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きらきら・ウォーゲーム  作者: 空空 空
きらきら・ウォーゲーム
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海といろいろ(20)

続きです。

 砂に足を取られて転びそうになりながらも、前を目指す。

まだ目的地は近くない。

しかしゴローの囮も限界だった。

 後ろから斬烈光線が伸びる。

それは私の後ろを追って離れない。

「・・・・・・でも、流石にやられてばかりじゃない!」

 踵で砂を巻き上げる。

その砂粒一つ一つがその体積を増し、そして塊になる。

巻き上げた砂粒は私とイカの間に壁を作る。

 それはすぐに両断されてしまうが、それは分かりきったこと。

 私も一歩進む度に、壁を作る。

一つの壁は一秒と保たないが、私はその時間で徐々に距離を離す。

そして・・・・・・。

 たどり着いた消波ブロックに指を引っ掛ける。

斬烈光線はまだブロックには到達していない。

 急いで登って、ブロックの裏側に飛び降りる。

砂浜とは違った湿った地面に降り立った。

 そのタイミングとほとんど同時にブロックが切断されるが、ギリギリで回避することが出来た。しかし剣は見事に切断されている。

「・・・・・・あっぶな」

 これでイカからはこちら側が見えない。

 聞こえることはないだろうけど、抜き足差し足で海の方へ向かう。

コンクリートの切断面はうっすら濡れていた。もしかしたら光線ではなく水を高圧で発射しているのかもしれない。だとしたら光っている原理は不明だ。

 ブロックにへばりついて、温泉でも入るみたいに、ゆっくりと海に入る。

 乾いた水着にじんわりと潤いが戻った。こんなときだが冷たくて気持ちいい。

「・・・・・・じゃなくって」

 軽く泳ぎながら、ブロックの隙間を覗く。

絡まった釣り糸や、ペットボトル、ブイなどが詰まっているのが見えた。

 細長い木の棒などは多く見られるが、なかなか板状のものはない。

 とりあえず木の棒も武器として回収しておく。

 小学生にとって棒状のものは大抵武器だ。だから棒状のものから武器を作り出すのは容易い。

 しかし船となると、なかなか厳しいのだった。

 どれだけ探せど、平たいものは見つからない。

向こうの状況は分からないが、のんびりしている時間はないだろう。

「・・・・・・いや、どんな泥舟でも構わないって言ったのは私だ・・・・・・って言ってないか・・・・・・」

 出来るかどうかは分からない。

けれどやるしかない。

 挟まっているペットボトルを掴む。

中には濁った水が入っていて、ちょっと嫌な感じだった。

「これを・・・・・・大きくして・・・・・・」

 頭の中で思い描くのは、船とは違う姿。ペットボトルからでもイメージしやすい筒型のものだ。

そんな実在するかも分からない乗り物を想像して、そしてペットボトルを変える。

「・・・・・・これがほんとのリサイクルっつって・・・・・・」

 出来上がった乗り物は、流線形のミサイルみたいなものだった。

実在するものでもなくイメージがぼんやりしていたため、極端に簡素なデザインをしている。

 例えるとすれば潜水艦が近いのかもしれない。

もっとも乗り込み口などないが。

 恐る恐るそれにまたがる。

たぶん普通だったら回転してしまうが、謎の力でしっかりと姿勢を制御していた。

「・・・・・・いけるぞ」

 その感覚は確信としてある。

 私の意思に合わせて、乗り物が水しぶきを派手に上げる。

その派手さに見合った速度で発進した。

 乗り物に掴まって、木の棒も剣に変える。

その間にも、沖の方へ出てしまった。

 海面を裂きながら、海を滑る。

そのスピードは私に爽快感をもたらした。泥舟だなんてとんでもない。

 あまりにも派手な登場なので、イカもすぐに気付く。

しかしその斬烈光線はこっちからしてみても不思議なくらいに当たらなかった。

イカは私の速度に追いつけていない。

 いつまでも名前がないと呼び方に困るので泥舟に名前をつける。

「破快丸!押して参る!」

 破快丸。

なんかそんな感じの名前だ。

 私の声に合わせて、破快丸の側面に名前が刻まれた。

 斬烈光線の着弾地点に水の柱が立つ。その隙間を掻い潜り、一気に距離を詰める。

「これでやっと、戦える!」

 逃げるのはおしまいだ。

ここからは私の手番。

思う存分、死合おうか。

続きます。

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