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【完結】転生ニートは迷宮王  作者: 三黒
第1章

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32 入浴

「あ゛ー。気持ち良い」

 

 俺は今風呂に入っている。かなり久々だ。勿論向こうにいたときは毎日入ってたけどな。俺は清潔なヒキニートだった。

 ちなみに、買ったのはクリスタル製浴槽。階層の雰囲気に合うだろと思ってノリで買ったが豪華すぎる。

 ……あと、気持ち良いとか言ったのは嘘だ。言葉だけでも気持ち良いって言ってないと吐く。死ぬほど気持ち悪い。体力ゴリッゴリ減ってる。

 何故かって? これが恐怖の状態異常風呂だからさ!

 それもレルア特製の激ヤバ魔術で作り出された一級品。気持ち良いとか冗談とばせるのも慣れてきたからだ。入り始めは毎秒浄化(キュア)かけてもらわないと死にかけてたからな。

 とか言ってたらまた胃液がせり上がってきた。

 

「おぇ……」

 

 喉の奥が酸っぱい。右手を挙げる。

 

浄化(キュア)治癒(ヒール)

 

 と、レルアがすかさず浄化(キュア)で状態異常を取っ払ってくれるってわけ。更に治癒(ヒール)で全回復。あー生き返るわ。

 そうそう。限りなく黒に近い紫色の不透明な液体に沈んでいるので、俺の股間部分(ムスコ)は外から見えない。いやレルア女の子だし流石にね……。見えなくて助かった。俺にそういう趣味はない。

 そういや胃液っつったけどこっち来てからなんも食ってないな。美味いもん食いたいとは思うが、空腹は感じたことがない。

 ヘルプ見たときも、いつもの癖で寝ようとしただけで眠いわけではなかった。

 性欲も……いやないわけじゃないと思うが。わからん。思えばあっちじゃ死ぬまで童貞だったが、時空魔術とか使えるようになったな。魔法使いになれるって噂は本当だったか。

 ――てか俺人間やめてね? 食わなくても寝なくても生きてける時点でかなり怪しいよな。勇者が人間である必要はないってか?

 

「う」

 

 はい右手。

 

浄化(キュア)治癒(ヒール)

 

 生き返りました。束の間の爽快感を楽しんだ後、再び右腕以外の感覚に別れを告げる。痺れっぱなしで色々危ない気もするが、浸かってる面積が広いほど耐性スキル上がりやすいっぽいんだよな。

 こんなことしてる時点でとっくに人間じゃない気もしてきた。ま、別に人間であることに執着はないし構わないんだが。

 そもそも向こうの人間とこっちの人間は同種なのか? 思えば普通に言葉が通じるのも不思議だ。それは神がどうにかしたにしても、時間も24時間の時計が機能してるっぽいし……案外あっちの世界と作りが似てるのか。

 

『パッシブ:持続回復、麻痺耐性、火傷耐性、氷結耐性、その他12種類がレベル9→10に上がりました。スキル統合により、パッシブ:天の羽衣を獲得しました』

 

 おお?


『天の羽衣:状態異常耐性を大きく上げる。また、自然治癒速度を上げる』

 

 神スキル把握。テンション上がってきたが、今はしゃいだらガチで吐きそうなのでやめておく。それはさておき、これで多分そこそこの状態異常なら無効化できるんじゃなかろうか。あとでコカトリスの毒でも食らってみるかな?

 天の羽衣自体もスキル上げは可能みたいだが、ここらで一旦上がっとこう。地味にかなりの時間浸かってたしな。ついさっき、ゼーヴェから迷宮に戻る旨の報告があったレベルだ。

 きっとそろそろ戻ってくるはず……と、待てよ。

 

「おーい、レルア。そろそろ上がることにする」

「了解です。浄化(キュア)治癒(ヒール)

 

 お……っと大事なことに気付いた。気付けて良かった。なんも考えず全裸で出てったらそれこそ事案だぞ。警察のお世話になってしまう。


「ちょっと向こう向いといてくれ」


 レルアが目をそむけたのを見てから、さっさっと上がって軽く水で流す。流水(リルルス)っていう便利な生活魔術なんだが、ゼーヴェ曰くこっちの人は皆使えるらしい。

 ヌメっとした何かは全部流れたので、安DPで購入したタオルで身体を拭き、同じく安DPで購入した部屋着に着替える。

 こっちの世界の服ではなく、あっちの――それもユ○クロの服だ。謎の安心感がある。購入はまだ可能らしいが、次のはし○むらだったりするんだろうか。

 

「レルア、お疲れさん。ずっと側にいてもらって悪かったな。助かった」

「いえ。浄化(キュア)治癒(ヒール)の使用程度なら、いつでも。……これは?」

「コーヒー牛乳って飲み物だ。風呂上がりには最高だぞ」

 

 レルアに瓶を渡すと、不思議そうに眺めていた。現代の知識はそこそこあるって話だったが、直接見るのは初めてか。

 にしても二本で20DPとは。相変わらず安いな。普通あっちの世界のモノって高くなるもんだが。

 まぁぼったくられるよりはいいか。

 

「んー、美味い!」

「なるほど、これが。確かに入浴後には丁度良さそうですね」

「だろ?」

 

 普通の風呂も作りたいな。風呂入ってるときは迷宮の仕掛けもバリバリ思い付くし。というかいっそもう温泉作っちまうか。

 ルセペ城の中に大浴場があったような気がしないでもない。あとで見に行かねば。

 この毒沼はスキル上げ兼罠用にとっとくとして、お湯とかの設備は魔術でなんとかしないとだな。またレルア頼みになりそう。

 レルアといえば。

 

「レルア、趣味とかってある?」

「趣味……」

 

 少し考え、彼女は口を開く。

 

「読書、でしょうか。天界ではよく本を読んでいました」

 

 ……ええー? ほんとにござるかぁ?

 俺に気使ってない?

 いや、でもさっき治癒(ヒール)とかかけながらラノベ読んでたな。実はマジの読書家だったりするかもしれない。

 

「レルアには、何かあったときのために迷宮にいてもらうことが多くなるかもしれないからさ。欲しい本とかあったら遠慮せず言ってくれよ」

「あ、では、早速先程の本の続きを。マスターの世界では一般的ではないはずの魔術が、ここまで詳細に描かれているのは面白いですね」

 

 もう読み終わったのか。早すぎる。

 魔術に関しては俺もびっくりだよ。まさか想像と大差ないものだとはな。そこは神に感謝ってやつだ。


「了解。とりあえず全巻渡しとくから、暇になったら読んでくれ」

 

 例の謎空間に放り込んでおく。俺も早くあれ使えるようになりたいな。

 レルアが部屋を出て行った直後、ゼーヴェから念話が入った。

 

(ロード、シレンシア方面から数人が迷宮へ向かっています。エクィトスを利用しているのを見るに、レイス討伐隊かと。アルデムの大規模魔術が目撃された可能性がありますが、先手を打って叩きますか?)

 

 レイス討伐隊。思った以上にすぐ来た。

 だが、今の状態でも迷宮を最下層まで踏破するのは厳しいだろう。

 

(いや、そのまま帰ってきてくれ。ゴーストは城に配置、ゼーヴェと三騎将は地下21階待機で頼む)

 

 対ゼーヴェ編成で来たなら、レイス四人で囲めばなんとかなりそうだが。

 俺は迷宮を攻略させたい。せめてミノタウロスまでは突破してくれよ?

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