばでかがんだ。

その小さな体には、鉤爪で引き裂かれたような傷が生々しく残っている。

うっすらと鼻腔に血液の匂いを感じた。

「・・・・・・」

 恐る恐るその体に手を触れる。

その体に残る温もりに、悲しいような怖いような気持ちになって手を引いた。

 まだ体が温かいということは、本当に少し前まで生きていたのだ。

みこちゃんが撫でるウサギと同じように生きていたんだ。

 しかし、これでこのウサギがアンキラサウルスではないことが分かった。

アンキラサウルスは死骸を残さない。

それはあの虫の時に学習済みだ。

だからこそ、この惨状が許せない。

もしかしたら間に合っていたかもしれないと思うと、同様に自分のことも・・・・・・。

「・・・・・・この子たち、お墓作ってあげられませんかね・・・・・・」

 みこちゃんが、服の裾を握りしめて私の元へやってくる。

「お墓・・・・・・かぁ」

 確かに、見つけてしまった以上、このままにしておくのは忍びない。

私たちの心に一区切りつけるためにも、それは必要なことに思えた。

 でも、一つ問題がある。

それはウサギたちを殺めた何かがまだこの近くにいるかも知れないということである。

だとしたら、あまりここに長いするわけにはいかないだろう。

「・・・・・・」

 決めあぐねて、その回答を求めるように再びウサギの亡骸に視線を落とす。

君たちはどうして欲しい?

当然、その返事はないのだった。

 その時だった。

突然「ガサッ」と草木が揺れる音がしたのだ。

「みこちゃん、危ない・・・・・・!」

 みこちゃんの肩が跳ねる。

再び草陰から音が鳴った。

 いつでも立ち上がれるように、体勢を少し変える。

そうやって動向を見守っていると、突然みこちゃんが立ち上がった。

「み、みこちゃん・・・・・・?」

 まるで私の言葉など耳に届いていないようで、みこちゃんが声を張り上げる。

「出てきてください・・・・・・!さっさと出てくればいいんです!!私は・・・・・・私は許しません・・・・・・!!」

 音に合わせて、草が揺れる。

それは弧を描くようにして私たちに近づき、そして草陰から飛び出した。

「きゃっ・・・・・・!」

 みこちゃんの言葉に誘われて出てきたそれは、鋭い爪を振り上げてみこちゃんに飛びかかる。

それは子犬程の大きさで、背中に鋭いトゲが生えている。

そのトゲと、そしていやに大きな目玉は血のように赤い色をしていた。

「みこちゃん・・・・・・!?」

 咄嗟にその化け物の脇腹の辺りに蹴りを入れる。

つま先がうまい具合に引っかかり、その体を引き剥がすことに成功した。

体は軽いのか、勢いのまま吹っ飛び、草陰に沈み見えなくなった。

「大丈夫・・・・・・!?」

「だ、大丈夫です・・・・・・」

 そうは言っているが、触れた肩から震えを感じる。

「そ・・・・・・それより、ウサギさん・・・・・・ウサギさんが・・・・・・!!」

 言われてみると、さっきの襲撃に驚いて逃げたようだった。

少し足取りがおぼつかないが、もうだいぶ遠くだ。

「・・・・・・くっ」

 あんな化け物がいるこの場所で、手負いで生きていけるとは思えない。

追おうと立ち上がるが、再び草が揺れる。

「まだ・・・・・・居る」

 みこちゃんを庇うように右手を横に広げる。

 再び、草陰から化け物が飛び出した。

 爬虫類とも哺乳類ともつかない不気味な風貌に、細かな牙。

その姿には見覚えがあった。

なんて言ったか・・・・・・確か・・・・・・。

「チュパカブラ・・・・・・だと思います」

「そう、それ」

 そのチュパカブラがアンキラサウルスだろうが、生き物だろうが関係ない。

降りかかる火の粉は払わなければならない。

 飛びかかってくるその小柄な体を、肉体に触れる嫌悪感ごとまとめて拳で打ち抜いた。

続きます。

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