表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生ニートは迷宮王  作者: 三黒
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/272

39 アイラ

「ンだよ。何しにきた」

「……貴方を止めに」

 

 一人増えた敵に、遊撃隊の面々は警戒を強める。

 

「てめェはいつもオレの邪魔しやがる。さっきの兵舎でだってそうだ」

「……あれは貴方が間違っている。無闇に厳しい訓練をしても、兵士の士気が下がるだけ」 

「あーあーうるせェうるせェ。丁度いい機会だ。手っ取り早く殺し合いで決めようじゃねえか? え?」

 

 カインが片手剣を抜く。まぁこうなるわな。

 若干驚いたような表情で、アイラは口を開く。

 

「……仲間内で争ってどうするの。やはり貴方は指揮官には向いていない」 

「それがどうしたァ!」

 

 突然の踏み込み、からの鋭い突き。   

 が、アイラはそれをギリギリで弾いた。

 

「……っ。敵の前で手の内を晒すのも――!」

「まぐれ当たりで調子乗ンなよ!」

 

 容赦のない切り込み。一見押されてるように見えるが、槍で弾きつつ説得を試みてるってことはやっぱりアイラ側に余裕があるのか?

 

「てめェ、守ってばっかいねェで攻撃しやがれ!」

「……私は貴方を殺したいわけじゃない。貴方が素直に持ち場に戻れば、それでいい」

「オイオイ、折角この身体を試すチャンスなんだぜェ? 何が悲しくて兵舎にこもってなきゃいけねェんだ……よっ!」

 

 勢い良く槍を打ち上げ、がら空きの胴に一閃。アイラは当たる寸前で後ろに跳び、躱す。

 

「とことん攻撃しねェつもりみてえだな。じゃあ、死ねよ」 

 

 カインもバックステップ。そして剣を両手で握り、何やら唱え始める。 

 

(……少し面倒。殺して、いい?)

(ああ勿論。どうせ復活するんだ、あいつを止められるならなんでもいい)


「てめェの負けだァ! (ラグ)――」

「……冗談」

 

 横からの切り払い。強大な力を纏ったそれを、アイラは難なく弾いた(・・・・・・)

 躱すまでもないというように、余裕の笑みで。

 バキン! という音と共に、中腹で折れた片手剣が宙を舞う。

 

「……一旦死んで、頭を冷やすべき」

 

 何が起きたかわかっていない様子のカイン。アイラは、その胸を容赦なく突き刺す。

 

「な……てめェ……女のくせに…………」 

「さよなら」

 

『使い魔:カインが死亡しました』

 

 アイラが槍を引き抜くと同時にアナウンス。呆然とした表情のカインが塵になっていく。マジか。マジで勝ったのか。

 

「……さて」

 

 アイラが怯える遊撃隊員たちに振り向く。

 

「……怪我はなさそう。驚かせてごめんなさい。私も彼も、本来こんな上層にはいないから。安心して、また来てね」  

 

 よいしょ、と槍を担いで、転移門(ゲート)を踏んで戻っていく。 

 

(お疲れ様、助かった)

(……当然のことをしただけ)

 

 人は見かけによらないって言うが。そのいい例だな。

 まぁこれで俺特製片手剣は無事外の世界に持ち出されることとなった。まだまだ弱い方の武器だが、ミノっち戦ではかなり活躍したし少しは有名になることだろう。

 カインにもちゃんと注意しておかなきゃな。俺より弱いくせにって言われないように片手剣のスキル上げをしとくか。

 あと、今回ので思ったがボスがやられたから新たな刺客――みたいなのは不公平だ。フェアじゃない。

 勝手にやられても困るし。

 

『探索者のいる階層への直接転移を禁止しました』

 

 これでよし。

 次は宝箱だ。今回二つとも当たり箱を持って行かれたので、この前作った武器を入れておく。

 はずれ箱ってことでミミックも二体配置しよう。

 

【ウッドミミック:1,000DP】 

 

 一番安い木製のミミック。地下9階と地下10階に配置、と。

 反射オプションは結界の方だからあとでまとめて変更しよう。

 ってか、DPめっちゃ増えてるな。どうやら探索者がそれなりに強ければ、迷宮にいるだけでDPガンガン入る仕組みらしい。

 ゲーム版だと殺さなきゃ碌に貰えなかったからな。これは有能アプデ。

 俺が生きてるだけで入ってくるDPも、心なしかゲーム版より増えてる気がする。地上のことも考えなきゃだし妥当っちゃ妥当か?

 

 とりあえず、しばらくはDPに困らなそうだ。20階以降を考えてみるか。

 そういや、地下20階の魔物はいい感じに進化してくれたかね。

 

【地下20階:ギガントゴーレム(R) 1/1】 

 

 ……………………?

 俺の記憶が確かなら、こっちではゴーレムは出会ったらヤバすぎるタイプの魔物だったはず。

 見た感じそれの強化版か。流石に地下20階でゴーレム以上のボスってのもインフレしすぎじゃないか?

 コカトリスやらガーゴイルやらはどこ行ったんだ……と思ったら画面端の赤いマーク。これさては通知だな?

 

『ギガントゴーレムへの進化に伴い、地下20階層を再構築しました。また、配置されていた他の魔物を地下19階層へ移動しました』 

 

 なるほど。いつのまにかそんなことになってたんだな。

 コカトリスとガーゴイルは全階層30/30でカンストしていた。で、気になるのはこのギガントゴーレムの横のR。こんだけ特別扱いされてんだから予想はつくが。

 

『レアな進化を遂げた魔物を表す。通常の進化とは異なり、その階層を進化に合わせて作り替える』

 

 やっぱりレア表示か。にしても、俺の迷宮を作り替えやがるとは勝手な野郎だ。

 階層データは残ってるから戻せるのかもしれないが、どんな感じになってるのか一度肉眼で見ておこう。

 地下20階以降はその後、と。次の探索者が来るまでに、地下30階までは終わらせときたいな。

 ああ、やることが多い。だがこれでこそ迷宮王。

 ワクワクしてきた。次の探索者はどんなやつだろうか。

これにて第1章完結です。閑話を二話挟んで次の章に移ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ツクールシリーズ懐かしいと思いながら読ませていただきました。 ツクールマニアの主人公がダンジョン攻略することになったという珍しくも面白そうな設定。しかも職業勇者ではなく迷宮王。 それより…
2021/12/04 20:53 退会済み
管理
[良い点] Twitterからです( ᵕᴗᵕ ) 1章まで読みました! レルアちゃんが可愛すぎる…。お使い失敗しちゃってしょんぼりしたり、張り切りすぎて魔物に間違えられたりめちゃくちゃ可愛いです♪ …
[良い点] 一章まで拝読させていただきました、非常に読みやすく登場人物が増えてもキャラが立っていて混乱することなく楽しく読むことが出来ました。今後ダンジョンがどうなっていくのか楽しみです(*´ω`*)…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ