ゆーま(22)
続きです。
「ユノ。サンダーバードの捕縛、上手くいったよ」
多くの木が立ち並ぶ森林。
その一番高い木に少女は腰掛けていた。
吹く風に二つに結えた髪が流れる。
そこには、奇怪な機械を片手に誰かと話すアイドルの姿があった。
『分かった・・・・・・。こっちも問題ない。二人を見つけた』
「にしても・・・・・・なんで二人なんだろうね・・・・・・。きららって子だけで良さそうなのに・・・・・・」
『彼女の頼みだからね。もっとも・・・・・・私たちには必要ないが』
短い期間でその頭角を現したアイドル・・・・・・ミラクルは一度息を吐いて、通話を切った。
ミラクルが視線を落とす。
その視線の先には、二機のロボットが巨大な鳥をワイヤーで引きずって走行していた。
阿形と吽形。
それぞれ人型のロボットだ。
阿形が水色で、吽形が黒。
その足は車輪となっており、まるでスケートでもするかのように走っている。
「こんないかつい名前でモチーフがイルカとシャチだもんなぁ・・・・・・。ほんとにスバルちゃんはよく分かんないや」
ミラクルが退屈そうにボヤく。
やがて、二機のロボットはライフルを構え、その銃口をサンダーバードに向ける。
サンダーバードはミラクルが生み出し・・・・・・そして操っていたアンキラサウルスだ。
「・・・・・・じゃあね、ごめん」
ミラクルが微笑む。
そして手元の端末を操作した瞬間、ライフルから銃弾が吐き出された。
何発も何発も、立て続けに。
やがて光となって散り、その粒子も目玉の形をしたドローンに吸い込まれていった。
ミラクルは心の中で願う。
「いい未来が来ますように・・・・・・。みんなに・・・・・・そして、ユノに」と。
方角すら分からないが、それでも山道の中を二人で駆け回る。
しかし、それは無駄足にならないという確信があった。
というのも、例のウサギが鳴き声で道案内をしてくれているのだ。
もっとも、行き先は分からないが。
しかし確実にその先に何かあるということが、私たちの足を進ませた。
「って言っても・・・・・・ややこしいよねぇ」
「そうですね・・・・・・」
みこちゃんの腕の中で、ウサギが揺れる。
その足には包帯が巻かれていた。
私が葉っぱから作り、みこちゃんが巻いたものだ。
何がややこしいかと言うと、このウサギの鳴き声はどういうわけか「大丈夫ですよ」で固定されてしまっているわけだが、鳴く時は道を間違えた時なのだ。
つまり、大丈夫じゃないときに「大丈夫ですよ」と泣く。
ややこしいでしょ・・・・・・?
正確な時間は分からないが、そろそろお腹が減ってきた頃だ。
今頃、さくら達はどうしているだろうという思いが駆け巡る。
やっぱり、ちょっと心細かった。
続きます。




